カスパー・ハウザーの謎

劇場公開日:

解説

19世紀実際に起きた、捨て子のカスパー・ハウザー事件を素材にして事件の分析を試みた作品。'75年度カンヌ国際映画祭審査員特別賞/国際映画批評家連盟賞受賞、ニューヨーク・フィルムフェスティバル最優秀映画賞受賞作品。監督・脚本は42年生まれでこれが6作目のヴェルナー・ヘルツォーク、撮影はヨルク・シュミット・ライトヴァインが各々担当。パッヘルベル、オルランド・ディ・ラッソ、アルビノーニ、モーツァルトの音楽が挿入されている。出演はブルーノS、ワルター・ラーデンガスト、ブリジット・ミラ、ハンス・ムゼウスなど。

1975年製作/110分/西ドイツ
原題または英題:Jeder fur sich und Gott gegen Alle
配給:欧日協会
劇場公開日:1977年1月21日

ストーリー

ドイツの田舎に1人の男カスパー(ブルーノ・S)が現われた。彼は今まで穴蔵に閉じ込められ、鎖につながれる生活をしてきたので、すわるか横たわることしかできず、喋れない。人々は彼に興味を示し、次第に人々の好奇心は彼の人間性を傷つけていった。やがて、色々なことを教えこまれた彼は、サーカスの見せ物にされ、ついには殺されてしまう。カスパーは一体何者だったのだろうか。彼が殺された今では、誰もわからない。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第28回 カンヌ国際映画祭(1975年)

受賞

審査員特別グランプリ ベルナー・ヘルツォーク
国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞 ベルナー・ヘルツォーク

出品

出品作品 ベルナー・ヘルツォーク
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映画レビュー

4.0人間や知性、はたまた文明について考えさせられる怪作

2020年10月25日
PCから投稿

鬼才ヘルツォークの映画を観るときにはみぞおちのあたりが痙攣する。その世界はときに常軌を逸し、観る者を驚かせ、ともすれば嫌悪させることも多いが、本作も「人間性」というおぼろげな輪郭を持った存在について、彼にしか成しえない素っ頓狂さで迫ってみせる。序盤から、ほぼ言葉を用いずに主人公の暮らしを描く場面には、演技の域を超えた異常さを感じるばかり。そこから彼が初めて街へと足を踏み入れ、文明と対峙を果たす場面からは、物語のテーマがより内面へと向かっていく。とはいえ、説教じみたことは何もなく、ヘルツォークなりの荒治療で次々と描写やエピソードを重ねて、観る者に淡々と突きつけるのだ。面白いものでこの真っさらな視点で、ぎこちなく語られるカスパーの言葉には妙に心を打ち、芯を喰ったところがある。彼は何者だったのか。それについて考えることは、人間性とは、知性とは、文明とは何か、を問うのと同意味を持つのかもしれない。

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牛津厚信

0.5真実のすりかえ

2019年9月10日
PCから投稿

牢獄で生まれ育った王侯貴族の子の秘密に関する物語。 秘密には一切ふれず、主人公の死後、解剖して脳に障害があると触れて、真実のすりかえをした、無意味な映画。

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アサシンⅡ

2.5穴蔵から外へ

2018年12月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

単純

何度か涙を流す場面があったけれど笑ったり怒ったりは無く感情の起伏は乏しいままで世の中に出られたことは彼にとって意味はあったのか。 下品かもしれないが気になったのは女性との接し方や性教育を教えていたのか? そんな描写が一切無かったことが実話だとしてもリアルさに欠けているような。 観ていて段々とカスパーに愛着を感じてしまうが全体的に淡白でダレる。

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万年 東一

2.5不思議な映画

2018年6月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

難しい

言葉も話せなければ、歩行もままならないカスパーの流れ着くままの人生。見世物小屋に出たり、貴族のパーティに出たり。純真無垢なカスパーと対照的に、周りの大人たち全ての行動がそらぞらしく感じた。

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mimiccu

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