「トリュフォーらしくないが」華氏451(1966) ジョニーデブさんの映画レビュー(感想・評価)
トリュフォーらしくないが
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本来、火を消す役目だった消防士が、本を焼く役目に変わっていたのが皮肉で面白い。
トリュフォー監督にしては珍しくセリフが英語だ。しかもこの時代にしては珍しく、アフレコが余りずれていないので、見ていて気持ちがいい。この時代、巨匠と呼ばれている監督でもアフレコまでは力を入れていないのか、結構雑な作りが多い。私の場合、最初は字幕を見るが、2回目以降は内容がわかっているので、字幕を見ず、画面のみに集中して見ている。それで、当然、俳優のしゃべる口が目に入るので、アフレコがずれていると結構気になり、最初に良かったと思った作品でも評価を低くしてしまうことがある。
この映画は50年前の作品で、近未来を描いているせいか、あまりトリュフォーらしさが感じられない(悪い意味ではないが)。ただ、最後の「本の人々」のコミュニティーで、何人もの男女が、雪が降る中、色々な言語(日本語もあった)で朗読しながら散歩するシーンは大変美しく、トリュフォーらしくて一番気に入っているシーンだ。
なお、小学校にいた小学生のひとりと、消防車を橋の上から母親と見ている小学生がまだまだ幼いマーク・レスターだった。
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