劇場公開日 2024年11月8日

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イル・ポスティーノのレビュー・感想・評価

全51件中、1~20件目を表示

4.0言葉を紡げる幸せ、言葉を受け取れる幸せ。

2025年7月30日
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鑑賞方法:DVD/BD
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すっかん

5.0生きる喜びについての映画

2024年11月30日
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鑑賞方法:映画館

4Kリマスター版が上映されるということで、中学生の頃に見て大感動して以来の再視聴。当時は映画をたくさん見始めた頃で、この作品は自分にとっても映画を見るという体験の「原風景」の一つを構成している作品でもある。主演のマッシモ・トロイージが撮影終了12時間後に息を引き取ったというエピソードとともに語られることの多い作品だが、彼が演じた主人公の結末ともリンクするために、一層伝説化した側面がある。
だけど、そういう予備知識による上げ底すら必要ないほどに美しい映画でもある。南イタリアの小島の風景が本当に美しい。ここには豊かな自然と人のコミュニティがある。失業中の主人公は、チリから亡命してきた詩人パブロ・ネルーダ専任の郵便配達員となり、彼から詩の素晴らしさを教わる。人が言葉を覚えた瞬間、新たな視点、新たな知識を獲得した瞬間の喜びがこの映画には刻まれている。何かを知るということは素晴らしいことなんだとこの映画は教えてくれる。
死の悲劇よりも、新しく何かを知る喜びがスクリーンいっぱいに映されていることよってこの映画は「名作」と言われるべきだと思う。

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杉本穂高

4.5この映画に触れるたび、私たちの心は海風をたゆたい、詩人になる

2024年11月29日
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鑑賞方法:試写会

この映画に触れるのは何十年ぶりだろうか。あの穏やかな空気、打ち寄せる波、登場人物らの豊かな個性に触れながら、薄オレンジ色の温もりに包まれていくのを感じた。私がいつも心奪われるのは、マッシモ・トロイージ演じる朴訥な郵便配達員マリオが自らの感覚で言葉を紡ぎ、素朴な描写を口にする場面。ノワレ演じるパブロ・ネルーダはすかさず言う。「そう!それが詩だ!」。誰もが詩人であり、その感覚を秘めている。言い換えるならそれが個性であり、感受性であり、人間として脈打ち、美しいものを美しいと感じ、生きている証。パブロがメタファーという手法をそっと授けることで、思いや言葉は途端に羽根を広げ空を飛び始める。その鮮烈さと幸福。そして全編が数年に及ぶ交友録、はたまた数行の詩にすら思える本作が、トロイージの遺作となったことに何とも言えない感情が込み上げてくる。彼の思いと表情は永遠に生き続ける。彼こそ真の詩人であり表現者だ。

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牛津厚信

4.0Head-Spin out of Modern Chaos

2024年10月31日
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鑑賞方法:試写会

A quiet film on a postman who finds an unlikely friendship with an exiled poet. Conversations inspire him to pursue a romance with borrowed words. It's an interestingly imaginative tale on cosmically inconsequential romance. It ends with unanticipated political turmoil reminsicent of Z. A cross-continental production that earned five Oscar nods. Old-fashioned indie unlike contemporary films.

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Dan Knighton

4.0史実とドラマの自然な融合

2025年9月17日
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癒される

実在のノ-ベル文学賞受賞者のパブロ・ネル-ダが祖国チリを追われ、イタリアのカプリ島に身を寄せた史実に基づき、ドラマが展開する。島の住人である主人公はプ-タロ-しているが、ネル-ダ専属の郵便配達人となり、彼と接触することで文学に目覚めていく。やがてネル-ダとの交流も深まり、友情が芽生えていくと共に、最愛の女性との結婚にも成功する。が、ネル-ダの逮捕状は取り消され帰国する。主人公は、ネル-ダの思い出を大切にしながら、自分自身で詩を書き、共産党の集会でそれを発表しようとする前に命を落とす。このように極々平凡な男の人生の目覚めを切り取ったシンプルな映画である。ネル-ダも主人公も共産主義者であるが、この映画はイデオロギー的に鼻につくものはなく、一般人が安心して見られるものである。主人公を演じたマッシモ・トロイ-ジは心臓手術を撮影のために延期し、本作撮影終了から12時間後に、この世を去った。映画の主人公にかさなるような死に様であった。なお、実在のネル-ダは1973年チリ・ク-デタ-時に救急車の中で病死している。毒殺との説もある。

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Tache89

4.0ご冥福をお祈りいたします

2025年9月5日
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odeonza

4.5言葉の力。青年と詩人のお話。

2025年6月16日
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泣ける

癒される

まるで無垢な子供のようなマリオ。
波打ち際でネルーダに海の詩を聞かされ、言葉に酔う。

詩の虜になった彼は、美しい娘の虜になり、詩の力で愛を勝ち取る。
そして、言葉の力で大衆の心を掴み、世界に語りかけるネルーダの姿を見つめる。

「餌を食べた鳥は飛び去る」
ネルーダが祖国チリへ帰り、世話になった島を忘れた様子であることを詰る人々に、マリオは、むしろ自分の方が世話になったと語る。

「俺はただの郵便配達人。詩人として無価値。共産党員としても大したことない」
表現することに目覚めたマリオ。ネルーダが残したテープに「島の美しいもの」の音を記録する。そして、大勢の群衆の前で演壇に上り、詩を朗読することになる・・・

