黄色いリボンのレビュー・感想・評価
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幸福の黄色いリボン‼️
妻や息子の墓がある砦で、長い軍人生活の最後の日を迎えようとするブリトルス大尉。最後の任務である偵察作戦のついでに、司令官の命令で妻と娘を駅馬車の宿駅まで送り届けることになる。おかげで任務は失敗し、アパッチの襲撃を受ける。若いコーヒル中尉に後を託し、ブリトルスは砦へ帰るが、退役までのあと数時間を惜しんで中尉たちの救出へ向かう・・・‼️ほとんど射ち合いも殴り合いもなく、退役直前の騎兵隊大尉が、女性を駅馬車の駅まで送る任務につく、というだけでストーリーらしいストーリーもない‼️ちょっと西部劇として物足りない⁉️いや、全然そんなことありません‼️この作品が描いてるのは、アメリカ開拓時代の西部そのもの‼️雄大なモニュメント・バレーの大自然、美しい赤い夕陽の中を行進していく騎兵隊、大地を埋め尽くすバッファロー、襲いくるインディアンたち、黄色いリボンを風になびかせる美しい女性‼️そこに名曲「黄色いリボン」の軽快なマーチがかぶさり、醸し出される詩情性がハンパありません‼️そしてジョン・ウェインの名演技‼️撮影当時42歳だったジョン・ウェインが魅せてくれる、いぶし銀の魅力‼️老境に入った西部男の心情がホントに胸に沁みます‼️夕焼けの中で退役間近いブリトルス大尉が亡き妻の墓にしみじみと話しかけるシーン‼️ブリトルス大尉が部下に別れを告げるシーン‼️ブリトルス大尉が軍曹が酒を飲み過ぎないように、営倉に閉じ込めてしまうシーン‼️フォード監督お得意のメロドラマ的演出が、ジョン・ウェインの演技によって結実した名場面がいっぱいです‼️タイトルの「黄色いリボン」‼️黄色いリボンは誰かを愛してるしるしらしいです‼️なんか素敵だなぁ‼️
【今作は長年騎兵隊長を務めて来た男が、最後の任務を誇りを持って勤め上げる姿に焦点を当て、敢えてネイティブ・インディアンとの活劇シーンを抑えて描いた西部劇なのである。】
ー 今作が、貴重な作品だと思うのはネイティブ・インディアンを悪役として位置づけつつ、彼らの蛮行シーンを直接的に描いていない所だと思う。
ジョン・フォード監督が、ネイティブ・インディアンに対する”白人入植者”達の1600年代からの”迫害”(他の1940年から1960年代の多くの西部劇では、それがヒロイックに描かれているし、それが西部劇の人気に繋がっていた。)の事実を考慮していたかどうかは判らないが、今作ではあくまで退役間近の老騎兵隊長の生き方にフォーカスしている所が異色でありつつも、私は良いと思うのである。
それが、活劇シーンの少なさに繋がり、”迫力が無い”という意見が出るのかもしれないが、今作では白人少尉たちの隊にいた女性オリビアを巡っての争いなどを描くことで、白人=”善”という描き方をしていない点が、面白いと思うのである。
ご存じの通り、現代のネイティブ・アメリカンは特別保留区に保護され、政府から手厚い”保護”を受けながら生活している方が多いと、文献には書いてある。
働く必要が無い”飼い殺し状態”のため、多くの方がアルコール中毒になっている。この辺りを描いた、テイリー・シェリダンによる逸品「ウインド・リバー」は機会が有れば、観賞しても良いのではないかと思う。
又、邦画で、近年アイヌ民族について描いた作品が連続して製作・公開されている事は良い事だと思う。
だが、アメリカでは1960年代後半から黒人の反白人映画が多数描かれるようになってきたが、何故かネイティブ・アメリカンについて描いた作品は少ないのである。
<今作の秀でている点は、ネイティブ・アメリカン(インディアンという呼称は、私は使わない。)VS白人という従来の西部劇の構図をベースとしつつ、あくまでも一人の長年騎兵隊長の男としての生き方に焦点を当てている部分ではないかと、私は思うのである。>
一応押さえておきましょうか
有名なのでとりあえず観てみましたが、映画としては。インディアンとの戦いを描いた王道西部劇で、出来は並みです。
どちらかというと、主題歌が有名過ぎるんでしょうね。
確かに戦闘シーンの疾走感は、駅馬車以来のフォード先生一子相伝の大迫力ではありますが。
せめぎあいの中に
