革命児サパタ

劇場公開日:

解説

1911年のメキシコ革命に活躍したエミリアノ・サパタの半生記で、ダリル・F・ザナック製作になる1951年作品。「怒りの葡萄」のジョン・スタインベックが脚本を書き下ろし、「欲望という名の電車」のエリア・カザンが監督した。撮影は「暗黒の恐怖」のジョー・マクドナルド、音楽は「欲望という名の電車」のアレックス・ノースの担当である。主演は「欲望という名の電車」のマーロン・ブランド、「失はれた地平線」のマーゴ、「征服への道」のジーン・ピータースで、以下「血と砂(1941)」のアンソニー・クイン、「探偵物語」のジョセフ・ワイズマン、「セールスマンの死」のミルドレッド・ダンノックらが助演する。

1951年製作/アメリカ
原題または英題:Viva Zapata!
配給:フォックス極東
劇場公開日:1952年12月24日

ストーリー

1911年、ダイアス大統領の圧政に苦しんでいたメキシコ農民の中に、エミリアノ・サパタ(マーロン・ブランド)という青年がいた。彼は土地問題でお尋ね者となったため、兄ユーフェミオ(アンソニー・クイン)、友人パブロとその女ソルダデラ(マーゴ)を連れて山に隠れたところ、ある日フェルナンドという男からテキサスに住む革命家マデロのことを聞かされた。サパタは自分から革命に乗り出す気こそなかったが、マデロには惹かれるものを感じてパブロをテキサスに送ることにした。サパタはかねて町の豪商の娘ホセファ(ジーン・ピータース)と相愛の仲であったが職のないお尋ね者では女の親が許すはずもなく、彼は歓心を買うため金持ちの牧場に雇われることになった。この働きが賞でられて、やがて彼は警察の追求も解けた。ホセファとも対等の立場に立つようになった頃、パブロの手引きで彼はマデロと会見した。フェルナンドの計画によるとサパタとマデロが南北呼応して立てば革命は成就するはずだったが、サパタは固く断った。しかし、偶然の事故から彼は再びお尋ね者となり、官憲に捕らわれた。兄やパブロらが民衆の助けで彼を救ったことが革命の口火となり、ついにサパタは同志の協力を得て南部一帯を征圧した。北からはマデロが首都に攻め入った。メキシコが民衆の手に帰した時、サパタはホセファと結婚した。平和主義者のマデロの意向によりサパタは武装を解除したが、その隙を見てフェタ将軍が裏切りを行ない、マデロは暗殺された。サパタはフェタ将軍を倒したものの、この事件はパブロとマデロが自分をおとしいれる罠であったと邪推し、パブロを殺害した。彼は大統領に推されたが、兄ユーフェミオは権力に敗れ非業の死をとげた。かねてサパタを亡きものにしようとしていたフェルナンドは、彼の留守中サパタ討伐軍を起こし、卑怯にもある屋敷の中庭に彼をおびき出し、伏兵の一斉射撃はついにこの一世の革命児の命を奪った。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第25回 アカデミー賞(1953年)

受賞

助演男優賞 アンソニー・クイン

ノミネート

男優賞 マーロン・ブランド
脚本賞 ジョン・スタインベック
作曲賞(ドラマ/コメディ) アレックス・ノース
美術賞(白黒)  
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映画レビュー

3.5メキシコの革命家サパタを演じるマーロン・ブランドの内省的な表現力とジョセフ・ワイズマンの曲者振り

2022年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

制作ダリル・F・ザナック、脚本ジョン・スタインベック、監督エリア・カザン、出演マーロン・ブランド、アンソニー・クィンで出来が悪いはずがない。メキシコに革命を起こし大統領に上り詰めるも、理想と現実に乖離に失望する農民出身のエミリアーノ・サパタを演ずるマーロン・ブランドの内省的な演技が地味ながらも、その実力を見せ付ける。カザンの演出も骨太なタッチと大胆なカットを駆使して、メキシコの土着性を映像に焼き付けている。対立するクィンの演技も素晴らしい。その中で、個人的に注目したのは、助演のジョセフ・ワイズマンの曲者振りだった。知性がありながら、他人に依存して利用しないと生きれない謀反人の卑劣さが良く出ていた。偶然にもウイリアム・ワイラーの傑作「探偵物語」に感動した記憶が残る状態で見学したのもあり、このワイズマンの強烈な存在感に感服してしまった。カザン作品としては余り評価されていない映画だが、個人的には好きな部類に入る。   1977年 7月22日  地上波テレビ

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Gustav

4.5アンソニー・クインの快進撃は本作から始まったのです

2021年3月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

メキシコ革命 日本でいえば大正時代の物語 いかな革命といえども権力を手にすれば、その瞬間に腐敗がはじまり、権力闘争の火蓋が新たに開かれる メキシコ革命も、ロシア革命も同じです 人間のやることなのですから エリア・カザンらしいストーリー展開です 革命の英雄サパタはかって批判した権力者と全く同様になっていることに気がつき身を引きますが、今度は権力闘争の餌食となるのです そのサパタをマーロン・ブランドが好演します しかし映画を観終わってみれば、印象に強く残されるのはその兄役のアンソニー・クインなのです 彼が主演だったかのように彼の演技が強烈にあなたの心に刻まれていることでしょう エリア・カザン、マーロン・ブランドを追いかけて本作を観る人が多いでしょう しかしアンソニー・クインの快進撃は本作から始まったのです ぜひ彼に注目して観て頂きたいと思います

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あき240

4.0やっと見ることのできた「革命児サパタ」♪

2019年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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ぱんぱんぱんだ

3.0マーロン・ブランド

2019年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 冒頭、大統領に陳情する農民たち。大統領はその名簿に強く訴えたサパタの名前を見つけ丸で囲む。大統領になったサパタの元へ同じような陳情団がやってきて、デジャビュのように同じ行動をとる。歴史は繰り返す。戦いによって得た権力もまた暴力によって覆される。  エピソードを詰め込みすぎのためか、展開がスピーディーではあるが、端折りすぎ。自分の農園は自分で守らなければならないという暴力の連鎖を庶民にまで押し付ける政治。自分の兄が将軍になっても貧乏生活のため農民から搾取する姿。一体誰が悪なのか・・・外敵アメリカが一番の悪に違いないが、そこまでは言及していない。  農民たちのために優雅な暮らしなど求めないマーロン・ブランドの姿は庶民的であり好感も持てるのだが、虚しすぎる結末。憤りをどこにぶつけることなく、自衛の手段を訴えるところは、アメリカ銃社会を助長しているのかもしれない・・・

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kossy

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