風と共に去りぬのレビュー・感想・評価
全107件中、21~40件目を表示
4時間近く飽きさせないのはなんといっても原作の力
南北戦争を背景としたドラマなのでなんとなく古い時代のものかと思ってしまうがマーガレット・ミッチェルの原作は映画の3年前の刊行である(1936年)。映画化権を取得したデビッド・O・セルズニックがMGMから資金を調達しクラーク・ゲーブルも借り出して製作した。アメリカでの公開は1939年で翌年にアカデミー作品賞を受賞。日本での公開は戦後の1952年となった。
この映画には様々な都市伝説があるが、戦時中にシンガポールあたりでフィルムを実見した人が、こんな作品を作る国と戦争しても勝てない、と思ったという話がある。繰り返し引用されるが出典がハッキリせず作り話っぽい。
久しぶりに映画館で観たが、確かに4時間近く飽きずに観ることができるのはさすがではあるものの、ヒロインに次々に問題、悲劇が襲いかかる設定が飽きない原動力であって、それはひとえに原作の力というべきであろう。細部にいたるまで原作通りであり、元々がアトランタの主婦であったミッチェルが南部の歴史に取材した上で、一般読者受けする話に徹底して改編しているため面白くないはずはない。
タラの邸宅、農園、アトランタの街並みのすべてが当時のハリウッド映画らしくオールセットである。キャメラはかなりハイキーなタッチで撮影されており、今回、4kで修復されたこともあって、全般に陰影が薄く、少し空々しい印象を受けてしまう。
この作品のテーマは「タラの土地」である。ヒロインは大都市アトランタに出ていっては挫折してタラに回帰する。彼女は南部の女、もっと端的に言えば南部の地主である。だから原点は生まれ故郷のタラの土なのである。この作品でも彼女が手で土をすくうところ、大根?を齧るところも出てくるが、そこはハリウッド的表現の限界であってアーシーな感じがしない。
当時のスターシステムに基づく映画づくりでは、この映画はなんといっても、クラーク・ゲーブルの作品ということになると思う。
ヴィヴィアン・リーは熱演ではあるが基本的にはあまり上手くもないし南部娘としての伸びやかな感じは出せていないような気がする。基本的には彼女はイギリス女優なのである。ひょっとしたら世紀のミスキャストということかもしれない。
25-068
我が心のジョージア
「いつの日も明日は明日の風が吹く」
午前十時の映画祭15にて鑑賞。
我が生涯第3位(途中までは1位だった)の本作が、今後もこの地位を明け渡すことはないだろう。
13歳で初めて全編鑑賞した時の達成感は今でも忘れない。以来、何度も観てきたし台詞も粗方覚えている。にも関わらず何故今更スクリーンで観るのか?答えはただひとつ、そこに「風と共に去りぬ」があるからである。
午前十時の映画祭15がラインナップを投票で決めると発表した際、僕は真っ先に本作に票を入れた。むしろ焦ってさえいた。何度も観た作品だが劇場で観たことがない。加えて昨今の多様性の風潮からすれば、本作は真っ先に批判の矢面に立たされる作品であり未来永劫劇場で上映されなくなるかもしれない。そんな焦りがあったからラストチャンスのつもりで票を入れた。
幸いなことにラインナップに滑り込み、そしてようやく念願叶った。開始早々のジョージアの夕陽をバックにタイトルが横すべりし、「タラのテーマ」が鳴り響くシークエンスだけでもう涙目。4時間近い上映時間があっという間だった。
