「う〜ん… もっとイノセンスな映画かと思ってた…」禁じられた遊び(1952) osmtさんの映画レビュー(感想・評価)
う〜ん… もっとイノセンスな映画かと思ってた…
すっかり存在すら忘れていた映画だったが、先日まで開催されてた「楳図かずお大美術展」における『わたしは真吾』のパラレルワールド”Zoku-Shingo”のBGMとして、あの懐かしの名曲が流れていて、妙に心に残っていたのだが、
今月いっぱい一週間だけアップリンクで上映!2Kリマスター版!しかも、日本最終上映ではないか!
まあ日本最終上映っていうのは、いつも結局は最終ではなかったりするのだが…
また『気狂いピエロ』をやるようだし。
とは言え、この映画は本当に暫くは上映が無いような気がしたので、吉祥寺まで行ってみた次第。すると平日お昼前にも関わらず、ほぼ満席状態。
元々、窮屈なミニシアターは嫌いなので、Amazon prime で観てメチャクチャ良かったら、後日改めて行こうかと思い、画質は悪いだろうとは思いつつも、鑑賞してみたのだが…
もっと救いようがないほど、理不尽かつ切なくイノセンスな映画かと勝手に想像してたので、ちょっと予想ハズレだったかな。
あのルネ・クレマンなら、もうちょっと脚本は、どうにか出来たと思うけどなあ。3人で脚色したのが裏目に出たか?
両親の死よりも愛犬の埋葬に夢中になるなんて、4〜5歳くらいの女の子にしても、やはり無理がある。
少年の方も10歳くらいにはなっていたと思うので、既に其れ相応の倫理観は身についているはず。あのエスカレーションはないだろう。
あの展開で敢えて突っ走るなら、もっと子供特有のダークなギャグを連発しないと!フィクションとしてのリアリティが出てこない…
無垢というよりは、仏語や英語の本来の意味でのNaiveって感じ。
あと、冒頭の犬の扱いの酷さには唖然としてしまった。あの足の痙攣は毒でも盛ったのか?死後硬直も全くぬいぐるみには見えなかったなあ。あの時代では、動物愛護の倫理観など、未だ無かったのだろうか?
最後の少年の呟きは、名台詞だったとは思うし、あのフクロウもなかなか名演だったとは思うが、結局のところ、名作と言われ続けているのは、全てあの名曲のおかげなのだと思う。