ガタカのレビュー・感想・評価
全125件中、21~40件目を表示
単なるフィクションと笑い飛ばすには難しい現実が到来している
遺伝子が人間の優劣をつける近未来を舞台に、生まれながら劣性遺伝子をもった男が選ばれし宇宙飛行士となるべく、優性遺伝子をもちながら事故で半身不随となった男を買う。
人間は未来を知りたい。どうにか知りたい。でも、どうあがいても完全に知ることはできない。だからせめて、人間の生活を遺伝子の傾向実証実験と捉え、可能性を測ることにした、という社会が描かれている。
イーサン・ホーク、ジュード・ロウがいい。特に大きな挫折を味わった優性遺伝子のジュード・ロウの、存在意義の哀しさと、求められているという喜びがないまぜになっている表現が光る。
本作が公開された97年から16年が経ち、単なるフィクションと笑い飛ばすには難しい現実が到来している。ある科学者が「科学の進展とは、ひとつ上の階層から、分からないことが分かった、というのに過ぎない」とコメントしていたのを思い出す。
挑戦する前から諦めなければならない未来なんてない。もがいたって、苦しんだって、嘘をついたって、へつらったって、未来へ挑む権利は万人にある。人生は統計ではなく、血の通った人間の息遣いなのだから。
深く切ない物語の秀作
夢を持つ者と無くした者
冷めた空間に広がる社会
モダンでスタイリッシュ
遺伝子操作が可能な近未来
物語はある劣等者が宇宙を夢見る。
SFではあるがそうは見えない現実性
それぞれが思う未来への決着劇と
心踊る次の瞬間に起こる衝撃的なラスト
この映画には希望と切なさがあり
いつまでも忘れられない映画になる。
※
う~ん。 テーマはいいんだけど、ばれないはずがないと思ってしまって...
う~ん。
テーマはいいんだけど、ばれないはずがないと思ってしまって、入りこめない。
宇宙飛行士の訓練施設なら、注射器で採決したり、心電図を取ったり、脳波を測定したりするだろうし、だませるはずがないと思ってしまった。
Gattaca
Not all dream will come true even you are trying so hard, believing yourselves completely. But there's always the way.
不可能を超える
遺伝子で全てが管理される世界。
夢を抱いても適性がなければ叶わない。
妙にリアリティのある近未来の世界を描いた本作。
全体的にSF作品であるのにも関わらず、シックで哀愁漂った作風にとても落ち着いた。
本作はその独特な雰囲気に負けない俳優陣によってより憂いや胸に秘めた情熱が表現されていた。
特にイーサンホークとジュードロウの関係性は繊細で美しかった。
完璧な遺伝子を持っているが挫折し、下半身付随になったジェローム、彼の遺伝子を用いて自身の夢に挑み続けるビンセントの一見破綻しそうな関係が2人にしかわかり得ない信頼で成り立っていることに感動した。
終盤でのジェロームの行動はビンセントだけでなく2人の夢を叶えることができた喜び、自分に対しての劣等感や挫折を受け入れ、許せたことから生まれた行動で彼の生き様は痺れた。
自分の可能性を信じ続け、ひたすらに正の努力をすることが自分を納得させられる唯一の手段であるということをダイレクトに訴えかける作品だった。
隠れた名作!