奴隷制度、そして南北戦争という日本人には馴染みの薄い題材ながら、本作が日本人に与えた影響は計り知れない。日本人を最も絶望させ、そして希望を与えた作品と言っていい。アメリカ公開の2年後に始まった太平洋戦争当初、向かう所敵なしだった日本軍は各地で本作のフィルムを押収した。フィルムを観た人々が口を揃えて言ったこと、それは「こんな映画を作る国と戦争をしても勝てるわけがない」だった。やがて日本は敗戦を迎え、1952年になってようやく日本でも一般公開となり、以来多くの観客が劇場に足を運んだ。戦争で荒れ果てたタラで、スカーレット・オハラ(演:ヴィヴィアン・リー)が朝日に向かって「二度と飢えには負けない」というシーンは、当時の日本人の支えとなった。はっきり言って、スカーレットはゲスの極み乙女だ。自分の目的のためなら手段を選ばないし、仮に自分の目の前にいたら本来であれば大嫌いになるのが自然である。しかし不思議と彼女のことは嫌いになれない。彼女がすることは不思議と許せてしまう。彼女は狡い、しかしそれ以上に行動できるところに僕は強さと憧れすら抱いてしまうのである。レット・バトラー(演:クラーク・ゲーブル)との関係も、擁護をさせてもらうならば彼女たちふたりきりであればうまくいったのではないかと思う。或いは結婚ではなく業務提携だったならば。しかし時には優しさすら彼女たちの邪魔になったがために結局すれ違いのまま終わってしまったのは残念でならない(個人的にはボニーですらふたりの関係をおかしくしてしまったと思っている)。
書きたいことはいくらでもあるし、原稿用紙をいくら渡されても足りないというのが本音なのだが、兎にも角にもスカーレット・オハラという存在は自分にとっては永遠に憧れであるし、いつでも心の片隅に留めておきたい存在なのでえる。
本作の製作は混乱を極めた。元々がベストセラー小説の映画化という経緯もあり、監督は二度も交代、スカーレット役は全米でオーディションを行っても決まらず、キャスト未定のまま撮影開始、さらには台詞の表現やキャストの起用を巡って製作費の裏で罰金や課徴金も多く課された。それでも本作が今日まで不滅の存在たり得ているのは、スカーレット以上に強情なプロデューサー、デヴィッド・O・セルズニックによるところが大きい。製作当時は相当嫌われたらしいが、これだけの作品を遺してくれたことにただただ感謝したい。
明日もまた別の作品を劇場で観る予定だが、果たしてこの余韻を引きずらずに行けるだろうか...考えるだけで頭が痛くなる。まあいい、明日のことは明日考えよう。
メンタルが強い女
言わずと知れた大傑作。他の方がおっしゃっているとおりスカーレットは性格に難がある女ですがわたしは彼女のような人が好きです。(恋愛対象になるという意味ではなく人として好感が持てるという意味です)
彼女が味わった苦難は
恋人が死ぬ
故郷が焼かれる
父親が死ぬ
親友が死ぬ
娘が死ぬ
男に捨てられる
などなど不幸の大バーゲンセールです。もちろんスカーレットも妹の婚約者を寝取ったり泥棒を殺害したりと綺麗事だけではあの時代を生きてはいけなかったことを身をもって証明してくれています。わたしが彼女の立場だったら娘が死んだあたりで自殺します。しかし彼女は故郷タラへの思いで何度でも立ち上がります。
ヴェルサイユの薔薇のジャンヌという登場人物がどんなに汚い手を使ってでも成り上がってやるみたいな性根の腐った女でしたが、作中では「なんとたくましい……」みたいな評価をされている通り、世の中を渡っていく生命力みたいなものと図々しさ、あるいは性格の悪さみたいなものは紙一重なのでしょう。いずれにせよ一生に一度は観るべき映画なのでおすすめです。
追記
午前10時の映画祭で再鑑賞しました。
