英国万歳!のレビュー・感想・評価
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1788年のジョージ3世
アメリカ独立戦争により植民地を失った衝撃は大きく
英国国内では意見の衝突が高まる
国王の強権発動を懸念するものや
議会改革の声も
ジョージ3世の支援を受け
1783年 ピットが24才で英国最年少の首相になる
が、国王は精神疾患に悩まされ始める
(原因はポルフィリン症?薬害???)
これは1788年の発症時の騒動を描いたもので
治療法などは確立されておらず
国王の苦しみ、周囲のあたふたする様子などがわかる
ピットのライバル、フォックスは
プリンス・オブ・ウェールズと次を考え始める
厳格にしつけたはずなのに放蕩、贅沢三昧で
王と真逆のタイプになり愛人も沢山いたらしい彼を
ルパート・エヴェレットが演じていて
彼のイメージは〈崩れ〉なのかな、と思った
プリンスはマリア・フィッツハーバート(年上、未亡人、カトリック)
とは結婚したかったらしく
法的に無効な秘密の結婚をしてしまう
議会が〈摂政〉について議論を重ね
月日を費やしているうちに国王は奇跡的に回復
治療中の王がリア王を読んでいる場面が可笑しかった
王が妻だけに見せる、悲しみの入り混じった戸惑いの表情が印象的
ナイジェル・ホーソーンの当たり役ですね
脚本もよく出来ていて色々面白かったです
「妊婦を座らせれば通風持ちも座りたがり、トルコのハーレムのようになる」
という国王の言葉と
国を上手く新しい秩序に導いたと言われる
ウィリアム・ピットに興味を持ちました
ともあれ君主制
王様が狂ってしまっても、それでも英国の人は王様が好き、という印象を受ける。皮肉を込めるというよりも、もはやそんな王様であっても、どこまでもついていきます、そんな愛を感じる。幾度かの危機を乗り越え、君主制を選択した英国。日本も天皇家を大切に思う人が大勢いるし、どこか似たところがあるのかもしれない。
映画としても王様の悲しみと傲慢さがいとおしく描かれているようで、狂っていく姿に涙すら流してしまう。美しい王妃の姿につい自分を重ねてみたりして、遥か遠い世界の人々なのに身近に感じられる展開であった。
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