IMDbで評価がそこそこ良いので鑑賞してみたところ、最初の5分でこれはもしや良い映画かも?と思いその予感は大当たりした。
どこを取っても無駄がない脚本、若き日のイーサンホークの素晴らしい演技、難しい世界観をあたかもあまり前のように映す映像美、どれもが噛み合っていた。
ネタバレなしに内容を書きづらい映画だが、まずはあらすじだけ見て何も考えず鑑賞してほしい。
そしてこの興奮が共感できたら、いいね待ってます(^^)b
個人的ベスト3
SFだけど、超近未来っていうより、現代の未来って感じの設定が好きです。
SFドラマでSF目当てで見ると「あれ?」て思われるかも。
内容でいったらドラマ映画と互角ぐらいのドラマ性が良く出来ていて、
時間が過ぎるのがあっという間でした。
遺伝子操作が当たり前の未来、主人公ヴィンセントは
遺伝子操作されずに生まれたが故に寿命は短く、
親にも失望される始末。のちに弟が遺伝子操作で誕生し、
将来を期待されるのを横で見ているヴィンセント。
何やっても弟にヴィンセントは勝てずにいたとき、
ある度胸試しをして弟に勝ち、これを期に家族と決別し、
一人生きていくことになる。
小さいころからの夢だった宇宙飛行士になるべく「ガタカ」に行くが、
遺伝子検査で門前払い。せめてもの思いでガタカの清掃員になるが、
宇宙飛行士の夢は諦められずにいたとき、
あるツテを使いガタカに社員として働くことになるが・・・。
実際の未来もこんなことになるのかちょっと怖さを感じました。
俺なんてダメ人間じゃんみたいな。
この映画で初めてジュード・ロウを知りましたが、めっちゃカッコいい。
すごいオーラを感じました。あれだけカッコ良ければ遺伝子操作されて
生まれてきたのも頷ける容姿ですね。
主人公のイーサン・ホークが喰われているように見えてしまう。
肌の垢をとり、爪切ったりして他人になり済ますのは大変そうで、
それを毎日繰り返すのはとても根気いることだと思い、
それだけ自分の夢を実現するために努力することを
惜しまないヴィンセントに、何か「夢を諦めなければ叶う」って
言っているように感じました。
ラストシーンはとても悲しい。でも強い熱い思いが伝わってきて、
その生き様見せてもらいましたって感じで好きです。
最後の手紙の中身がまつ毛だったら、完全に泣いていました。
優しい映画
手塚マンガにありそうな、大人向けの優しいSFミステリーという感じです。
はじめに一人死ぬので、そこから激しい展開になるかと思いきや、最後までまったり進むので不完全燃焼のポイントになってしまうかも。
みんなに偽装がバレないかハラハラはあるものの、途中から「あれ?もう半バレやん」というところもあり視聴者側の「バレないようにしなきゃ」という気持ちが置いてけぼりな感もあります。
個人的には宇宙へ飛び立つ前に、もう少し激しい展開があってもよかったんじゃないかなと思います。
それぞれのキャラの思惑がありながらも、荒ぶったことをやらずに全体的にどのキャラも優しい。
優しいが故に引き込ませる展開は少ない。
作品の意図としては、現代の差別の延長、近未来に起きるであろうDNA差別への警鐘でしょうか。
そういった者(主人公)へも最終的に受容する結末は意味あるものと言えるかもしれません。
しかし、それなら車椅子の彼も最後自殺の展開にしなくても良かったんじゃ…。
またさすがに90年代の作品なので、なんで車椅子の昇降機がないんじゃいとか、DNA判定する時のモニターがVHSぽいなとか色々ありますが、そこらへんの細かいディティールにイチャモンつけるのは野暮でしょう。
警察から逃れて暗がりでキスするシーンはグッと来るものがありました。あそこのシーンを撮りたかったんじゃないか、というくらい見所です。
全体を通して欲を言えばもっと振り幅を観たい作品でした。
いろいろ
考えさせられる映画
生まれた時から自分の将来がわかっていたらここまで強く生きれたか…
それでも諦めない夢を持ち続けることはいかに大事か改めて理解させられた
その努力は報われて欲しい
希望をもらえる作品でした
DNA
SFの名作と言われている…けど、個人的にはどこが良いのかイマイチ理解できず。
近未来の設定の割に大道具小道具ともにセンスを感じないし、脚本的にも面白みを見出せなかったなぁ…
