「子供たちの宝」グーニーズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
子供たちの宝
80年代のハリウッドを代表する人気娯楽作と言えば、『インディ・ジョーンズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ゴーストバスターズ』…。
そして本作も忘れちゃいけない。
先日の金曜ロードショーでリクエスト放送されるほどの今尚愛され続ける名篇だが、そういや私、きちんと見た事無かったかも…。
なので、この機会に♪
しっかり者のマイキー、お調子者のマウス、おっちょこちょいのチャンク、発明好きのデータ…彼らは“グーニーズ(まぬけ連中)”を名乗る仲良しでやんちゃな少年たち。
が、マイキーと兄ブランドには悩みが。町の資産家が経営するゴルフ場拡張の為、不動産を担保に多額の金を貸し付け、借金返済出来ない家々に立ち退きを要求。兄弟の家も。しかも、期日は明日まで。
家の整理で屋根裏へ。博物館で働く父親が収集した品が溢れ返っていた。
そこで奇妙なものを見つける。
何かの地図。ただの地図ではない。この地に伝わる伝説の大海賊、片目のウィリーが隠したとされる金銀財宝を示す宝の地図だった…!
これを見つければ家を救える…!
グーニーズは宝探しの冒険へ。
辞めさせようとしたブランドや、ガールフレンドのアンディと友人のステフも加わって。
単なる子供騙しに非ず、本当の大冒険。さらに、思わぬ危機が…!
子供版『インディ・ジョーンズ』の例えに偽りナシ!
アドベンチャー!地図!洞窟!トラップ!謎!宝!
もはや子供版…などではない。冒険映画の王道。
少年少女たちのコミカルなやり取り、友情、淡いロマンス…。ジュブナイル要素もたっぷり。
彼らに襲い掛かるもう一つの危機とは…
地図が示す地点、海岸付近のとある潰れたレストランに辿り着いたグーニーズ。
しかしそこには、“先客”が居た。ギャング団“フラテリ一家”の隠れ家だった。
ボスのママ、長男ジェイク、次男フランシス、地下には不気味な謎の大男が…!
危機一髪魔の手から逃れるが、鈍臭いチャンクだけ捕まってしまう。
洗いざらい話な!…チャンクがこれまでしてきた“悪い事”を涙ながらに白状し、それに貰い泣きするフラテリ一家が笑える。
チャンクは地下室に監禁。そこに居た不気味な大男こそ、一家の三男スロース。知的障害で母親から虐待を受け、歪んだ顔に。
チャンク、危うし!
しかし、この出会いが後に…。
多くのトラップを力を合わせて乗り越えるグーニーズ。
そして、遂に辿り着いたウィリーの海賊船。中に入ると…、本当にあった! 山のようなお宝!
これで家や町を救える!
が、そこに現れたは、追ってきたフラテリ一家!
宝(=家や町の皆の為)か、命(=自分たち優先)か、グーニーズが苦渋の決断したのは…?
製作総指揮/原案はスピルバーグ、監督は『スーパーマン』『リーサル・ウェポン』のリチャード・ドナー、脚本は『ホーム・アローン』『ハリー・ポッター』の監督クリス・コロンバス…ビッグ面子。
彼らが子供頃ワクワクしながら見ていたような、冒険映画、海賊映画、ギャング映画を詰め込み。全ての世代に楽しめるよう荒々しさや暴力描写は排し、子供たちを主人公にしたTHE娯楽活劇。
グーニーズのキャラも愉快。
マイキーとブランドの兄弟愛。演じるは、“後の忠実なサム”と“後の最強宇宙魔人”。
いるいる、こんな奴!…と思わせる、チャンク。食いしん坊でドジっ子。だけど憎めない。
フラテリ一家は悪い奴ら×滑稽な奴らって感じ。でも、スロースだけは違う!
ジュブナイル・エンターテイメントなので、結末は当然ハッピーエンド。
お宝は無くしたかと思いきや、残ってたのがあり、家や町は救われた。
フラテリ一家も逮捕。グーニーズはヒーローに。
でも、それ以上のもの。
子供の頃にしか経験出来ない冒険。友情。
再び帆を張って大海原に出たウィリー海賊船のように。
それこそが、唯一無二のお宝。