海底二万哩のレビュー・感想・評価
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平和を求めるネモ艦長
ディズニープラスで久々に鑑賞。
1950年代の映画とは思えない映像美で、CGなしでも神秘的な水中シーンを撮影できたことに驚きました。また、巨大イカと戦うシーンは今のアクション映画に負けないスリリングなものとなっていました。
ネモ艦長の言動や行動から、善人でもあり悪人でもある科学者のように捉えました。彼は戦争を繰り返す地上の人間を恨んでおり、自身が開発したノーチラス号で彼らを排除していました。地上人からすれば彼は悪者のように感じますが、ネモ艦長の視点から見ると争いのない平和な世界を望んでいるのではないかと考えました。
ちなみに、東京ディズニーシーには本作をベースにした同名のアトラクションが存在します。ここでは、小型潜水艦に乗って未知なる深海を探検します。水中農園や巨大イカの襲来など、映画のシーンを連想させる場面が多いので、鑑賞後に乗ってみると新たな発見があるかもしれません。
気になった方は是非乗ってみてください。
フラベリーナオキュリーナ
反戦、反核
古き時代の海への憧れと想像の空想科学小説を、進歩した現実世界のほうが追い越してしまった
総合40点 ( ストーリー:40点|キャスト:65点|演出:55点|ビジュアル:50点|音楽:65点 )
科学技術の発達していないこの時代に海への憧れをこのように空想科学小説に描いた原作者ジュール・ヴェルヌは天才だと思うが、いかんせん19世紀の想像の産物である。大王イカの調査が進み、魚雷にミサイルまで搭載した原子力潜水艦が世界中の海をうようよと動き回っている現在はすでに彼の想像をはるかに追い越してしまって、この話の展開はやはり古い。NHKやディスカバリーのドキュメンタリー番組で現実の深海生物や潜水艦のことを見ているほうが数段面白いと残念ながら感じてしまう。さらに映画の製作年が1955年というのもあって、映像技術とセットの古さが目について楽しめるものではなかった。
ちなみに世界最初の原子力潜水艦が完成し、それがジュール・ヴェルヌの「海底二万哩」に登場する原子力潜水艦の名前にちなんでノーティラス号と名付けられたのは、この作品の公開の前年の1954年である。そのような時代背景もこの作品の制作にはあるのだろう。
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