改めて観ると割とコメディ調だなと思いました。そしてスカーレットは何度観ても性格が終わってる。あれだけアシュレーが好きで不倫騒動まで起こしておきながらレットに捨てられたら「アシュレーなんか本気で好きではなかった」と抜かす始末。しかしそのあと故郷タラへの思いで立ち上がり「Tomorrow is another day」と有名なセリフを言うところは感動です。「レットをどうやって連れ戻すかはタラに行ってから考えるわ」とか悠長なことを言ってるあたりから彼女の芯の強さが伺えます。わたしもスカーレットのように強い人間になりたいです。
スカーレットが性格悪すぎ
愚かな南北戦争
まっ先に流れるタラのテーマが重厚感をかもし出す。
ヴィヴィアンリー扮する男性にモテモテで気の強いスカーレットオハラは心を寄せるレスリーハワード扮するアシュレーウィルクスが他の女性と結婚すると聞いて気持ちが乱れた。スカーレットは舞踏会をやるような南部の上流階級のお嬢様で、アシュレー家の舞踏会でクラークゲーブル扮するキャプテンレットバトラーと出会った。
久しぶりに観たが、やっぱりクラークゲーブルの口髭が気になり年配に見えるし、そもそもヴィヴィアンリーも17歳の設定と言うのはきついよね。スカーレットの根性は素晴らしかったものの残念ながらふたりともあまり好みではないので身が入らなかったけど、アメリカ人同士で南北戦争とは愚かな事だ。
ため息
クソ女の痛快大作ホームドラマ
結論を先に言えば滅茶苦茶面白い世紀の大傑作です。
「オハラちゃんのバカっぷりが耐えられない」という、ふた昔前までには決して聞けなかった本音に近い感想が散見されるのは最近のSNS普及のお陰であって、全くご同慶です。
「どんな逆境にも決して屈しない自立した女」みたような評価が跋扈していますが、見当違いも甚だしい。こんなとんでもないクソ女は滅多にいません。同情ゼロ。ザマー見ろです。
やたら「私は負けない」みたいなカラ元気を喚き散らしてますが、どうせまた毒をまき散らすだけで、第三者として無責任に観ている観客としては面白過ぎます。
但し、そのクソぶりが堂に入っていて、バトラー先輩のニヤけた軟派ぶりとのクソ男女相乗効果に、それに反した二人の圧倒的な美女美男ぶり、湯水のごとく金を使ったバブリーな製作方針、山あり谷ありの高速ストーリー展開、南北戦争を背景にした大河な時代背景、などなど世紀の傑作に恥じない見どころてんこ盛りです。
クソ女だから嫌い、ではなく、クソ女なのに、或いはクソ女だからこそこんなに面白い、と逆説的に考えながら「金をやたら使った、できのいい朝ドラ風大作コメディ」として鑑賞すれば面白さ一万倍です。
追伸 日本で撮るなら板妻か三船、原節子かデコちゃんで決まり。
A Civilization gone with the wind...
感想
かつては騎士道精神と綿畑の広がるその大地を人々は古き良き南部と呼んだ。その美しい世界で最後に花を咲かせた勇気ある男達。艶やかなる女達。そして奴隷を従えていた支配者達も今では夢の果てに消え、人の思い出の記憶にのみ残り、全ての文化(時代)は風と共に去りぬー。
マックス・スタイナーの感動的で壮大なメインテーマが流れ、風に揺らめくGONE WITH THE WINDのタイトルが流れていく。そして最初に記した書き出しが始まる。この物語には対象的な性格の、どちらも南北戦争前までは普通によく見られた騎士道精神溢れる南部男と淑女ながら内なる強い意志を持ち合わせる南部女が登場する。
スカーレット・オハラ:
アイルランド移民である農場主を父にフランス貴族の血を引く母を持つ令嬢であるが実際は世間知らずのじゃじゃ馬娘である。アシュレーへの一方的な愛情が自身の人生を変えていく事になり戦中戦後の困難と数々の試練と悲劇は彼女を逞しくあざとく成長させる。見た目とは裏腹に淑女とは程遠い南部女性特有の気の強さを前面に押し出し、最終的にレット・バトラーの真の愛情を実感し受け入れるも時既に遅く別離を余儀無くされてしまう。最後に残された自身の生まれ育った土地を守ることで名誉を保つ生涯を貫いた。
