劇場公開日 2024年11月29日

カンバセーション…盗聴…のレビュー・感想・評価

全30件中、1~20件目を表示

4.5移りゆく陰鬱な時代の空気を投影した傑作

2024年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

五感を研ぎ澄ませる作品は面白い。人は映画を目と心で楽しむものだが、本作の主人公コールときたら最初のシーンからずっと耳をそば立てている。すなわち、耳を通じて集積されていく事実とその推察についての特殊なストーリー。アントニオーニの『欲望』に触発されて脚本が書かれた点からも、何か新たな語り口のスタイルを追い求めた果てに生まれた実験作であることが分かるし、さらには作り手の意図を超え、偶然にもウォーターゲート事件と重なる内容をはらんでいるのも特筆すべきところ。取り壊しの続く自宅周辺や崩壊していく自室も含めて、陰鬱で重々しい時代の空気を投影した作品と言えそうだ。事態に翻弄されプロフェッショナリズムを崩壊させゆくジーン・ハックマンの演技も抜群に素晴らしい。もしこの映画のラストでフラストレーションが溜まったなら、本作のエッセンスを生かした『エネミー・オブ・アメリカ』で憂鬱を気持ちよく吹き飛ばしたいところ。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
牛津厚信

3.5盗み聞きしているつもりが盗み聞きされて

2025年1月23日
iPhoneアプリから投稿

コッポラがゴッドファーザー二部作の間に撮った盗聴サスペンスと期待してたんだけど、意外と内省的なお話しで肩透かしを食らった感じです。雑踏の中からターゲットの男女の会話を長距離の指向性マイクと近距離マイクの組み合わせで盗聴するテクニックは、なかなか面白いです。主人公の盗聴技術者のプロフェッショナルとしてのストイックな姿勢が丁寧に描かれているけど、再生した会話から殺人の可能性に気づいたため、過去の仕事で犠牲者が出たトラウマから葛藤が始まります。ここら辺から、お話しもパラノイアの妄想のようになり幻想や幻聴を交えた展開は、ヒッチコックとキューブリックを合わせた感じで違和感がハンパないです。盗聴する者もまた盗聴される監視社会の恐ろしさを言いたいのかも知れないけど、持って回したようなくどさが残念。役者では、ジーン・ハックマンのパラノイア演技が絶品です。後年、トニー・スコット監督の『エネミー・オブ・アメリカ』で演じた盗聴のプロ役は、この作品がベースになったのがわかりました。びっくりなのは、依頼者の秘書役のハリソン・フォードで、若いのは当然だけど、淡々としたセリフ廻しが不気味でした。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
シネマディクト

3.570点。ラスト30分の衝撃。

2025年1月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

ビデオの時代からタイトルだけ知っていたけど、まさか映画館で観る日が来ようとは(笑)

パルムドールを受賞した作品らしいけど、ラスト30分ぐらいがハラハラして最高です。

その前の部分は退屈で眠かった…

20~30分ぐらい切った方が、テンポが良くなるし、面白さが濃縮されて、いいと思う。

キャリア初期の若いハリソン・フォードが出てますが、尖った感じでカッコイイ♪

まだ観てない方は、観る事をオススメいたします。

もう1回観たい。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
RAIN DOG

3.5大好きなジーン・ハックマン

2024年12月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ジーン・ハックマンの演ずるハリーは、盗聴のプロ、数々の大きな任務をこなしてきた。ミステリー仕立ての、この映画のつかみは抜群で、俊英クリストファー・ノーランなどへの影響が感じられる。

冒頭、少しおびえながら、サンフランシスコのユニオン・スクエアを徘徊するカップルの会話を盗聴しようとするハリー、当時最新の機器を駆使している。そのあと、部屋にこもって、幾つかの音源を注意深く同調させ、彼らが話している内容を明らかにする。ハリーは、会話の内容に興味を示すのではなく、あくまで盗聴のプロとしての仕事をする。

