「トラウマと有名なあの作品がリバイバルと聞いて」風が吹くとき リドリーさんの映画レビュー(感想・評価)
トラウマと有名なあの作品がリバイバルと聞いて
記事などでトラウマとして挙げられる事が多い風が吹くときがリバイバル上映されると聞いて行ってきました(円盤化や配信もされていない様子?なので)
内容は実写の映像や模型などとアニメーションを組み合わせた作品で、田舎で2人で暮らす老夫婦が被災し弱っていく様子を見る感じです。
戦争が始まるとラジオから流れてきているにもかかわらず緊張感のない奥さんと、曖昧な知識しか得る事ができず説明に説得力を持たせることが出来ない旦那さん…曖昧な知識で核爆弾への備えをするものの、遂に爆弾は投下され…
投下による崩壊のシーンは直接的なグロ表現が繰り広げられるといったことはないのですが、映されている光景とはちぐはぐな字幕「ケーキが焦げた!」がなんとも奇妙で怖いです。
作ったシェルターのおかげで命を取り留めたものの、それを幸とは言えない、ただただ救助を待つしかない地獄の日々が始まります。ずっと前向きな言葉をかけ続けて奥さんを励ます旦那さん…その日その日を生きながらえて、徐々に徐々に衰えていく様子が続きます
バカにしていた紙袋を被る対策をとり、シェルターで神に祈りを捧げ…
奥さんが「もういいのよ」みたいな言葉で、物語と視聴者のメンタル摩り下ろしタイムは終わります
決してすごい善人でも悪人でもないごく普通の夫婦が、非もないのに苦しみ命を奪われる…(死んだという表現はありませんが…) 特別好ましいと思える2人ではありませんでしたが、それでも救いのない結末は悲しく辛いです。少なくとも不幸になるべきとは思えません…
好きな作品として挙げる事はないと思いますが、見る事ができて良かったですし、いい作品だと思います。ただ日常生活シーンが続き、劇的に盛り上がったりはしないので教育アニメ的なものを見る、という心づもりでないと退屈に感じるかもしれません。(旦那さんはなかなかコミカルな人ですが) 作品を見る事が出来る貴重なチャンスなのでそのあたり問題ない方にはおすすめしたいです。
劇場にはパンフや絵本(原作本?)の販売もありました。会場前にパンフは買いましたが絵本も気になってきましたね…