快楽
劇場公開日:1953年1月19日
解説
「輪舞(1950)」のマックス・オフュルスが、ギイ・ド・モーパッサンの短篇三つ『仮面』『メゾン・テリエ』『モデル』を映画化したオムニバス、一九五二年作品。脚本は「輪舞(1950)」と同じくジャック・ナタンソンにオフュルスが協力している。撮影は「輪舞(1950)」のクリスチャン・マトラと「乙女の星」のフィリップ・アゴスティニの協同、音楽はジョエ・エイオスの担当。主演は「肉体の冠」のクロード・ドーファン、「一日だけの天国」のガビ・モルレ、「美しき青春」のマドレーヌ・ルノー、「肉体の罠」のジネット・ルクレール、「五本の指」のダニエル・ダリュー、「青髭」のピエール・ブラッスール、「夜は我がもの」のジャン・ギャバン、「女ざかり」のジャン・セルヴェ「輪舞(1950)」のダニエル・ジェランとシモーヌ・シモンらオール・スタア・キャストである。、
1952年製作/フランス
原題または英題:Le Plaisir
配給:東宝
劇場公開日:1953年1月19日
ストーリー
〔第一話・仮面の男〕ある仮面舞踏会で、美男の青年の面をつけていた老人が卒倒した。医者(C・ドーファン)が男を家までとどけると、暗い家には妻(G・モルレイ)が夫の帰りを待ちわびているのだった。青春時代から女という女をあさりつくしたこの夫のために、妻はどのような苦しみをなめつづけて来たか。年老いた妻は、倒れた老夫を前に、医者につきぬ愚痴を話しつづける。しかしその口調には、一生を女好きの夫に捧げた老婦の愛情が、医者にもかくせずあらわれていた。 〔第二話・メゾン・テリエ〕フェキャムの町の人々は、或晩町の娼家メゾン・テリエが締っているので驚いた。女将(M・ルノー)が弟の娘で彼女が名付親になっている少女の初聖礼拝受式に、家の女達を連れて出かけてしまったのだった。村の教会では突然の美しい女達の出現に、素朴な村人達は都会の貴婦人が参列したのかと驚いた。式が始まり、清楚な少女の姿を見た娼婦達は、過ぎし日を思い起して思わず泣き出してしまった。教会は、異様な感動につつまれた。村人は、都の貴婦人すら泣かせたこの式の感激をいつまでも忘れなかったし、娼婦達は思い出に花を摘んでメゾン・テリエに帰って行った。 〔第三話・モデル〕無名の画家ジャン(D・ジェラン)は、偶然モデル女ジョゼフィーヌ(S・シモン)を使って立派な画を完成したことから、一躍流行児となった。二人はいつしか画家とモデルの関係を越え、やがてジャンは彼女に飽きはじめた。家出したジャンを探し歩いたジョゼフィーヌは、ある友人の家にいる彼をみつけた。友人は、彼女をあきらめさせようと、ジャンは結婚するのだと話した。ジョゼフィーヌは死ぬと脅したがジャンはむろん信じなかった。女は窓から飛下り、死にきれずに両足を折った。数年後、或る海岸に、車付きの椅子に乗ったジョゼフィーヌを押して行くジャンの姿がみられた。それを見た嘗ての友人は連れに秘々と語った。恋は必ずしも明るいものではない、と。
スタッフ・キャスト
- 監督
- マックス・オフュルス
- 脚本
- ジャック・ナタンソン
- マックス・オフュルス
- 原作
- ギイ・ド・モーパッサン
- 台詞
- ジャック・ナタンソン
- 撮影
- クリスチャン・マトラ
- フィリップ・アゴスティニ
- 美術
- ジャン・ドーボンヌ
- 音楽
- ジョー・エイオ
受賞歴
第27回 アカデミー賞(1955年)
ノミネート
美術賞(白黒) |
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