ここで、一つの誤算があり、依頼主の秘書役(若きハリソン・フォード)の非協力により、情報を依頼主に直接渡すことができなかったのだ。しかも、個人生活に触れさせないハリーの姿勢に飽き足らない恋人は姿を消し、彼の部下もライバルの傘下に走ってしまい、焦ったのだろうか、ハリーはミスを冒す。盗聴の見本市の後、同業者たちを仕事部屋に招き入れてしまった。その結果、盗聴内容の流出を招く。

それを背景に、依頼主の周辺で思ってもみない事件が起こり、ハリーもまた、次は自分が標的かと怯えるようになる。

盗聴を内容とはしているが、要は個人情報の取り扱いだろう。当時と今では、情報の伝え方が全く異なる。直接の会話を中心に、電話が多く使われていた当時と、SNSなどを介したスマホなどの通信媒体全盛の今日。その背景にはDx/AI技術があるが、個人情報の保護は極めて大きな問題になっている。企業秘密など、言うまでもないことだ。

この映画は、1974年と言う時期に、それを指摘したことが画期的である。

ただ、多くの映画で、その人間味を感じさせる演技が観ている者の心をとらえることが多いジーン・ハックマンが、ただの神経質な男にみえてしまうところが残念。彼の背景には、キリスト教(カトリック)、愛情(恋人)、音楽(サックスの演奏)がある.。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
詠み人知らず

3.5一級のサスペンス

Kさん
2024年12月18日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

怖い

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
K

4.5盗聴業界

2024年12月9日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

コッポラ4K祭りの一作

「ゴッドファーザー」「ゴッドファーザー2」の間に製作され、その後「地獄の黙示録」と続くのを考えると、この頃のコッポラの異常ともいえる期間の作品

主演のジーン・ハックマンは言わずもがな、やはり依頼主の秘書役の若きハリソン・フォードに目が…

早世した名優ジョン・カザール、ロバート・デュバルのゴッドファーザー組も出演の今作、劇場初鑑賞でき大変満足な休日(゚∀゚) オワリ

コメントする (0件)
共感した! 1件)
うんこたれぞう

3.0プライバシーの先駆けとなる、心理サスペンスの傑作だ。

2024年12月4日
PCから投稿

盗聴のプロ、ハリーは、大企業の重役から、若い男女の盗聴を依頼される。ハリーが録音したテープを聞くと、その男女は重役の妻と不倫相手であり、「機会があれば、彼は殺すだろう」との音声が判明する。

同僚などと私生活の繋がりを一切断っている通信傍受の専門家が、プライバシー侵害である盗聴を契機に、疑念や猜疑心にとらわれるところが面白い。

コッポラ監督は、ミケランジェロ・アントニオーニの『欲望』に影響を受けたと言っている。ブライアン・デ・パルマ監督も、『ミッドナイトクロス』は『欲望』にインスパイアされたと言っており、3作品を見比べるのも面白いね。

『エネミー・オブ・アメリカ』にも、本作へのオマージュが見られる。本作は、「プライバシー」が一般的で無かった時代に、監視社会やプライバシーについて、ゆっくりと、しかし極めて力強く描き切った、心理サスペンスの傑作だ。

コメントする (0件)
共感した! 5件)
瀬戸口仁

4.0スパイの内心を描いたサイコサスペンスの秀作

2024年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ちょうど50年前の1974年に制作された、名匠フランシス・コッポラ監督作品でした。主人公のハリー・コール(ジーン・ハックマン)は、盗聴を生業とする業者。しかもFBIとかCIAに所属しているのではなく、商売でやってるんだから驚き。まあ探偵の一種と言えば一種なんでしょうが、盗聴専門という”専門職”が、彼だけでなく、そうした業界まで形成されているように描かれており、普通に法律違反のような気がするのですが、本当にこんな職業あるんですかね?