ヴィヴィアン・リー:半ば自の振舞いかと見紛うが如く自然な演技が魅力的で素晴らしく、今でもスクリーンの中でその美貌は永遠の輝きを放ち続け観る者を虜にする。本作でアカデミー主演女優賞受賞。
メラニー・ハミルトン:
病弱であるが誰からも好かれる性格であり誠実、堅実さそのものを態に表し、内面から溢れでる清楚な佇まいと気品を保って生涯夫であるアシュレーを愛し続け、スカーレットでさえ最後には信頼を寄せた程の器量の広い人間として完成されている女性。
オリヴィア・デ・ハヴィランド:インテリジェンスを感じさせると同時に可憐な華の在る演技が素晴らしい。
アシュレー・ウィルクス:
持ち前の優しさを用いてジェントリーで公正な判断とリーダーシップを発揮するも、時に優柔不断な人間らしい弱さを滲み出す。優等生肌の人物。従兄妹のメラニーと結婚する。
レスリー・ハワード:本人のイメージそのままの配役でナイーブな性格を体現した演技は高く評価された。
レット・バトラー:
まさにキャバリエそのもの。時代の体制や人間に翻弄される事なく人、物の本質を見抜く視点と感性を持ち合わせ、並外れた行動力で人生を渡り歩くタフガイ。隠された本心としてはスカーレットを愛している。
クラーク・ゲーブル:南部男の典型的イメージの代表とも言える俳優。ヒーローともヒールともとれる是是非な駆け引きを得意とする人間的魅力に溢れた演技は記憶に残る。
彼等と彼等に関わる人々の人生を巻き込みながら展開していく南北戦争。不安と混迷を極める連合国とジョージア。プランテーションの崩壊と奴隷制度の廃止、アトランタ市街地大火災、そして戦後の復興を経て様々な人間模様を織りなす一大スペクタクル巨編となっている。
監督ヴィクター・フレミング。本作でアカデミー作品賞・監督賞受賞。
原作者のマーガレット・ミッチェルは1900年、ジョージア州アトランタの南北戦争後の影響を直に受けている家庭に生まれ育ち、母親や父方の親族は皆かつてプランテーションに関わっており、戦後全てを失った者であったという。子供の頃から親族から話を聞き継ながら様々なストーリーを創作し、南部地域に生きた人々の視点から南北戦争というアメリカ建国以来最大の危機となった内戦を通して波乱に満ちた数々の困難と破壊、それでも挫ける事なく逞しく再生していく一人の女性を中心に人々の生き様を描いた小説を1936年に完成させた。小説は刊行後瞬く間にベストセラーとなり、1937年にはピューリッツアー賞(小説部門)を受賞している。
1939年(昭和14年)12月、製作デイビッド・O・セルズニック、MGM制作・配給。映画は大ヒット。公開半年で全米で2,500万人の観客を動員した。その年のアカデミー賞では主要4部門(黒人初のアカデミー受賞者:マミー役ハティ・マクダニエル 助演女優賞)を含めた全10部門を受賞。1952年9月日本初公開。戦後の混迷期を必死に生きる主人公の姿が日本でも共感を呼び大ヒットとなる。
1967年には70㎜、6チャンネル立体音響にレストアされ数次に渡り世界中でリバイバル公開された。
1972年12月日比谷スカラ座 再々リバイバル公開時に劇場初観賞。若い頃よりも中年期以降に鑑賞すると心に染み込み感想が変化した作品であった。
⭐️5.0
2025.1.12追記
未来を切り拓くのは、強く信じる心
言わずと知れた名作中の名作。雑誌の映画特集では必ずというほど取り上げられ、色んな著名人が好きな映画としてあげていたように思います。ですが私、実はこれまで一度も観ないできてしまいました!
