ガタカのレビュー・感想・評価
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人間の価値とは何かを問う映画
人を客観的公平に評価する判断材料の1つに遺伝子というものもあると思う。 近未来の舞台ではそれが人の優劣の指標となり、努力も報われない主人公が他人の遺伝子情報により、その人となり夢を叶えるというストーリー。
良かったところ、近未来の無機質な街並みや人間関係も希薄に見える舞台の中で、恋人や医者(おそらく局長も)は遺伝子の優劣よりも主人公の人間性や優秀な遺伝子に負けない本人の努力を認めはじめるという本来の人間の評価がまだそこにあるっていうところ。
しかし、近未来の街並みや車、服装などは狙ったとしても斬新さや未来的なものでなく、個人的に残念に感じました。
何を思い、どう生きるか。
過去に2、3回は観たことある気がしたが内容をほとんど覚えておらず、再度鑑賞。観始めると「やっぱり観たよな。」と思いながらも最後まで楽しめた。
生まれた直後の検査で寿命や暴力性、今後罹りうる病気など人生が予測され職業の適正が全て解る近未来。これだけでベタベタなSF映画。
だが、タイムリミットギリギリの攻防、今まで出来なかったことをする勇気、弟との再会、そして再戦。胸焼けしない程度の王道展開の応酬は、ご都合主義な場面も目につくが"王道"の波にのまれてみるのも悪くない。熱く、儚い人生を描いた傑作。
才能のある男が、生まれつき恵まれなかった男の背中に夢を見る。SFというジャンルはあくまで舞台であり、物語自体は人と人との関わり、そして夢があふれたドラマだった。
最後の検査もありきたりといえばそれまでだが、グッとくるものになっているのは演出と展開の妙か。
ラストシーンも同様に、夢を文字通り後押しするため。「もうふたりはいらないだろ?」ということか。
2時間足らずでキッチリまとめている構成も見事。
ちなみに終盤、ダンス中に警察に乗り込まれ逃走するシーンで、制止する男を主人公がどうしようもなくなり殴りつけたところは唐突すぎて笑ってしまった。その後の怒涛の展開でそれも忘れてしまったが。
考えさせられる映画だった。 適合者と不適合者に分類され、不適合者に...
良かった
25年前の制作とは思えないほど設定がリアルで古びていないSF映画。...
25年前の制作とは思えないほど設定がリアルで古びていないSF映画。最後までバッドエンドなのかハッピーエンドなのかわからずハラハラする。受精時に能力を判別できるまで遺伝子工学が進化し、優秀な遺伝子を持つ人間が支配する近未来が舞台。自然出生の兄は劣り、選択出生の弟は優れる。家出して下半身不随の適正者になりすまし宇宙飛行士を志願する兄。尿検査、血液検査、DNA検査の連続攻撃をかいくぐれるのか。。。アクションシーンがほとんど無いのに一気見してしまうのは、クラシック調の映像美とユマ・サーマンの魅力(←個人的好み)とポイントを抑えた伏線回収。もったい付けた演出もあるけど、全体的に完成度が高く、ヒューマン要素もたっぷりで、観て損はしないと言える隠れた名作。
単なるフィクションと笑い飛ばすには難しい現実が到来している
遺伝子が人間の優劣をつける近未来を舞台に、生まれながら劣性遺伝子をもった男が選ばれし宇宙飛行士となるべく、優性遺伝子をもちながら事故で半身不随となった男を買う。
人間は未来を知りたい。どうにか知りたい。でも、どうあがいても完全に知ることはできない。だからせめて、人間の生活を遺伝子の傾向実証実験と捉え、可能性を測ることにした、という社会が描かれている。
イーサン・ホーク、ジュード・ロウがいい。特に大きな挫折を味わった優性遺伝子のジュード・ロウの、存在意義の哀しさと、求められているという喜びがないまぜになっている表現が光る。
本作が公開された97年から16年が経ち、単なるフィクションと笑い飛ばすには難しい現実が到来している。ある科学者が「科学の進展とは、ひとつ上の階層から、分からないことが分かった、というのに過ぎない」とコメントしていたのを思い出す。
挑戦する前から諦めなければならない未来なんてない。もがいたって、苦しんだって、嘘をついたって、へつらったって、未来へ挑む権利は万人にある。人生は統計ではなく、血の通った人間の息遣いなのだから。
深く切ない物語の秀作
う~ん。 テーマはいいんだけど、ばれないはずがないと思ってしまって...