それはいいとして、冒頭、人混みを散歩するアベックを遠距離から盗聴するシーンが描かれたので、いわゆるスパイ物なのかと思いきや、そうではありませんでした。実際は過去に行った盗聴相手が、その後殺されたことがトラウマになっているハリーが、また同様の仕事を受けてしまい、煩悶するというお話でした。最終的にはどんでん返しが待っていて面白かったのですが、必ずしもそこに主題がある訳ではないように思われました。各種盗聴方法の紹介をした上で、部下や同業者らとの交流を描くことでハリーの人となり、キャラクター設定を綿密に描いた上で、彼が内心で自らの盗聴に対して贖罪の気持ちを抱いていることが示され、半ばノイローゼ気味になってしまう様は、中々興味深かったです。

そして何よりも感じたのは、半世紀前の映画でありながら、その描写やストーリー展開に全く古さを感じなかったこと。勿論携帯電話もインターネットもない時代なので、盗聴器具などは時代物という感もありましたが、スパイの内心の描き方という点では、流石は名匠コッポラと思わざるを得ませんでした。

そんな訳で、本作の評価は★4.2とします。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
鶏

4.0盗聴社会の恐怖。そのプロなのに脇が甘すぎる孤独な主人公…

2024年12月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
ITOYA

2.5ちょっと合わなかった

2024年11月29日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

やっぱり、ハックマンは豪快な役が似合う。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ムーラン

3.5解説しよう

2024年9月17日
PCから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
タンバラライ

3.0ジーンハックマンが主演ですが、現実に米国のニクソン大統領がウォータ...

2024年8月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

難しい

ジーンハックマンが主演ですが、現実に米国のニクソン大統領がウォーターゲート事件でその大統領職を辞任していますが、そのウォーターゲート事件というのが、大統領選で争う、共和党に対して民主党ですが、その民主党本部に盗聴器を仕掛けて、その民主党本部のスタッフの行動を探ろうとしたひとが捕まり、その捕まったひとが米国の政治の最高職の大統領のリチャードニクソンまでつながっていたのではないかということで、その辞職ですが、プライバシー侵害がたいした罪でもなく罰もないですが、大統領職辞任が刑事罰に問われてのそれの刑事罰ではないですが、ジーンハックマンが雇われた探偵で、その依頼者の目的の人物宅を盗聴しますが、殺人事件の現場のような言い争いの音声がヘッドホンから聴こえますが、映画の締めがそのジーンハックマンが盗聴器が仕掛けられているんじゃないかと自宅の床や壁を剥がしてでしたが

コメントする (0件)
共感した! 0件)
39stepbacK

4.0反転の妙

2024年8月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
ouosou

3.0盗聴という行為の本当の怖さ

2024年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

もともと盗聴を専門に請け負う私立探偵(?)だったハリー。
それなりに、過去には「キナ臭い」仕事もこなしてきたことが、その言動からも窺われました。

そんな彼は、仕事上の、いわば鉄則(一種の職業倫理?)として、盗聴の「中身」には関心を持たないように心がけて来たものの、ひょんなことから依頼主に不審感を抱いたことから、つい、習慣を破って盗聴の内容に関心を持ってしまったところ…。
それが、彼の「転落」の始まりだったのだろうと思います。評論子は。

「盗聴しているぞ」―。
正体不明の相手から、電話口でそう告げられただけのことで、本当に盗聴されているかどうかすら定かではない。
しかし、ここまでハリーをここまで追い詰めるには充分過ぎるくらいだったのでしょう。

もちろん、そんなヤバい仕事であればこそ、報酬もそれなりに高額ではあったのでしょうけれども。
その仕事のヤバさが、反対に自分の身に降りかかって来ることが、もしあったとすれば、それは抜き差しならない状況であることは、凡庸な評論子にしてみても、決して想像に難いことではありません。

自分が生業として、当たり前に行ってきた、その同じ行為によって、ここまで追い詰められるー。
その恐怖心が、画面から犇々(ひしひし)と伝わってくるかのようでした。
それは、「盗聴する側」が「盗聴される側」に回されたことの恐怖であり、盗聴という行為の「本当の怖さ」を示唆していたように思えてなりません。評論子には。