、、、というのは、映画のレビューから感じる主人公のスカーレットオハラの激しさに何となく腰が引けていたのです。自分は同性でも異性でも、お互いに少しずつ積み重ねていくのが安心できるし、心地よいタイプなもので、何となく観る気が起きませんでした(一時期、雑誌のフランス映画特集などで良く取り上げられていたベティブルーも、なんとなく好みからは外れていたかなあ)。、、、まあ、激しいのが好きな女性もいれば、そうでない女性もいるということで笑。
今回は、この大作をテレビで放映したので、初めて腰を据えて鑑賞しました。
感想は、、、やはりスカーレットは激情の女性でした笑。特に、自分に気持ちが向いていない男性(アシュレー)を、あそこまで激しく恋焦がれるというのは、なかなかの激しさです(自分には理解できない、、)
「お嫁さんにするなら、明るくて気立てが良い人」などという、日本の家族ドラマ的な女性像からは対極的な女性です笑(最近、そういうホームドラマを見ていたせいか、特に対照的に感じてしまう自分)。
日本は結婚でも家と家の結びつきを大切にしますが、西欧は日本と比べて個人が強いのかな、、、レットとスカーレットという、強い個性を持った個人と個人の感情のぶつかり合いがストーリーの中心でした。
ただし、恋愛物として見ると好みは分かれるかもしれませんが、この作品は南北戦争の時代を描いた、ただの恋愛物の枠にはまり切らないスケールの大作で、他の方々が言ってとおり、素晴らしい名作だと思います。
まずロケの規模がすごいですし、南北戦争時代に生きる人々の栄枯盛衰、時代の波にもまれ、混乱の中で生きる人々の姿などがダイナミックに表現されていました。気が強く、激しい感情を内に秘めたスカーレットは、その激しさ(と、ウルトラポジティブさ)があるからこそ、あの時代をたくましく生き抜く女性となり得たのだと感じました。
また、作品中には、光と影のコントラストが美しいショットがいくつもありました。寄り添ってランプに向かうスカーレットとメラニーから影が壁に伸びるショットも美しいですし、黒い木々の向こうに、夕影迫るジョージア州の大地が広がる景色などは、他の方もコメントされていましたが、美しい影絵を見ているようで素晴らしかったです(もしかしたら撮影セットなのかもしれませんが、フレームに収められた影絵として見て、美しい画です)。
映画レビューではしばしば、「その後、レットバトラーはスカーレットの元に戻ったのか」が話題になるところですが、これは議論が分かれるところでしょうね。
個人的には、スカーレットの「絶対にレットと巡り会える!」と信じる強さや「絶対に幸せになる!」と未来を切り拓いて行くポジティブさは学ぶべきと思いました。心や意思が未来を作る。だから一番大事!笑 ここが、この作品を観て一番自分に強く響いたところでした。
スカーレットとレットがよくいうソウルメイトのような関係なら、また巡り会えるかも、、、(^^)(でも、ソウルメイトのような強い結びつきなら、あんなにアシュレーを激しく追い求める前に、自分にとってレットがかけがえのない存在だと分かっていても良さそうな気もしますが、、、相手がどのくらい自分にとって大切な存在かは、やはり魂で感じるもののだし、、やはり自分にはスカーレットの気持ちはあまりよく分からないかな〜)
最後に字幕翻訳について。
オハラ家に一生懸命に仕えるメイド達の言葉遣い(字幕翻訳)が、「〜ですだ。」で、この語調に対しては非常に厳しいコメントもあるようですが、個人的には、愛おしく感じました(^^)
対極にいる2人の女性
スカーレットとメラニー。
この2人の相反する性格と生き方が見たくて
再視聴。コインの表と裏のような2人。
表主人公がスカーレットで
裏主人公がメラニー。
個人的に、ベルに優しいメラニー好き。
そしてベルには幸せになってほしい。
南北戦争を学ぼうと考えるならこの映画はおすすめ。