ラスト数分間の静かでドラマティックな展開。海辺のネルーダの表情。そしていつもと変わらず岸へ寄せる波。マリオを演じたマッシモ・トロイージの最後と重なるようなラストシーンに涙した。

動画は、文字の5000倍の情報量を持つという。「テキスト情報はコスパもタイパも悪いから動画を見た方がいい」と言っている人がいた。単純な情報量で言えば、詩や俳句や短歌は圧倒的にコスパが悪い。
しかし、詩を初めとする文学には、その言葉の数からは計り知れない想像の世界を拡げる力がある。感情を伝える力がある。そして、人の人生を変える力がある。
そんなことを、素朴な青い海の風景と郷愁を誘う名曲が一緒に教えてくれる。

小さな箱にそっとしまっておきたくなるような映画。

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TS

4.0口下手な郵便局員と詩人の関係が、不器用ではありながらも少しずつ近づ...

2025年6月15日
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鑑賞方法:映画館

口下手な郵便局員と詩人の関係が、不器用ではありながらも少しずつ近づいていて微笑ましかった。
それにしても口下手が過ぎるので観ていてもどかしい気持ちになったが、一目惚れした女性への気持ちはとても情熱的だった。
ここがとても良かった!というシーンが特別あるわけではないですが、発される言葉や風景など一つ一つが美しく、観終わると心が浄化される様な気持ちになりました。

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qq

5.0Pubblico, vieni qua!❤ パブリート、こっちへ来なさい。

2025年6月14日
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マサシ

ご近所の詩人

2025年4月2日
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 南イタリアの島の郵便配達人が、チリから来た詩人にラブレターの書き方を教わり思い人に送り続けるというお話。イタリア映画らしく明るく軽やかに、最後は二人が結ばれてめでたしめでたしなのだろうと思っていたら、意外と哀切な物語になって行き、キュンッと来てしまった。

 そして、この詩人というのが、チリの国民的詩人で映画『ネルーダ』でも描かれたパブロ・ネルーダである事にびっくり。彼は、一時期祖国を追われ、イタリアに滞在していたらしい。そこからこの物語が創造されたのかな。こんな詩人がご近所で暮らしていたらいいだろうな。

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La Strada

4.0ストーリーは素敵だしイタリアの情景が思い浮かぶ!

2025年3月27日
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単純

配信(DMMTV)で視聴。
ストーリーは素敵な話。ただ、ありきたりかなと感じた。
評価したいのは情景。イタリアのナポリ沖合の小島の風景が◎。
ストーリーよりもいかにもイタリアらしい風景でイタリアを思い浮かんだ。
いかにもイタリア映画らしい作品。
フィリップ・ノワレは出演作品を調べるとあのニュー・シネマ・パラダイスに出演。
ニュー・シネマ・パラダイスを観なくては。

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ナベさん

4.0【イタリアの小さな島で暮らす純朴な青年が、チリの高名な詩人と出会い、詩の素晴らしさを学び人間として成長する様を描いた美しくも切ない作品。】

2025年2月6日
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悲しい

知的

幸せ

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NOBU

3.5郵便配達は自転車のベルを鳴らす

2025年1月16日
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Mr.C.B.2

3.5終盤に差し掛かって、目が覚めた

2025年1月14日
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主役のマリオを務めた俳優、マッシモ・トロイージが映画化を熱望し、脚本も書いたと言う。しかし前半は、まるでおとぎ話のようで、心は全く動かなかった。何よりも、主役に元気がないことが気になった。ところが、終盤、映画は急に展開する。

マリオのことを最初に「詩人」だと言ったのは、愛する恋女房ベアトリーチェだった。イタリアに亡命し、島に滞在していた詩人であり政治家でもあったチリのパブロ・ネルーダに郵便物を運ぶための臨時の郵便配達人(イル・ポスティーノ)を務めて、彼に署名入りのノートをもらったのに、1行の詩も記すことができなかったマリオは即座に、自分自身を卑下して、詩人ではないと答えた。

しかし、彼の中では、パブロが去った後も、大きな変化が起きていた。マリオは、パブロの詩を読んだ最初から、詩に大きな魅力を感じていた。しかも、詩の意味を直ちに理解して、詩は書いた人のものではなく、必要な人のものだとパブロに告げ、彼を驚かせていた。