もともと、「盗聴」という手法は、調査の方法としては、フェアとは言いがたいものだと思います。

それらも踏まえると、いわゆるサスペンスものの一本として、佳作であったと思います。

(追記)
評論子が参加している映画サークルで、一本の作品を「お題」として話し合う集まりで、メンバーから話題提供があり、鑑賞することにしてた一本でした。
本作は私立探偵の調査活動としての盗聴に取材した一本であるところ、話題として提供して下さった会員が、しかも長年にわたって警察官を務めていた方だったので、余計に興味をそそられていたものでした。

(追々記)
警察と言えば…。
以前に、警察が勾留中の被疑者から供述を引き出すために、警察側の息のかかった別の事件の被疑者(おとり被疑者)をターゲットの被疑者とわざと同房にして、対象被疑者と親しくさせ、おとり被疑者を通じて対象被疑者のホンネを探るというやり方があると聞いたことがあります。
(おとり被疑者は、協力すれば、罪が軽くなるように計らってやるという「エサ」をあらかじめ食わされていることは、言うまでもない。)
これも、ある種の「盗聴」といえるのではないかとも思います。

(追々々記)
本作は、別作品『訴訟』を鑑賞して以来この方、すっかりファンになっていたジーン・ハックマンが主演の一本でもありました。
本編を観始めて始めて気づきましたが、久しぶりに観た彼の出演作品にもなります。

いわゆる、マチ弁(企業の顧問を中心に、その取引にまつわる経済事件などを専門に扱うのではなく、庶民の生活にかかわる法律問題を広く取り扱う弁護士)で、理屈よりも「ハートで訴訟をする」タイプの弁護士ということで、同じく弁護士ということを仕事にしながらも、一流事務所に勤めてエリートを目指している娘には、ずいぶんと疎まれる役回りてしたけれども。

そんな役柄ながら…否、そんな役柄が気に入って、それ以来に注目し、出演作品『スケアクロウ』『クリムゾン・タイド』『遠すぎた橋』『ミシシッピ・バーニング』などを観てきた俳優さんでもありました。

彼の出演作品ということでも、楽しめた一本になりました。本作は。評論子には。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
talkie

2.0ジワリジワリと丹念に

2023年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
parsifal3745

3.0よくわからないのが好き、な人向き

2023年4月7日
PCから投稿

サスペンスを期待すると大外れします。一種のサイコスリラーです。
良く言えば、色々に解釈できる。悪く言えば、何だかよくわからない。という映画です。
PTAとかCノーランなんかが好きな人とか評論家には評判よさそうなのはわかりますけど。
コッポラ選手の大前提があるから、みんな褒めるけど、知らなかったらどうなんでしょうね?
好き嫌いは別にして、人に薦める作品ではありません。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
越後屋

3.5プロの盗聴屋

2022年10月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

プロの盗聴屋(ジーン・ハックマン)が依頼を受け、あるカップルを盗聴する。
内容に興味を持たないことを信条としていたが、ある言葉に引っかかってしまう。
加害者から被害者へ。

コメントする (0件)
共感した! 2件)
いやよセブン

4.0深入りはよせ

2022年10月27日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 7件)
こころ

5.0じわじわと忍び寄る不安、罪の意識、恐怖

2022年9月11日
iPhoneアプリから投稿

人間の弱さを知る

かなり狭い業界でのマウント、利益、技術、過去の業績の取り合い
そんな世間とは一歩離れたところで、技術屋としての自負職業人としての心得を拠り所に自分の信条に基づき仕事をしていたが、、、
ふと、あたまに浮かんだ、起こりうる悲劇

そこからの妄想順々迷い恐怖。

一介の技術屋、盗聴師の身の回りに起こることがコンパクトに、濃密に、スパイ映画さながらに全部詰まっていて、見応えあり。
最後まで見応え、楽しませてくれる展開。
そして、どうしてもハリソンフォードの押しの強い面に目が行ってしまった。

コメントする (0件)
共感した! 4件)
redir

5.0コッポラ監督が練り上げた一級のサスペンス

2022年5月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 4件)
Garu