吸血鬼ノスフェラトゥ

解説・あらすじ

ドイツ表現主義の巨匠F・W・ムルナウがブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」を映画化し、吸血鬼映画の原点となった名作ホラー。ブレーメンの不動産業屋で働く青年フッターは、上司の命令でトランシルバニアのオルロック伯爵の城を訪れる。しかし、実はオルロック伯爵は恐ろしい吸血鬼だった。正体を知られたオルロック伯爵はフッターを城に幽閉し、棺と共に船に乗り込んでブレーメンへと向かう。

1922年製作/62分/ドイツ
原題または英題:Nosferatu, eine Symphonie des Grauens

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写真:Album/アフロ

映画レビュー

3.0 古典ホラー無声映画

2026年2月25日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

 1833年、ドイツの不動産業者で働くフッターは、新婚の妻エレンと暮らしていた。ある日、上司の命でトランシルバニアのオルロック伯爵を訪ねることに。ようやく伯爵の城にたどり着いてみると、伯爵は不気味で異様な姿だった。フッターが持っていたエレンの写真を見た伯爵は、城を後にし海路ドイツヘ向かう。
 100年以上前の、古典ホラー無声映画。音楽も入った活弁士版で観賞。ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」が原作。同じ原作のコッポラ監督の「ドラキュラ」はだいぶ前に鑑賞していますが、ずいぶんと印象が違いました。妻への愛を描いた「ドラキュラ」と、一目惚れでまっしぐらの「ノスフェラトゥ」。
 100年前の技術を駆使した演出は見ものです。そういえば、血を吸われたら吸血鬼になるという設定はありませんでした。

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sironabe

4.5 自らの棺を担ぐノスフェラトゥ

2026年2月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

1922年のF・W・ムルナウ監督『吸血鬼ノスフェラトゥ』を、片岡一郎さんの活弁付きで鑑賞しました。以前リメイク版は観ていましたが、今回オリジナルを観て、この作品がいわゆる「吸血鬼映画」という枠を大きく超えた作品であることを強く感じました。

本作はブラム・ストーカー『吸血鬼ドラキュラ』の翻案ですが、イギリス的なゴシック・ロマンとは全く異なる質感を持っています。ドラキュラが「海を渡って侵入してくる貴族的な存在」であるのに対し、本作のオルロック伯爵は「陸に根差した疫病のような存在」として描かれています。ネズミを連想させる前歯や鉤爪の手、空を飛ばず棺を自ら担いで移動する姿は、怪物というよりも感染そのものの象徴のように見えました。

特に印象的だったのは、オルロック伯爵の演技です。ほとんど瞬きをせず、一点を見つめ続けるその姿は、意志や感情を持つ存在というより「死そのもの」を体現しているようでした。怒りや欲望を持つ怪物ではなく、ただ存在し、ただ吸うという現象のような不気味さがあります。

映像面では影の使い方が非常に印象的でした。階段を登る影のシーンをはじめ、存在そのものよりもシルエットや空間で恐怖を表現する演出は、ドイツ表現主義の特徴がよく現れていると感じました。暗い街に浮かぶランプの影が怪物のシルエットのように見える場面など、古典的でありながら現在でも通用する映像表現の力を感じます。

また本作には、食虫植物や顕微鏡映像のような自然観察的なカットが挿入されており、ノスフェラトゥを「超自然的怪物」ではなく「自然界の捕食や感染の延長」として描こうとしているようにも見えました。ネズミとペストのイメージが強く結びついており、疫病の恐怖が作品全体を覆っています。

この点で本作は非常に哲学的な作品だと感じました。疫病に直面したとき、人は原因を道徳に求めてしまうものです。人々が恐怖に駆られ、ノックを追い詰めていく様子には、感染症がもたらす集団心理の不安定さがよく表れていました。コロナ禍を経験した現代の私たちにとっても、この構造は決して過去の迷信ではなく、人間の本質的な反応として理解できるものだと思います。

物語の終盤、エレンが自らを犠牲にしてノスフェラトゥを朝日へと導く場面は、宗教的な救済構造を思わせます。無垢な存在の犠牲によって疫病が消えるという結末は、中世的な世界観に基づく象徴的な解決であり、医学ではなく倫理や純潔によって世界が回復するという感覚が描かれているように思いました。

ドラキュラが「人格を持った悪」であるのに対し、ノスフェラトゥは「死や腐敗という現象」に近い存在です。敵として倒すことができる存在ではなく、世界が崩れていく過程そのものを体現しているように感じました。その意味で本作はホラー映画というよりも、「疫病と恐怖と人間」を描いた映画であり、静かで運命的な滅びの感覚を持った作品だと思います。

クラシカルな表現でありながら、人間の集団心理や未知への恐怖を非常に本質的に捉えた作品でした。ドラキュラとは全く異なるタイプの吸血鬼映画であり、むしろ「死と感染の寓話」として記憶に残る一本でした。

評価: 88点

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neonrg

4.0 いったい、この女性は何者なのか?

2025年12月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

怖い

知的

難しい

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あちこ

4.0 吸血鬼のビジュアルが良い。 時代的なものもあって、吸血鬼のルール設...

2025年5月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:その他

吸血鬼のビジュアルが良い。
時代的なものもあって、吸血鬼のルール設定は緩めでダークホラーみたいな雰囲気が良い。
ドイツ制作で吸血鬼のビジュアルに反ユダヤ的なものが感じられたりペスト=ユダヤ人や非キリスト教徒など移民のせいみたいな時代的な背景が読み解けたりする(ふんわりとwikiで読んだ知識なのでちゃんと調べられてはない)

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madu

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