KIDS(1995)
劇場公開日:1996年7月13日
解説
セックスとドラッグ、アルコールと暴力が日常となったNYのストリート・キッズの生態を、ドキュメンタリー・タッチで赤裸々に描いた異色の青春映画。監督は『タルサ』(71)、『ティーンエイジ・ラスト』(83)の2冊の作品集で話題となった写真家ラリー・クラークで彼の初監督作品。脚本は、スケートボーダーだった高校生の時にクラークと知り合い、19歳で初のシナリオである本作を執筆したハーモニー・コリン、製作はケイリー・ウッズ。エグゼクティヴ・プロデューサーは、『タルサ』に影響された映画「ドラッグストア・カウボーイ」を監督したガス・ヴァン・サント、パトリック・パンザレッラ、マイケル・チャンバース。撮影は、「マイ・プライベート・アイダホ」などヴァン・サント組の常連エリック・アラン・エドワーズ、美術はケヴィン・トンプソン、編集はクリストファー・テレフセン。音楽はルー・バーロウとション・デイヴィスがスコアを書き、ランダル・ポスターの監修の下、フォーク・インプロージョン、ダニエル・ジョンストンなどが挿入曲を提供。主演は全員素人の少年少女ばかりで、ヒロインを演じたクロエ・セヴィニーは本作以降、人気ブランド〈ミュウミュウ〉のイメージガールも務め、ストリート・キッズのアイドルとしてその言動が注目される存在とまでなった。
1995年製作/アメリカ
原題または英題:Kids
配給:松竹富士(松竹=アミューズ提供)
劇場公開日:1996年7月13日
ストーリー
ある夏の暑い日の午後、NY。テリー(レオ・フィッツパトリック)はいつものようにバージンの女の子を首尾よくモノにし、例によって親友キャスパー(ジャスティン・ピアース)にそれを自慢気に話しながら街をブラついている。仲間がたむろしているポールの家に向かうと、ビールを飲み、ドラッグをキメ、陽気にとりとめもなくセックスの話で盛り上がる。一方、ルビー(ロザリオ・ドーソン)の家では、ジェニー(クロエ・セヴィニー)たち5人の女の子が、やはりセックスの話で盛り上がっている。ジェニーは、バージンを奪ったあと、知らんぷりを決め込むテリーを許せない。経験豊富なルビーは、自分の体験談をおもしろおかしく話す。その後、ジェニーとルビーはHIV検査の結果を聞きに行く。ルビーは無防備なセックスが多いのでちょっと心配だ。テリーとのセックスしか経験のないジェニーは、彼女のお供で検査を受けただけだ。しかし、HIVポジティブの宣告を受けたのはジェニーの方だった。突然のことに、彼女はどうしたらいいか分からず、呆然と街をさまよい歩く。ジェニーは、とにかくテリーに会ってこの事実を伝えようと彼を捜し求める。途中で、タクシーの運転手が慰めてくれた。一方、そんなこととは知らず、テリーはキャスパーと一緒に公園で売人からドラッグを買い、ケンカで黒人の男を半殺しの目に遇わせる。そして、前からお目当てのバージンの女の子ダーシー(ヤキーラ・ペグエロ)を誘い、仲間たちと夜のプールに忍び込んで遊ぶ。友達の両親が留守なのを幸い、上がり込んで小さな子供たちも含めて乱交パーティ。皆が疲れて眠った頃、ようやくテリーの居場所を捜し当てたジェニーがやって来るが、彼はダーシーと事に及んでいる最中だった。それを見て何も言えなくなったジェニーは疲れて眠り込むが、起き上がったキャスパーが彼女を犯した。朝が来て、テリーのモノローグ「僕はセックスのことしか頭にない」。寝ぼけまなこのキャスパーの「マジかよ?」と言う呟きで映画は終わる。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ラリー・クラーク
- 脚本
- ハーモニー・コリン
- 製作総指揮
- ガス・バン・サント
- パトリック・パンツァレッラ
- マイケル・チャンバース
- 製作
- ケアリー・ウッズ
- 撮影
- エリック・アラン・エドワーズ
- 美術
- ケビン・トンプソン
- 音楽
- ルー・バーロウ
- 音楽監修
- ランドール・ポスター
- 編集
- クリストファー・テレフセン
- 衣装デザイン
- Kim Druce
- 字幕
- 林完治
受賞歴
第48回 カンヌ国際映画祭(1995年)
出品
コンペティション部門 | |
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出品作品 | ラリー・クラーク |