(しかし人種差別シーンが沢山あるので
気分を害するかもしれません。)
後半の勢いで思わず笑ってしまった
冒頭に注意書きがあった通り、色々な面で時代を感じる内容でした。
冒頭は主人公に対して何だこの子、という印象しかありませんでしたが、物語が進むにつれて主人公の強かさがどんどん魅力的に感じるように。
召使である黒人の人々にも、常に家族のように接しているところが良かったです。
結婚後、色々な事件を経て2人の心が揺れ動きまくる後半は、あまりの上手くいかなさと各事件の勢いの良さに思わず笑ってしまいそうに。怒涛すぎる…
まるでお父様のようだわ……お父様のよう…!?のシーンは、自分の中で一番印象的なシーンです🐎
この上映時間の長さがあるからこそ、各登場人物に感情移入でき、まるでリアルかのように切なくなったり怒りを感じたりする事が出来るのではと改めて感じました。
戦争がスカーレットを逞しくする
風と共に去りぬ
誰もが耳にしたこのある題名けれども、今までに見たことがなく、私は初めてこの作品を観ました。
80年以上前の作品と思うと、なんかすごいものがあります。
4時間弱もあり、何とも美しいスカーレット・オハラの激動の半生を描いている。
スカーレットは裕福な家庭に生まれ、その美貌さゆえに、周りの男たちがほっとかず、わがまま放題に過ごしたが、南北戦争が始まると、そんな生活はままならなくなり、アシュレーの妻、メラニーや召使いたちを守るために奮闘する。
そして、生活の為の結婚を繰り返し、本当の愛を知らぬまま、いつしか強くたくましい女性になっていく。
アシュレーに思いを寄せていたが、レットとの結婚生活を送るうちに、レットを愛している事に気づくが、それはもう2人がすれ違って関係が修復不可能になってからだった。やっと幸せを掴むかと思われたのに。
メラニー役のオリビア・デ・ハビランドさんはほんの少し前までご存命でいらしたのですね。104歳で亡くなられたそうですが、それもすごいことですよね。
とにかく80年以上前の作品が、このように残っていることが素晴らしいです。そして劇中に出てくる女性達のドレスがゴージャスで美しかったです。
メラニーの崇高な人間性を観る
『ローマの休日』と同じ頃ぐらいから
何回かTVで観て少女漫画付録の漫画本でも見ました。
中高生ぐらいと今大人で観るのと観た後が少し違いました。
昔だったら、やはりスカーレットの自己中心的な
考えはわかっていてもその美しさ、オシャレさ、
しっかり度、行動力の方に目が行き、
素敵だなぁ、と。
今は、メラニーの優しさ、心の清らかさ、
崇高なる精神がとても素晴らしく映って来ます。
アシュレイに関しては、変わらず同じ。
優しい紳士ですが、優柔不断。
スカーレットが誤解しているなら
100%誤解されないようにしないと。
結局、メラニーがいないと生きることができない情け無い男。
スカーレットが好意を示し確かめると、
同じ気持ち⁉️と言って結婚を迫られケンカ。
ま、スカーレットの一方的なケンカ。
帰還してからもスカーレットを抱きしめキスをしつつ、メラニーを捨てられないと言う。
わけわからない男、
メラニーが亡くなれば生きていけないと泣く。
なぜスカーレットが執着していたのか昔も今も
わかりません。
レット•バトラー、昔も今もあまり好きではないです。
ただ、大人として見るとお金持ちなので、
いいじゃないか、とポイント上昇。
出産後のメラニーを抱え途方に暮れるスカーレットの頼みを聞きタラにまで馬車を調達して
連れ帰るところは頼もしく感じました。
ですが、ヤキモチ焼きすぎ。
本作、ビビアン•リーさんやメラニー役の
オリビア•メアリー•デ•ハビランドさんなど
女性は素敵な方が出てますが、男性は‥。
アメリカ南部綿畑を育てるタラ農園。
可愛いスカーレット、
昼寝、黒人の女の子がうちわで煽いでくれる。
黒人が召使として当たり前な南部と、
反対する?
