「【”零落。そして儚く短き、美しき女の人生。”哀しい物語であるが、アンナ・カリーナの抑制した演技が作品に趣を醸し出している作品。】」女と男のいる舗道 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”零落。そして儚く短き、美しき女の人生。”哀しい物語であるが、アンナ・カリーナの抑制した演技が作品に趣を醸し出している作品。】
■女優を夢見て夫と別れ、パリに出るも、希望なきレコード店員を続けるナナ(アンナ・カリーナ)。
つい男に体を許して代償を得た彼女は、やがてヒモつきの娼婦となり、無感動の日々を送る。
そんな中で出会った若い男を愛し始めるナナだったが、売春業者に売り渡されることになる。
◆感想
・夫と別れるファーストシーンから、女優を夢見るナナは厳しい現実の中、徐々に困窮していき、身体を売るようになるのだが、猥雑感は一切ない。
・場末の映画館で映画を観ながら涙するナナの表情。
・だが、彼女は零落しつつも哲学について熱く語るのである。彼女は娼婦でありながらも心までは売っていない事が分かる数々のシーン。
・ミシェル・ルグランによる哀調を帯びた音楽も、哀しきナナの姿をくっきりと浮き彫りにしていく。
<ラストは、実に切ない幕切れである。”女と男のいる舗道”という映画タイトルは、このシーンから取ったのだろうか・・。>
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