「西部開拓史が侵略史だったと描く作品は古くからあったと…」折れた矢(1950) KENZO一級建築士事務所さんの映画レビュー(感想・評価)
西部開拓史が侵略史だったと描く作品は古くからあったと…
いくら年齢を重ねても
新しく知ることが多い。
最近、71年公開作品「ソルジャー・ブルー」を
初めて鑑賞、同年の「小さな巨人」と合わせ、
アメリカ先住民の描写の変わる
分岐点になった年かと思っていたら、
その約20年も前に、
実際は誰が侵略者だったのかを
明確に描いた作品があったことを知った。
考えてみると、
ジョン・フォード監督作品でも徐々に
先住民の扱いに変化が見られるし、
調べてみると、
この20年間は空白でも何でもなく、
先住民の苦難に理解を示す作品が
幾つもあったことも知ることが出来る。
侵略者側にも先住民側にも
相手への理解が及ばない面々がいて、
問題解決のハードルになってしまうのは、
洋の東西を問わず、
また時代を問わずあり、
注意しなければとも考えさせられる作品だ。
ただ、終盤の展開とラストは
演出のエネルギーが尽きてしまったのかと
思わせるほどの平板な処理で残念だった。
コメントする