北部との戦争が始まってしまいました。
南部が悪者で北部がええもん、
と思いがちですが、
そうでもなさそうな。
実際、北部兵士が泥棒しに来ましたから。
南部では黒人を奴隷にするのが当たり前な時代。時代や習慣というもので当時の南部に住む人にとっては当たり前であったでしょう。
スカーレットとアシュレイが
黒人奴隷について話し合っている
場面があります。
ようやく南部の人間も気づき考え始めたかと。
長い年月経っても現代において
差別が残っているのが問題だと感じます。
戦争は悲劇の元、
負傷兵が皆アシュレイと思えるメラニー、
手厚く看護しています。
野戦病院でスカーレットも働いています。
家で働いていた奴隷たちと会い、
彼らも北軍と戦いに。
なので南北戦争も歴史も勉強しないと、
と思いました。
スカーレットは、当て付けみたいな結婚を
2度もし、お金持ちのレットと再再婚。
前夫から受け継いだ事業もおもしろいくらいに
儲かり元気に過ごしていますが、
だんだんと生来のわがままがキツくなり、
レットにも愛想尽かされかけています。
愛娘ができてレットは目に入れても痛くない
可愛がりようでしたが。
二人目の子を孕ったスカーレットが階段から
落ちる事故で二人の仲はますます、険悪に。
さらに愛娘のボニーが‥‥。
徹底的な亀裂が入ってしまった二人。
レットは、自責の念もあり、
家を出て行くことに。
心配するメラニーの身体が危険な状態で。
メラニーは、妊娠中助けてくれたスカーレット
に恩があるのでしょう。
スカーレットとアシュレイを最後まで
疑わなかったメラニー。
メラニーの今際の際のアシュレイを見て
やっと目が覚めるスカーレットです、遅すぎ。
デカいカメオのブローチしてるスカーレット、
こんな時もオシャレに余念が無いです。
遅いわ⁉️と思います。
今頃レットを追いかけても。
レットもレットでヤキモチ焼きの皮肉屋。
多分、スカーレットが縋って来るのを見て、
自身の気持ちとは正反対の言動をしてしまう
男なのでしょう。
最後の最後は、やはり強い味方タラ❣️
80年前と思えない壮大なスケールで魅せてくれた作品。
歳と共に感動ポイントが変わる映画!
レビュー後半に5回目鑑賞(2025/06)の感想を追記してます。
===================
午前10時の映画祭で多分四度目くらいの鑑賞です。
私がこの映画を初めてちゃんと観たのは二十歳過ぎで
テレビの編集版でその時はスカーレットを「最悪の女」と思ったけど
三十代半ばでちゃんとノーカット版を観た時は
「生きて行くにはスカーレットみたいに強くなければ!」と思い、
今回の「午前10時の映画祭ファイナル」で50代で観た印象は
「人生、諦めてはいけない!!」
と言う様な境地にたどり着きました。
映画だけでなく、小説やアニメでも、
若造の時は汲み取れなかった様々なことが
自分の年齢や経験によって共感できる様になる。
名作と言われるものにはやはりそう言った
普遍的なパワーがありますね。
ただ時代の風によって、この映画さえも
批判の対象になりつつあります。
だから、若者も往年の映画ファンも
チャンスがあれば映画館で観ておいて欲しい。
5年後、10年後、この映画が映画館で観られる保証は
もう、無いのだから〜〜
〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2025/6/01 映画館にてたぶん5回目の鑑賞。
時代背景が南北戦争の頃、全体に壮大なシーンが多いので
若い人は大河ものと思ってちょっと構えてしまうかもしれないけれど
主要出演者の4人に絞って観ると、実は割とありがちな男女の物語だったりする。
映画の前半に何度かあるスカーレットとレッド・バトラーが言い争うシーンは
ほぼコメディー状態、夫婦漫才ですわ(笑)
コミックによくある第一印象最悪でいつもケンカしてる2人が
気が付けば相性抜群、仲良くケンカできる関係〜〜(笑)
対するメラニーとアシュレーはといえば
メラニーは初見では「良い人の塊」に見えますが、
実は一番肝の座ったゴットマザー体質。
南北戦争が無ければ大農場主のアシュレーを上手く操って
スカーレットの亡くなったお母さんのように
農場をしっかり取り仕切る賢夫人として生きていたはず。
アシュレーは坊々(ぼんぼん)に有りがちなそれこそ「お人好し」
戦争で財産を失った後、家族を養うために「銀行にでも勤めるよ」
なんて言ってますが、大人しくて品は良いが決して出世できるタイプでは無く、
ある意味、スカーレットに拾ってもらえ無かったらどうなっていたか分からない。
メラニーはアシュレーを熟知しているからスカーレットが迫って来ても、
アシュレーにはスカーレットに靡くだけの根性が無い事や
スカーレットもレッドとの贅沢な生活を捨ててまでアシュレーを選ぶ程
のめり込めないことも分かっていそう。
スカーレットの一番大事なものは「タラ」なのだから〜
そして、レッド・バトラーよ!
