救命艇

解説・あらすじ

名匠アルフレッド・ヒッチコックがジョン・スタインベックの原作をもとに、小さな救命艇の中で展開される男女8人の心理劇を描いた密室サスペンス。第2次世界大戦下、大西洋上を航行していた客船が、ドイツの潜水艦Uボートの魚雷攻撃を受けて沈没した。脱出に成功した7人の男女は、1隻の救命艇にたどり着く。そこへ、連合国軍によって撃沈されたUボートの生き残りであるドイツ兵も乗り込んできて……。

1944年製作/96分/アメリカ
原題または英題:Lifeboat

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0 ヒッチコック史上、最小規模の舞台<救命艇>で巻き起こる心理劇

2020年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ヒッチコック映画には、主人公が縦横無尽に世界を飛び交う活劇もあれば、その対極ともいうべき閉所空間サスペンスも存在する。本作は後者のまさに極北。なにしろUボートによって旅客船が沈没し、救命艇に乗り合わせた人々がその内部のみで紡ぎ上げるヒューマンドラマなのだ。そのサイズといったら、横幅は大人が手を大きく広げる程度。縦幅も5mほどしかない。かくもヒッチコック史上最も手狭な空間にて、性別、職業、階級、国籍の異なる人々が時に疑心暗鬼を募らせ、また時に生き残るために力を合わせる。

スタジオ内での撮影ながら、キャストは水に濡れ、風に吹かれ、その姿も焦燥に駆られた感じになり、その上、ラストにはスペクタクルへ身を晒す。本作が戦時中に製作されたことを考えると、敵兵への言葉の中に単なる憎悪や恐怖を超えたヒューマニズムに訴えるメッセージが込められていることに気づき、ヒッチコックの国際感覚に改めて感心させられる。

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牛津厚信

2.5 ヒッチコックファンであっても、観ないないでよろしい。

2025年8月19日
PCから投稿
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KIDOLOHKEN

4.0 海上の密室

2023年9月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

大型客船の煙突が海に飲み込まれていくオープニングから、「うわ~、これぞ映画だ~!」という醍醐味に興奮しました。海に投げ出された乗客・乗組員が大海原に漂う小さな救命艇に次々と救われていきますが、そこからのドラマは予測不能の展開を見せます。わずかな食料しかない救命艇で助かる可能性があるのかというサバイバルのうえに、乗客・乗務員らの性格や過去のしがらみなどが幾重にも重なっていく心理戦に引き込まれます。徐々に明らかになる真実に驚きつつ迎えるラストには、思わず苦笑してしまいました。こんな密室でもカメオ出演するヒッチコック監督の執念(?)にニヤリとしてしまったのは私だけではないでしょう(笑)。やっぱり、人間の心理描写が巧いですよね~。とても楽しめました!

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赤ヒゲ

5.0 『同じ人間なのか』 『ガスと母子だけが知っている』

2023年5月31日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

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