1949年。ジョン・フォード監督。カスター将軍率いる部隊の全滅(「アパッチ砦」の題材)後、各地の先住民族が結束してアメリカ軍に対峙する場面が増えてきた。部隊を指揮する大尉は現役引退を5日後に控え、最後のパトロールに出ることに。同時に、現地を離れる上官の妻と姪を駅馬車まで送ることにもなり、その姪は部隊の中の若い士官二人と三角関係にあって、、、という話。
戦争なので題材はシリアスだし各所で人も死ぬのだが、全体的にコミカルで開放的。それは、何かが決定されていて動かせないということがなく、事態はどこまでもせめぎあいの中にあることが描かれるからだろう。軍隊の命令には反論が前提とされていちいち命令と反論を記録しようとするし、若い男女の三角関係は、相思相愛に気づいてないだけの男女の喧嘩腰の口論によって活気づけられているし、多くの犠牲者が想定される避けられない戦いは最後まで別の手段が模索されるし、そもそも、主人公の引退というもそれを目安にカウントダウンまでしながら最終的にひっくりかえるような性質のものだ。「終わり」「目的」を目指してまっしぐらということがなく、すべては常にせめぎあいの中に、その過程にある。
その意味では、一見、無駄に見えるシーンに大きな意味がある。主人公に秘書的に親しむ部下は酒好きで自らも3週間後に引退を控えているのだが、その部下が私服で酒を飲むシーン。物語上の意味は後から付け足しされているが、そこで重要なのは、男たちが笑いながら殴り合うアクションである。殴る=敵対するではないのだ。
白髪のジョンウェインもイケてる
『アパッチ砦』から続けて鑑賞。
アパッチ砦では自己中なリーダーだったが、本作では、部下思いで、
責任感の強い理想的なリーダー。
退役後も、騎兵隊のために、人肌脱ぐリーダー。
日本映画ならその辺は湿っぽく描かれるのだろうが、アメリカ映画、特に西部劇なので
カラッとしている。
当たり前なんだが、アメリカ人が先住民を駆逐して、領土を広げたわけだが、
それが最後に字幕となって出てくると、微かな違和感を感じる。
インディアンに言わせてたら、侵略者に過ぎないわけだから。
謝る事は弱さを表す事
ジョンウェイン扮する先住民と戦っていたネイサンブリトルズ大尉は、あと6日で退役するところであったので亡くなった妻の墓に報告した。ジョンウェインのダミ声が響き渡る。黄色いリボンは騎兵隊の恋人を表す様だ。また謝る事は弱さを表す事だそうだ。
あの「駅馬車」での切れ味はどこへ…
少しまとめてフォード作品を観た延長で、
若い頃鑑賞していたものの内容は全く
覚えてもいなかったので再鑑賞した。
フォード監督の映画は概ね、
「怒りの葡萄」「わが谷は緑なりき」を中心と
する戦前の社会派タッチの作品群、
戦後の「騎兵隊3部作」を中心とする戦後の
西部劇作品群、
そして、50年代の「捜索者」「静かなる男」の
市場意識よりもフォード監督の個人的な思索の延長にあるような作品群、
に大別されるイメージがあるが、
私は戦前の作品群が好みだ。
一方、戦後の西部活劇には抵抗感が強い。
“映画.com”に参加させていただく
ようになり、
ある投稿者の方にフォード西部劇の
素晴らしさや鑑賞のポイントを教えて頂き、
幾つかの作品を再評価出来たが、
この作品へは最後まで評価出来ないままの
鑑賞となった。
この作品は、大尉の部下思いで組織の統率者
としての理想の人物像、
中尉と少尉の恋のさや当て、
大尉と同期の従卒との丁々発止の遣り取り
等が描かれるが、各エピソードが散漫過ぎて
まとまりが悪い。
酒場での同期兵卒を中心とする乱闘シーンも
下手なコントを見せられているようで
私は全く笑えなかった。
また、
どうしてインディアンと武器商人の取引現場に簡単に近づくことが出来る設定に
するのか、
どうしてあれほど残虐に白人を殺す一部の
インディアンがいる居留地での交渉に臨む
段取りを端折って簡単そうに描くのか、
どうしてインディアン居留地の馬を簡単に
追い払う設定に出来るのか、
等々、不自然な描写が私には解らない。
ラストでは大尉が中尉・少尉の元に戻る
という期待通りの結末に導くためとは言え、
余りにも安易な展開に、
どうしてこのように都合の良い描写に
出来るのか、
彼の多過ぎる作品数と関連していないか、
脚本の練りに手抜かりは無かったのか、
そんな疑問もあり、
私は鑑賞への集中力を削がれてしまった。
確かに映像は素晴らしく、主題歌も有名で
子供の頃は日本語の歌詞があり
良く唱ったものだが、
あの「駅馬車」での切れ味はどこへ行って
しまったのかの思いだ。
一方、基本的に私を唸らしてくれた作品が
