エリザ
劇場公開日:1995年7月22日
1995年製作/フランス
原題または英題:Elisa
配給:KUZUIエンタープライズ
劇場公開日:1995年7月22日
ストーリー
亡き母親を捨てた父親に復讐するための旅に出た少女マリーの姿を描いたサスペンスフルな青春ドラマ。歌手・俳優・映画作家として死後も評価が高まるフランスのセルジュ・ゲンズブールのヒット曲『エリザ』をモチーフに、彼へオマージュを捧げた一編。監督はジャック・ベッケルの実子で、「殺意の夏」のジャン・ベッケル、脚本は彼とファブリス・カラゾの共同。製作は「カミーユ・クローデル」「ポンヌフの恋人」のクリスチャン・フェシュネール、エグゼクティヴ・プロデューサーはエルヴェ・トリュフォーとディディエ・パン。撮影はエティエンヌ・ベッケル、音楽は「ふたりのベロニカ」「ダメージ」「トリコロール」3部作のズビグニエフ・プレイスネル、ミシェル・コロンビエ、そしてゲンズブール。主演は「白い婚礼」以来、6年ぶりの映画出演となるフランスのポップシンガー/ファション・モデルで、ゲンズブールが最後にプロデュースを手がけたアーティストでもあるヴァネッサ・パラディ。本作では、彼女のファッション・センスも見もの。共演は「ゴダールの決別」「ジェルミナル」のジェラール・ドパルデュー、「IP5」のセクー・サル、「ピストルと少年」のクロチルド・クロー、「ラ・ピラート」のフィリップ・レオタールほか。 元作曲家だった夫ジャック(ジェラール・ドパルデュー)と別れた後、女手一つで娘のマリーを育ててきたエリザ(フロランス・トマサン)は人生に疲れ果て、まだ幼いマリーの顔に枕を押しつけ、自分は銃で自殺した。奇蹟的に助かったマリー(ヴァネッサ・パラディ)は孤児院で育てられた。成長した彼女は親友ソランジュ(クロチルド・クロー)と施設を飛び出し、黒人の少年アーメット(セクー・サル)、よくアパートを貸してくれる作曲家のケヴィン、優しい本屋のおじさんサミュエルら気の合う人達だけと気ままな生活を送っていた。だが、彼女の心の奥底には、常に母親を捨てた父親に対する憎しみがあった。18歳の誕生日を間近に控えたある日、マリーは親しい人々に最高のプレゼントを送り、二度と帰らない決意で拳銃を手に、自分の過去を探す旅に出る。調べていくうちに、母親が生活のために体を売っていたこと、父親が売春斡旋容疑で起訴されたことが明らかに。父親を捜す唯一の手掛かりは、母に宛てただ一枚の絵葉書。そこにはサン島の灯台の写真と、手書きの音譜が記されていた。それは、子供の頃、母親がよく聴かせてくれた曲『エリザ』だった。サン島に酒びたりの父と対面したマリーは、自分の正体を明かさず彼に近づく。そして自分の名はエリザだと名乗り、全裸になって彼を挑発した。マリーは彼に銃口を向けるが、どうしても撃てない。やがて、父の引き出しから彼が母へ出した手紙を読んだマリーは、その愛の深さに打たれ、自分の間違いに気づく。彼女は自分と母親が写っている写真とあの絵葉書を置いて去った。それを見たジャックは全てを理解し、外へ飛び出した。彼は嵐の中で震えているマリーを強く抱きしめ、『エリザ』を口づさんだ。
スタッフ・キャスト
- 監督
- ジャン・ベッケル
- 脚本
- ジャン・ベッケル
- ファブリス・カラゾ
- 製作総指揮
- エルベ・トリュフォー
- ディディエ・パン
- 製作
- クリスチャン・フェシュネール
- 撮影
- エティエンヌ・ベッケル
- 美術
- テレーズ・リポー
- 音楽
- ズビグニエフ・プレイスネル
- セルジュ・ゲンズブール
- ミシェル・コロンビエ
- 編集
- ジャック・ウィッタ
- 字幕
- 寺尾次郎