Gattaca
不可能を超える
遺伝子で全てが管理される世界。
夢を抱いても適性がなければ叶わない。
妙にリアリティのある近未来の世界を描いた本作。
全体的にSF作品であるのにも関わらず、シックで哀愁漂った作風にとても落ち着いた。
本作はその独特な雰囲気に負けない俳優陣によってより憂いや胸に秘めた情熱が表現されていた。
特にイーサンホークとジュードロウの関係性は繊細で美しかった。
完璧な遺伝子を持っているが挫折し、下半身付随になったジェローム、彼の遺伝子を用いて自身の夢に挑み続けるビンセントの一見破綻しそうな関係が2人にしかわかり得ない信頼で成り立っていることに感動した。
終盤でのジェロームの行動はビンセントだけでなく2人の夢を叶えることができた喜び、自分に対しての劣等感や挫折を受け入れ、許せたことから生まれた行動で彼の生き様は痺れた。
自分の可能性を信じ続け、ひたすらに正の努力をすることが自分を納得させられる唯一の手段であるということをダイレクトに訴えかける作品だった。
隠れた名作!
個人的ベスト3
SFだけど、超近未来っていうより、現代の未来って感じの設定が好きです。
SFドラマでSF目当てで見ると「あれ?」て思われるかも。
内容でいったらドラマ映画と互角ぐらいのドラマ性が良く出来ていて、
時間が過ぎるのがあっという間でした。
遺伝子操作が当たり前の未来、主人公ヴィンセントは
遺伝子操作されずに生まれたが故に寿命は短く、
親にも失望される始末。のちに弟が遺伝子操作で誕生し、
将来を期待されるのを横で見ているヴィンセント。
何やっても弟にヴィンセントは勝てずにいたとき、
ある度胸試しをして弟に勝ち、これを期に家族と決別し、
一人生きていくことになる。
小さいころからの夢だった宇宙飛行士になるべく「ガタカ」に行くが、
遺伝子検査で門前払い。せめてもの思いでガタカの清掃員になるが、
宇宙飛行士の夢は諦められずにいたとき、
あるツテを使いガタカに社員として働くことになるが・・・。
実際の未来もこんなことになるのかちょっと怖さを感じました。
俺なんてダメ人間じゃんみたいな。
この映画で初めてジュード・ロウを知りましたが、めっちゃカッコいい。
すごいオーラを感じました。あれだけカッコ良ければ遺伝子操作されて
生まれてきたのも頷ける容姿ですね。
主人公のイーサン・ホークが喰われているように見えてしまう。
肌の垢をとり、爪切ったりして他人になり済ますのは大変そうで、
それを毎日繰り返すのはとても根気いることだと思い、
それだけ自分の夢を実現するために努力することを
惜しまないヴィンセントに、何か「夢を諦めなければ叶う」って
言っているように感じました。
ラストシーンはとても悲しい。でも強い熱い思いが伝わってきて、
その生き様見せてもらいましたって感じで好きです。
最後の手紙の中身がまつ毛だったら、完全に泣いていました。
優しい映画
手塚マンガにありそうな、大人向けの優しいSFミステリーという感じです。
はじめに一人死ぬので、そこから激しい展開になるかと思いきや、最後までまったり進むので不完全燃焼のポイントになってしまうかも。
みんなに偽装がバレないかハラハラはあるものの、途中から「あれ?もう半バレやん」というところもあり視聴者側の「バレないようにしなきゃ」という気持ちが置いてけぼりな感もあります。
個人的には宇宙へ飛び立つ前に、もう少し激しい展開があってもよかったんじゃないかなと思います。
それぞれのキャラの思惑がありながらも、荒ぶったことをやらずに全体的にどのキャラも優しい。
優しいが故に引き込ませる展開は少ない。
作品の意図としては、現代の差別の延長、近未来に起きるであろうDNA差別への警鐘でしょうか。
そういった者(主人公)へも最終的に受容する結末は意味あるものと言えるかもしれません。
しかし、それなら車椅子の彼も最後自殺の展開にしなくても良かったんじゃ…。
またさすがに90年代の作品なので、なんで車椅子の昇降機がないんじゃいとか、DNA判定する時のモニターがVHSぽいなとか色々ありますが、そこらへんの細かいディティールにイチャモンつけるのは野暮でしょう。
警察から逃れて暗がりでキスするシーンはグッと来るものがありました。あそこのシーンを撮りたかったんじゃないか、というくらい見所です。
全体を通して欲を言えばもっと振り幅を観たい作品でした。
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