劇場公開日 1986年9月13日

「エンターテインメントの巨匠が挑んだ至極の人間ドラマ」カラーパープル(1985) Jettさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0エンターテインメントの巨匠が挑んだ至極の人間ドラマ

2024年2月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

ミュージカル版の新作鑑賞に向けて復習
高校生の時に劇場で観た初公開時以来、2度目の鑑賞

予想外に古さを感じず入り込めました
特に前半はエグい内容や描写がありますが、全般としてはこのテーマにしては見易い方だと思います

スティーブン・スピルバーグ監督ならではの優しい視点やユーモア描写もあるし、悲惨や残酷な方に振りきっていない作品づくりなので、多くの人に観てもらって、遡ること17世紀頃か始まり今でも実は根強く残る黒人差別や虐待の歴史を知ってもらいたいと思います

作品自体、アクションアドベンチャーやSFファンタジーもので名を馳せた監督が撮ったと思えない完成度の高い重厚な歴史劇の風格を備えた傑作であり、堂々ハリウッド映画史に残るべき不朽の名作だと思います

「ジョーズ」や「E・T」をはじめ数々の作品をハリウッド映画史に残すスティーブン・スピルバーグ監督が当時‘’本当に撮りたいのは人間ドラマ‘’として挑戦した作品で、第58回(1986)アカデミー賞の主要11部門にノミネートされるも、こんなに素晴らしい作品なのに1部門も受賞しなかったという曰く付きの作品

ヒットメーカーが次は賞レースを取りに来たか 、絶対にとらせてなるものか、と明らかに嫉妬や妬みがはたらいた結果と囁かれたのをよく覚えてますし、その時オスカーは決して本当に良い作品が選ばれるわけではないことを学びました

本テーマについては、40年近い前の作品なのに現代でも充分通じ、むしろ今の時代の方が多くの人々に受け入れられる土壌ができているであろうという状況なので、今こそ是非多くの人々に観てもらいたい作品だと思います

Jett