ただ、ジュード・ロウとユマ・サーマンの華麗さには唸った。
自分の可能性を信じ抜け。
必死に叶えたい夢があるのなら、どんな逆境にでも、運命にでも、遺伝子にさえも抗える。主人公の泥臭くあがく姿に感動し、涙腺が緩んだ。
また、そうした熱量は人に伝染する。ジェロームもそう、検査を行なう博士もそうだ。人々に生きる勇気と夢を与える。
自分の可能性を信じて、全力で生き抜く。後ろを振り返らず、荒波を超えても必死で泳ぎ続ける。生まれながらのハンデを、後天的な努力で覆す。そんな主人公の姿は、どんなイケメンや金持ちよりも、かっこいい。自分もああなりたい。
最後のシーンは震える。遺伝子に抗い、可能性を信じ続けていたのは、主人公だけではなかった。検査士が最後に「早くいかないと遅れるぞ、ヴィンセント」と名前で呼びかけたシーンは、本当に感動する(字幕で出ていないのは、惜しい)。これまで偽り続けてきた自分ではなく、ありのままの「ヴィンセント」として最後宇宙に飛び立つ。この映画、名作すぎる。
※Netflixで見ましたが、所々字幕が残念でした
【”叶わぬ夢を叶えるために・・。””不適正者”の諦めぬ心と、それを理解し支える”適正者”達の善性を描いた品格高きSFヒューマン映画。若き、イーサン・ホークとジュード・ロウの美しさも魅力です。】
ー 舞台は、そう遠くない未來。
出生直後に、寿命、将来に患う疾患が判明し、”適正者””不適正者”に分別される社会。
宇宙飛行士になる夢を持つ、ヴィンセント(イーサン・ホーク)は、そんな社会に生を受けた。
寿命30数歳の”不適正者”として・・。ー
◆内容は、これだけの名作であるので割愛。
◆特に好きな場面のみ、記す。<内容に触れています。>
・ヴィンセントが、全裸で全身の産毛を毎日、剃るシーン。
ー ”不適正者”である事を隠すためと、宇宙飛行士になる夢を叶えるために・・。ー
・ヴィンセントの身代わりになった水泳界のスーパースターだったが、”事故”により、両足が動かなくなってしまった”適正者”ジェローム・モロー(ジュード・ロウ)が、最初は金のために身代わりを引き受けるが、ヴィンセントの姿を見ているうちに、積極的に彼に協力するようになって行く姿。
ー ラスト近く、ヴィンセントの土星への宇宙飛行が決まった後、彼は旅に出る。そして、ヴィンセントに言った言葉。
”身体を貸す代わりに、夢を貰った・・。”ー
・ガタカで働く”適正者”アイリーン(ユマ・サーマン)との恋に落ちるヴィンセント。だが、アイリーンは彼が”不適正者”だと、気づき・・。
ー “ソーリー・・、風にさらわれた・・”と”毛髪を指から落とし”相手に言う、前半と後半のシーンの構成の妙。ー
・ヴィンセントの上司の殺人事件の捜査に来た捜査官アントン(ヴィンセントの弟で、ヴィンセントは年齢的に死んでいると思っていた・・)の兄との邂逅シーンで描かれる、沖へ向かっての遠泳のシーン。若き二人が行っていた”度胸比べ”シーンとの、相関性。
・ヴィンセントが、漸く土星に出発直前の抜き打ち尿検査で、医師が彼に語った言葉。
”私の息子は、遺伝子に問題がある・・。”
そして、ヴィンセントの検査結果を操作し、”適正者”判断を下し、
”遅れるぞ・・”
ー 毎回、このシーンで涙が出る・・。ー
<若き、イーサン・ホークとジュード・ロウの男の美しさ。ユマ・サーマンも・・。
そして、今作は夢を諦めない”不適正者”の男を支え、彼の夢を叶えさせる”適正者”達の”不適正者”を見下さない、品格高き姿が、素晴らしい作品である。>
<2000年以降、ビデオなどで複数回、鑑賞>
<2021年7月11日 別媒体にて、久しぶりに鑑賞>
真の生まれ故郷
真の生まれ故郷とはどこかを教えてくれる映画。
遺伝子操作やその遺伝子による人権の支配を、近未来を舞台に語っているのだが、その恐ろしさを私達に伝えつつ、ゴールをすぐに決めてしまいがちな、人としての刹那に対して、希望を忘れてはいけないと、物語は私達に叱咤する。
社会的不適合など、実は自分で決めている。決めつけているだけだ。
生命を産んでくれた宇宙において、遺伝子が創り出した人間という価値など、風に吹かれて飛ばされるほどの物でしかない。
初老の私に、生きる限り希望を絶やしてはならないと勇気をくれた映画だ。
全125件中、21~40件目を表示