多かったのは黒澤明の方だが、
彼が敬愛するフォード監督にどうしても
太刀打ち出来なかったのは
馬や馬車の疾走シーンではなかったろうか。
元々が、駄馬しかいなく狭かった日本古来の
合戦環境だったので、さすがに黒澤でも、
馬の疾走感覚への遺伝子が欠けていたため
だったろうか。
いずれにしても、他の投稿の皆様には
申し訳のないネガティブな内容に
なってしまいましたが、お叱りを覚悟で、
異論・反論・オブジェクションとして投稿
させていただきました。
ジョン・フォード円熟の味
騎兵隊三部作の二作目。第一作の傑作「アパッチ砦」とは対照的に、穏やかな雰囲気に包まれた円熟のフォードタッチの西部劇。主演のジョン・ウェインも初老の大尉役に人間的な深みを出して上手い。酒好きで怪力自慢の軍曹、一人の女性を巡って争う少尉と中尉など、フォード映画定番の安定感。テーマ曲がまた名曲。
ジョン・ウェインの本当の高い演技力と誰もが知る主題歌を聴けるだけで観る値打ちがある
ジョン・ウェインが退役直前の老大尉役を好演
彼の演技力が本作は優れていたことを証明している
誰もが知る軽快な主題歌だけで心が踊る
暴走する駅馬車、モニュメントバレー、騎兵隊の突撃、インディアンの襲撃
それらを美しいカラーで観ることができる
同じジョン・フォード監督のあの名作「駅馬車」がカラー作品であったなら、どのような美しい色彩であったのだろうかを本作から感じることができる
単にカラーフィルムで撮ったものではない
騎兵隊の青い制服とモニュメントバレーの赤い荒野の対比などため息がでるような色彩だ
西部劇そのものではあるが戦いやアクションがテーマなのではなく、世代交代に直面しつつ、最後の最後まで責任を果たそうと奮闘し前進していく主人公、そして彼を取り巻くそれぞれの群像を描くことが全体を貫くテーマになっている
黄色いリボンは歌詞にある通りの意味
1973年の大ヒット曲幸せの黄色いリボンの元ネタ
邦画の幸せの黄色いハンカチはさらにこの曲からの翻案
つまり本作から見れば孫にあたることになる
こうしたことだけでも本作は一般常識として観ておく値打ちがある
退役間近の粋な老兵をジョン・ウェインが好演
「アパッチ砦」(1948)に続くジョン・フォードの騎兵隊3部作の2作目。「アパッチ砦」の翌年の製作だが、日本では本作の方が2年早く(1951)公開された。
退役間近い騎兵隊長をジョン・ウェインが好演。
曲がったことが嫌いな老兵らしく、部下には厳しく接する。とくに自分が去ったあと部隊を任せる若きコーヒル中尉に対しては、口を挟む余地がないほど厳しい。だが、「アパッチ砦」の指揮官サースデイ中佐とは違い、部下に対して愛情がある。
危険な任務のときは「第二部隊は妻子持ちが多い」と言ってほかの隊をあてるよう中尉にアドバイスする。また、長年の部下で問題を起こしやすいクインキャノン軍曹が無事に退役を迎えられるよう、わざと逮捕させて営倉にぶち込んだり、粋な計らいを見せる。
今作はカラー作品で、カラー部門でアカデミー撮影賞を受賞しているが、公開当時、日本人はその色彩の美しさはもちろん、壮大なアメリカの風景に驚いたことだろう。
長い移動では、馬を休ませるため時々降りて徒歩で進軍するなど、トリビア的発見も楽しい。
また、ジョン・ウェインとヴィクター・マクラグレンの距離感が「アパッチ砦」よりぐっと縮まり、ふたりの絡みが楽しくなった。次作「リオ・グランデの砦」でも共演しており、ふたりのやりとりは騎兵隊3部作の名物となる。
インディアン監督官がインディアンに武器を売りつける“闇”も描かれ、駅馬車の中継地での戦闘と合わせ数名の犠牲者が出るが、この作品、大筋では彼我共に死者が出ない。
騎兵隊の日常を追った一大叙事詩といった作風になっている。
いつも隊に同行する犬が映像にアクセントを添える。
オリヴィアを巡るコーヒル中尉とペネル少尉の三角関係も気になるが、見どころは退役直前の土壇場で作戦から外されてしまうネイサンが、隊員一同から記念に贈られた純銀時計を片手に、時間ぎりぎりまで隊に合流する終盤だ。
インディアンの集落を、数百頭の馬と共に駆け抜けるシーンは圧巻。ここでも犬が元気だ。
いよいよ退役を迎えたネイサン。ひとり新天地カリフォルニアを求めて西に向かうが・・・。ちょっといい話が彼を待っている。
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