「カンボジアの悲惨な歴史と判断を誤ったジャーナリストの苦悩」キリング・フィールド Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
カンボジアの悲惨な歴史と判断を誤ったジャーナリストの苦悩
総合:80点
ストーリー:85
キャスト: 75
演出: 80
ビジュアル:70
音楽:70
文明も進んだ20世紀も後半になって猶このような理解しがたいほどの一方的な残虐行為が行われたことに非常な戦慄を覚える。正しい表現ではないかもしれないが誤解を恐れずに言うならば、正々堂々とお互いに武器を持って殺しあう戦争でもこれに比べれば残虐には見えないとすら思えるほどの人類史上最悪の歴史の一端である。
実際のところ映画で描かれたジャーナリストたちの行為がどこまで事実なのかはわからない。だが彼らのおかげでこのようなことが世界に発信されることになったのは事実であり、その影で苦労したり傷ついたりあるいは死んでいったジャーナリストの人々が確かにいた。日本人ジャーナリストも死んだものがいるそうである。
カンボジアの目を覆う悲惨な現実、ジャーナリストたちの命懸けの取材とそれに伴う苦悩、そのような主題がしっかり描かれていて評価できる。特にクメール・ルージュの虐殺以降に生まれた若い人に、日本の近くで比較的最近にこのようなことが起きていたことを知ってもらい、何故これほどにまで馬鹿げたことが起きたのかを考えるきっかけになってくれればと思う。
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