英国式庭園殺人事件

劇場公開日:2024年3月2日

解説・あらすじ

イギリスの名匠ピーター・グリーナウェイが1982年に手がけた長編劇映画第1作で、屋敷に招かれた画家が描き進める12枚の絵の中に浮かび上がる完全犯罪の謎を描き、グリーナウェイの名を一躍世界に知らしめた傑作ミステリー。

17世紀末、英国南部ウィルトシャー。画家のネビルは、広大な英国式庭園のあるハーバート家の屋敷に招かれる。不在の主人ハーバート氏の代わりに彼を出迎えた夫人バージニアは、夫が旅から帰ってくるまでに屋敷と庭園の絵を12枚描いてほしいと依頼。報酬は1枚8ポンドに寝食の保証、そして夫人はネビルの快楽の要求に応じるという。契約を交わし、絵を描き始めるネビルだったが、描こうとする構図の中に、ハーバート氏のシャツや裂かれた上着など何かを暗示するような物が紛れ込むようになり……。

「マックス、モン・アムール」のアンソニー・ヒギンズが画家ネビル、「ニコライとアレクサンドラ」のジャネット・サズマンがバージニアを演じた。

1982年製作/107分/イギリス
原題または英題:The Draughtsman's Contract
配給:JAIHO
劇場公開日:2024年3月2日

その他の公開日:1991年4月27日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1982 Peter Greenaway and British Film Institute.

映画レビュー

3.5はめられた絵描き

2025年7月5日
PCから投稿

ブラックユーモアと淫靡と貪欲とシンメトリカル。トラウマ系エロ絵巻ピーターグリーナウェイ。UNextに初長編映画のThe Draughtsman's Contract(1982)があったので初めて見た。作家の処女作には原石がつまっているというが、確かにこの映画にはコックと泥棒、その妻と愛人(1989)に繋がる素材がすでに揃っていたと思う。

18世紀ぐらいのイギリスの貴族階級。
若く強欲な絵描きネヴィル氏は荘園主のハーバート夫人から、夫の不在中夫へのサプライズプレゼントとして家屋や庭園の絵を描いてほしいと依頼される。
ネヴィルは金だけじゃできないと突っぱね、夫人が性的要求に応じるならという条件をつけた。それが原題の製図業者の契約。
絵画制作の滞在期間中、ネヴィルは夫人をしゃぶり尽くして辟易させ、契約を解除してくれと懇願されるもネヴィルはそれを拒否し、娘とも契約をもって貴族階級を蹂躙する。
が、すべて謀られていたことだった。という話。

ストーリーの時点ですでにピーターグリーナウェイで、それを構図をきめる撮影とバロック音楽で描いていく。
映画は独創的でグリーナウェイという人はひとりでヌーヴェルヴァーグをやっていたようなものだと思うが体力・気力のあるときでないとピーターグリーナウェイを見ようという気にならない、というのはある。
The Cook, the Thief~もThe Baby of Mâconもトラウマのような記憶になっている。ブラックユーモアなんだろうけれど笑えるところのないモンティパイソンみたいな。暴力性と無修正の気配があって無修正とは局部にたいする扱いのことだけではなく「いやそこまで露骨に描いてしまわないでしょ普通」を描いてしまう赤裸々な視点をピーターグリーナウェイは持っている。

絵画に仕組まれた謎解き要素──推理もののようなニュアンスもあるが、人間のgreedとか復讐とかcrueltyみたいなものを描き出すのが狙い。
映画中の絵は絵描きの素養をもつピーターグリーナウェイ自身のものだそうで、絵描きらしい考察もセリフになっていた。

「本当に賢い人はいい画家にはなれないものよ、なぜなら絵を描くためには、ある種の盲目さが必要だから。でも賢い人は目に映らない物事を知る。そして知ることと見ることの間で身動きがとれず創作に集中できなくなる」

なるほど。Imdb7.2、RottenTomatoe97%と85%。

83歳(2025)のグリーナウェイ最新作はダスティンホフマンとヘレンハントが出演しているイタリアを舞台にしたドラマ映画だそうでポストプロダクションをのこしているだけという段階のようだが2025年現在、公開の告知はまだない模様。老齢のグリーナウェイが丸くなるのか尖ったままなのかが気になる。

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津次郎

4.5至高の映像美!

2025年5月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

斬新

舞台セットと映像がとにかく美しく、
西洋貴族の世界観や伝統的な雰囲気を求めるなら
至高の映像です。

ストーリーはあまり緩急が無く、
また内容も分かりづらいので、
映像美を楽しむと割り切ってもいいと思います。

セリフが非常に多く、静かなシーンがほとんど無いのも特徴。
上流階級のイギリス英語が洪水のように押し寄せます。

ピーター・グリーナウェイ作品といえば
去年、渋谷のシアター・イメージフォーラムで特集上映が行われていましたが
私は機会を逃して結局行けずじまい。
それが今Amazon Prime Videoで見放題対象なので、
絶好のチャンスでした!

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Omi

2.0分かりずらい…

2024年5月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

あまり意味わかりませんでした(笑)

分かりずらい(笑)

他の方のレビュー読んで自分だけじゃなかったんだと安心(笑)

ネタバレがキライな為、あらすじ読まずに観るのが信条な僕ですが、

これから観る方は、あらすじ読んでから観るのをオススメします(笑)

それでも分かりずらいだろうけど…(笑)

17世紀末のイギリス貴族の話なんですが、バッハみたいな巻き巻きの髪型に、フリフリの服を着てて、生理的に受け付けない…

申し訳ないが虫酸が走る(笑)

キツかった…(笑)

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RAIN DOG

4.0結局は人間事

2024年4月22日
Androidアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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ouosou