劇場公開日 2020年8月14日

「【”無垢なる罪” 哀愁帯びたナルシソ・イエペスのギター独奏”愛のロマンス”に彩られた反戦映画の名作。】」禁じられた遊び(1952) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0【”無垢なる罪” 哀愁帯びたナルシソ・イエペスのギター独奏”愛のロマンス”に彩られた反戦映画の名作。】

2021年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館、TV地上波、VOD

悲しい

知的

難しい

ー 第二次世界大戦中、ドイツ軍によるパリ侵攻からの逃避中、機銃掃射により、両親と愛犬を喪ってしまった5歳の少女、ポーレット。
 独り、川に投げ込まれた愛犬の亡骸を胸に、彷徨う中、11歳の貧しき農民の少年ミシェルと出会う。ミシェルから”死んだら、土に埋めて十字架を供えるんだよ・・”と言われる。
 ポーレットは、ミシェルの家に引き取られ、二人は、様々な小動物、虫たちのお墓を作る。
 だが、そのお墓に備える十字架が、無かった・・。。ー

◆感想
 1.この作品を名作にした要因は、観れば分かる。

  ・その一点は、戦災孤児となってしまったポーレットを演じたブリジット・フォッセーの無垢なる可愛らしさと、彼女を懸命に楽しませようとするミシェルの子役二人の際立った魅力である。

  ・もう一点は、40歳以上の映画好きであれば(映画好きでなくても・・)一度は耳にしたと思われる、ナルシソ・イエペスによる哀愁に満ちた『愛のロマンス』のギター独奏の音色である。

 2.無垢なるミシェルが、ポーレットを喜ばせるために、小動物、虫たちのためにお墓を作り、14本の十字架を教会や霊柩車から盗んで来てしまう姿。
 一方で、聖書に通じた彼は、自らの罪を告解するのである。
  そして、彼らの罪が明らかになり、ポーレットは赤十字に連れて行かれる・・。

<1952年製作、日本公開は1953年の、ルネ・クレマン監督の、反戦映画の名作である。
 撮影技術が飛躍的に進歩した現代でも、十二分に製作者たちの反戦の想いが伝わる作品でもある。>

・小学生時代、映画好きの父親に”この映画は観なさい。”と言われ観賞したが、哀愁を帯びた音楽のみ記憶に残る。

<2018年10月頃 長野県長野市の千石劇場にて、初めて字幕版を大スクリーンにて鑑賞>

<2021年8月9日 別媒体にて再鑑賞>

NOBU