狼男アメリカンのレビュー・感想・評価
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本作がなければ、マイケル・ジャクソンもキングオブポップとなり、伝説のアイドルとの名声を欲しいままにすることは、なかったかも知れないのです
これぞカルト映画そのもの
特撮ファンは当然観てますよね
まさにホラーとコメディの結合
笑いがあるからこそ、ホラーがより怖く強烈に表現できるのです
原題の「An American Werewolf in London」を、
普通なら狼男ロンドンに現るとか、ロンドンの人狼と邦題にするところを、ロンドンをスパッと切って「狼男アメリカン」とした、当時の配給会社の人のセンスには脱帽です
コメディの要素があると見事に表現できています
狼男への変身シーンやゾンビは特撮映画史に残るものです
全く画期的な映像です
CGの無い時代に、一体どのようにしてこのような映像が撮れるのかと驚嘆するものです
特殊メイク担当は、リック・ベイカー
彼はスターウォーズに参加して数々のキャラクターを作り出した伝説の男
彼は本作の特殊メイクで、新設されたアカデミーメイクアップ賞の最初の受賞者となったのです
狼男への変身シーンは、それこそ1930年代の白黒映画の時代でもあります
しかしそれらは、フィルムのつなぎ合わせで実現させていますから動きの無いものです
しかし本作では、明るい照明の中で、次第に人間から、狼男に変身していく様をじっくりとみせてくれます
狼男への変身が裸で行われます
獣毛が生え、骨が伸びて、体の形が変わっていくのです
身体が変わっていく痛みに苦しみのた打ちまわるのです
これは思春期の性徴と同じであり、勃起の暗喩でもあると監督が特典映像で語っていました
なるほど!とハタと膝を打ちました
それで劇中の映画館で上映されているのはポルノ映画なんだと
最初の変身シーンに流れるのは、1959年のサム・クックの美しい歌声のブルームーン
エンドロールに掛かるドゥーワップの曲も、1961年のマーセルズのブルームーンです
憎い選曲じゃないですか
エヴァンゲリオンのFly To The Moonは本作がお手本だったのかも知れません
強烈な内容には、精神の安定になる音楽が必要なのです
それほど狼男に喰い千切られる犠牲者の肉体の損壊ぶりの凄まじい迫真さ、そして食い破られて肉片をぶら下げたゾンビの登場はあまりにも強烈でした
1981年8月米国公開
マイケル・ジャクソンのスリラーがMTVで初放映されたのは1983年12月
これも本作と同じジョン・ランディス監督の手になります
もちろん本作に惚れ込んだマイケルのオファーに依るものです
14分にも及ぶミュージックビデオ
当時としては常識外れの長さのビデオでした
狼男とゾンビが登場する映像は、もちろん本作からの由来です
特殊メイクはもちろんリック・ベイカーです
ゾンビの集団ダンスはブームになって、みんなコピーしようとしたほどです
この曲が地球規模で史上最大のヒット曲になったのは、もちろんスリラー自体の楽曲とマイケルの歌が最高であるからです
しかし、このミュージックビデオの力が非常に大きいのは間違いないことです
もしこのビデオがなかったらここまでの成功は無かったでしょう
つまり全ては、本作の凄さが始まりなのです
本作がなければ、マイケルもキングオブポップとなり、伝説のアイドルとの名声を欲しいままにすることは、なかったかも知れないのです
本作はそれほどの影響力を持っていたのです
14分の完全版スリラーはYouTubeで簡単に視れます
本作鑑賞のあと、是非こちらもご覧下さい
もうすぐお月見です
2021年の十五夜は9月21日だそうです
蛇足
マイケルつながりで、東京ディズニーランドのかって存在したアトラクション「キャプテンEO」 の映像もジョン・ランディス監督と混同されがちですが、こちらはコッポラ監督です
20周年スペシャルエディション
マイケルジャクソンさんを研究中なのですが、ベンのDVDを予約するときにこの作品に目がとまり、これも見ておかないとと思い購入!監督のインタビュー、俳優さんの解説付き本編と特典映像がとても良かったです。
映画も、コメディー的ホラー映画の先駆けで、すごく斬新でその上シュール。
笑いあり、驚きあり、悲しみありで、観ている人々を驚かせ、愉しませ、感情のジェットコースターを意識して作られていて面白かったです。
そして何と言っても特殊メイク!
本当に素晴らしいです!
最近の映画はCGばかりで、やっぱり本物は最高!と思いました。
ジャックは何故ポルノ映画館に誘ったのかも謎だし、その後の街中のパニックはやり過ぎ感ありで、その辺もツボでした(笑)
ホラー映画の新しいジャンルを作ったと感じました。
ホラー映画はあまり好きじゃなく、たくさんは知らないですが。
今だから、気付きの視線で観れるけれど、当時だったら衝撃的だったんだろうなぁ~。
当時なら驚く場面たくさんだもの、今でこそやり尽くされた手法になってしまっているけど・・・・
マイケルさんが気に入ったのも納得です。
新しいことをする。
昔からあるものをもっとよくする。
改革!
見て良かったです!
光る特殊造形の技たち
普通の学生が狼男になる過程をきわめて丹念に描いていた。狼に変身する様子にCG感がなく特殊メイクが素晴らしい。狼に殺された相棒が登場するたびにゾンビ度を増していくのが可笑しい。主人公が殺した人々がポルノ映画館に集結する場面と、街がパニックになって交通事故が連発する場面が楽しかった。
アメリカンな狼男
旅先で狼に襲われた2人の青年。
1人は亡くなり、主人公は助かります。
ところが、2人を襲ったのは、ただの狼ではなく「人狼」で、
主人公の体にも変化が現れます。
この作品の特徴は、狼男に殺された人間が幽霊になって現れるところです。
確か、狼男に殺された人間は成仏出来ないという設定だったと思います。
死んでしまった主人公の友人が、忠告のために度々、主人公の前に現れるんですが、時間が経つ毎に(幽霊なのになぜか)ドンドン体が腐敗していくのが面白いです。
狼男になってしまった主人公の苦悩が、良く描かれていると思います。
これは「狼男モノ」の隠れた名作ですね。
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