「結構な残虐描写」オルカ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
結構な残虐描写
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総合:60点 ( ストーリー:55点|キャスト:65点|演出:65点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
『ジョーズ』が大当たりした後、鮫より強くて賢く家族愛も深いシャチを相手役にして制作された。人対海洋生物という構図は一緒だが、内容は十分独自性を出せている。ウイキペディアによると1年2か月もかけて撮影されたそうなので、なかなかの力作である。カナダを舞台にしたアメリカ映画だが、むしろイタリア主導の制作でイギリス人が多数参加していて国際色豊か。
この作品では人間がむしろ悪役で、シャチは被害者役を演じるし残虐描写がその被害者感を強調する。主人公に一方的に攻撃されスクリューに切り刻まれ大量出血したうえに吊るされ胎児を流産するなんて水準の描写がある作品は他に無いのではないか。あまりこの部分は話題になっていないようだが結構な内容である。白人に残虐行為をされた北米先住民のようだ。
物語はシャチがやたらと人間のことを知っているうえにやたら強くてしつこいしで無理がある。最終決戦のためにはるばる北極圏に行くというのも、戦いを出来るだけ盛り上げたいためだけの強引な設定で現実性がない。この当時の日本の声優の演技がいかにもこの時代のものという古さがあって好きになれなかった。映像は良い部分もある一方で時代を感じる部分もあった。
子供のころに観たときは足を怪我するアニーが凄く可愛かったように思えた記憶があって、その記憶が正しいのかどうなのかと気になっていた。今観てみるとまあそれなりにで、やはり子供の記憶はあまりあてにならない。
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