「ただただ素晴らしい。」ウエスト・サイド物語 JYARIさんの映画レビュー(感想・評価)
ただただ素晴らしい。
「もし街の不良がプロダンサーだったら…」という設定を前提のもと、鑑賞した。この世界観に入ってから、本当に夢のような時間だった。キレッキレのダンスに魅了され、サウンドと一体となった動き、手振り、まさかのカメラ目線、どのシーンにも釘付けだった。
また、マリアとの恋もバランスよく、ストーリーに組み込まれている。それだけでなく、移民の実情、不良が何故不良となったか、コメディとしてミュージカル化している。さらには、ボーイッシュな女の子まで登場し、血は流れないが、警官を非道に描く等、社会的な一面もある。
ここまでを網羅した映画が未だかつてあっただろうか。
もうこのダンスシーンどこを切り取っても、ワンシーンが作品に入っているだけで賞は確実とさえ思う。
特に好きだったのはプエルトリコ系の内情を歌った場面。女性は綺麗だし、男性のキレの良さには本当に驚く。アニタが特に好き。表現力の塊か。
ただ、自分がダンスというものにあまり興味を抱かない理由もわかった気がする。人の謙遜や遠慮に魅力を感じる自分にとって、ダンスとはそれと相反する魅力を包括するものだと思う。いかに表現するか、いかにこれまで習得したことをこなすか。それを重要とするダンスは、そういった意味では私の好みとはかけ離れている。もちろん美しいことは認めるが…。
それにしても、登場人物のそろったカラーのジャケットとか、心地いいくらい見惚れましたな。また、エンディングの壁の落書きもすき。
ナタリーウッド。初めてだったが、びっくりするくらい綺麗。結婚式を再現するシーンとか、もう最高にキュートでした。しかも結構、夢見がちで薄情な恋愛頭な感じも、好きでしたな。
ラスト、これでいいのかって感じだけど、やっぱりあれでよかったんだな~。
これが、すべての映画の原点だとしても全く疑わない。
実際、「ベイビードライバー」とか影響受けてそうだなってすぐ連想したし。あとは、ラ・ラ・ランドとか?
スピルバーグのリメイクはどうなるのだろう~~
しかもアンセルエルゴートだってよ~ベイビ~~