「“ペンは剣よりも強し”」インディ・ジョーンズ 最後の聖戦 桜さんの映画レビュー(感想・評価)
“ペンは剣よりも強し”
インディの生い立ちから秘話まで、まさにシリーズの集大成となった本作。
ヘンリージョーンズ役のショーン・コネリーが大活躍で、見ていてとても楽しいものとなっている。
1で出てきたマーカス、サラー等も出演しており、終わりに相応しい仕上がりになっている。
まぁ現実は後2作程続くが。
好きなシーンはなんといっても、オープニングのリバー・フェニックス演じる若きインディの生い立ちが描かれるシーンと、ラストの神殿の罠とエンディングかな。
インディがヘビだけが苦手な理由や、名前の由来、そのスタイルの元となった人物等が描かれており、当時のファンには堪らないシーンの連続だっただろう。
神殿の罠は、3つ目の試練が初めて見た時本当に感動した思い出がある。
インディの長年の経験と知識がものを言ったのだと思う。
今作は、まさにマーカスが戦車の中で言ったジョークではあったが、「ペンは剣よりも強し」を体現していたと感じた。
聖杯にその生涯を捧げたと言っても過言では無いヘンリーだからこそ、聖杯に辿り着けたのは勿論、ヘンリーの言葉を借りるならば聖杯を「宝物」だと捉えていた人達は、皆命を落としている。
かくいうインディも、「宝物」として見ていた節もあり、エルザと同様命を犠牲にしかけていたが、父から「放っておけ」と言われた事で命を救われたわけである。
どんなに力が強くても大量の兵器があっても、知識や勉強量、教養には敵わなかったという事だと、個人的には思う。
命からがら逃げ延びた際に、何も手にしておらず、インディは父に「何か得たものはあったのか?」と尋ねた際、「光を得た」とヘンリーは答えた。
それは物ではなく、長年の調査や勉強の成果として、聖杯や生命の泉が本当にあったという事実、そしてそれを目の当たりにし、生きて帰ってこれたという奇跡が、まさに「光」であり、それはお金や宝物には敵わないのだろう。
聖杯を最初に見つけ不老不死になり、700年待っていた三人の騎士のうちの一人は最後にヘンリーに手を振った。
それは、きっと彼の長い年月をかけた研究や努力なくしてはここに誰も辿り着けなかったという事を直感で理解し、心から敬意を表したのではないだろうか。
エンディングの馬で荒野を夕陽に向かって走っていくシーンは、映画界でも屈指の名シーンだろう。
何度見てもここで感動する。
ただ1つ言えば、今回ヒロインがまさかの悪役という事で、そこがちょっと残念でもあった。
その分ショーン・コネリーが沢山活躍してくれていたのでまぁ良しかな。
素晴らしい映画です。
この三部作は本当に何度見ても飽きない。
最新作を、あまり期待せずに楽しみにしたいと思います。