私の知り合いにめっちゃ気の強い女性と結婚して40代前半でたまりかねて離婚。
数年後に再婚した女性が、まんま別れた前妻さんとおんなじタイプ!
いるんだよ!こういう人(笑)
だから思うに、レッドとスカーレットは〜〜ああ、ねバレか〜(笑)
兎に角、何度見ても豪華なセット、贅沢な衣装、美しいカメラワーク。
迫力のアトランタ炎上シーン!
そしてスカーレットのドレスのカラーに注目!!
この映画で午前10時の映画祭価格(一般1500円 大学生1000円)は
コスパ最強です。
ぜひ映画館で!!
序盤は愛だの恋だのと安っぽい展開。 スカーレットのあまりの性格の悪...
全世界歴代興行収入ナンバーワン作品‼️
全世界興行収入ナンバーワン作品は「アバター」ではありません‼️「アベンジャーズ」でもありません‼️「スター・ウォーズ」でもありません‼️「E.T.」でもありません‼️「タイタニック」でもありません‼️この「風と共に去りぬ」なんです‼️何か「エンドゲーム」が「アバター」を抜いたとか、リバイバル上映して「アバター」が抜き返したとか、そういうことが昨今話題になっていますが、インフレを考えた場合、いずれの作品も「風と共に去りぬ」の足元にも及ばないのです‼️映画もCD販売と同じように、観客動員数でランキングをつけたらいいのにと思います‼️そしたらこの「風と共に去りぬ」を抜ける作品は永遠に現れないでしょう‼️
作品に関しては今更私がいろいろ言う事はありません‼️
◎南北戦争を壮大なスケールで描き切ったメロドラマとしての魅力‼️
◎リプリーもサラ・コナーも勝てない強くたくましく生きる女スカーレット・オハラ‼️演じるヴィヴィアン・リーの凄まじい美しさ
◎レッド・バトラーの伊達男ぶり‼️「或る夜の出来事」のピーター・ヴォーンとどっちが当たり役かな❓
◎聖女のようなメラニー‼️つい最近までご存命だったオリヴィア・デ・ハヴィランド
◎ちょっと優柔不断なアシュレー‼️
◎名曲すぎる「タラのテーマ」‼️
◎上海でこの作品を鑑賞した小津安二郎が、日本の敗北を確信したというその逸話‼️
◎「明日は明日の風が吹く」「俺の知ったことか」などの数々の名台詞‼️
◎女性の立場からアメリカンドリームを謳い上げるという点は、当時としては画期的だったことでしょう‼️
◎アメリカの奴隷制度をきちんと描いている‼️最近これが原因で配信停止とか問題になっているらしいですが、アメリカの歴史なんだからしょうがない‼️映画に罪はない‼️
◎後年、続編小説「スカーレット」が出版されたのですが、オリジナルキャストによる映像化を観たかった‼️
以上、思いつくままに書きましたが、まだまだいろんな魅力があると思います‼️とにかくアメリカ映画の金字塔として、その魅力は永久に不滅‼️
美しい天然色の映像にどっぷり浸かり、至福の時間を過ごすことのできる映画。
全107件中、21~40件目を表示