確かに、すぐに詩を書けたわけではなかったが、パブロが去って1年が経ち、彼が島に残した荷物を送り返すときになって、詩人としての資質が、吹きこぼれるように立ちあがってきたように思えた。マリオは、パブロが残したものは、島だけが持つ美しさ、島に寄せる波、風、漁師であった父が扱った網、教会の鐘、星空であったと気づき、郵便局長のジョルジョと協力して、それを録音するうち、心の中に詩が芽生えて来るのだった。マリオが、急に輝いて見えた瞬間だった。

映画を見ていて、心惹かれたこと、これまで見たこともないテープレコーダーが出てきた、コンパクト・カセットのように見えたけれど。フィリップスか、ソニーか。

映画を見終わってから、マリオを演じたマッシモ・トロイージは、クランクアップの12時間後、急逝したと知って驚いた。心移植が予定されていたそうだから、治療のない心筋症だろうけれど、それは当時の映画人たちの心に突き刺さったに違いない。

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詠み人知らず

4.5時を経ても色褪せない名作とはこのこと

2025年1月11日
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海沿いのイタリアの美しい街並みと人々の営み、恋や友情など織り交ぜた良質な作品。

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あさ

4.5海、詩、建物、音、人。どれもが完ぺきな素材。

2024年12月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

この時代の映画の凄さを、見せつけられるような。
イタリアの小さな島の日常に潜む現実。かと思えば、その日常に散りばめられた素晴らしさ。
気づかずに、あるいは目を背けていたところを、詩という方法が光をあててくれる。
退屈な日常に彩りを見つけたポストマン。
彼の変化していく内面が、こころの機微の表現が素晴らしい。
多くの語りを知る前に、見たほうがよい。
美しい。映像も言葉も。
そして、多彩に変わる表情と変わらないものたちの対比。
まいったな〜

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ミツバチば~や

4.0幸せな人生では

2024年12月22日
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かばこ

4.5歴史的名作! 4K修復のこの機会に見て良かった!!

2024年12月15日
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泣ける

笑える

幸せ

見終わったあとも余韻が消えず、心に深く刻み込まれる作品でした。舞台のイタリアの小さな島、純朴な主人公マリオの成長、世界的詩人パブロ・ネルーダとの交流を通じて、言葉が人に与える力を鮮やかに描き出しています。

1. 郵便配達人──「言葉」の架け橋

主人公マリオが郵便配達人としてパブロ・ネルーダに手紙を届ける役割は、時代や場所の象徴そのものです。ラジオもテレビもましてやインターネットもない島では、手紙が唯一の世界とつながるメディアです。
マリオが手紙を届ける行為は、詩人ネルーダにとっても外界との接点を保つ重要な仕事です。マリオはネルーダとの交流を通じて、表現を学んでいくことになります。

2. 主人公の成長と「詩」の力

物語の核は、主人公マリオの成長です。無口で未熟なアラ30未婚男性だった彼が、ネルーダとの交流を通じて詩の技法「隠喩」を学び、表現を得ていく過程がとても感動的でした。詩人としてのネルーダがただ一方的に教えるだけでなく、マリオ自身の純朴な感性がネルーダの心をも動かしていく対等な関係もまた見どころです。

主人公は表現の獲得によって恋を実らせるだけでなく、それは同時に自分の島の美しさや人生の意味に気づくことにもつながっていきます。言葉とは表現の手段であるとともに、自分の内面に感動を生み出すものでもあるということを教えられた思いです。

3. 主演脚本のマッシモ・トロイージのその後

この映画を語るうえで、主演・脚本のマッシモ・トロイージの存在を欠かすことはできません。彼は心臓病を抱えながらも、手術を延期してまで撮影に挑み、撮影終了直後にその命を落としたことを、見終わってから知りました。
彼の命懸けの挑戦が、映画に込められたテーマ「表現を獲得すること」と深くリンクし、この作品が、彼の遺言でもあり、生きた証でもあり、世界に残した貢献でもあることに衝撃を感じています。
映画を観た後に彼の背景を知ったことで、作品の余韻はさらに深くなり、感動と切なさが入り混じった特別な一本になりました。

4. 人に何かを「伝え残すこと」の意味

『イル・ポスティーノ』は、単なる物語以上のものを観客に届けてくれる作品です。「何かを誰かに伝え残すことの意味と価値」とは何か。それが受け取った人に与える勇気や人生への気づき、人とのつながりへの感謝。

マッシモ・トロイージの人生そのものが映画に重なっており、この作品は観た人それぞれの心に「言葉」として残り続けるものだと思います。

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nonta

4.5ポエジア 詠まれなかった詩

2024年12月7日
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泣ける

楽しい

知的

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レント

1.0私にイタリア映画は向かないことがよくわかった

2024年12月4日
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世間的に大絶賛されてる「ニュー・シネマ・パラダイス」しっくりこなくて脱落してる私
他の映画のために立ち寄った映画館で、著名人の方々が絶賛していた本作のポップを見て、これは見ておかないと!と足を運んだ
でも……何だか、しっくり来ない
ヤマザキマリさんがイラスト描いて褒めちぎっていた中年ニートのどこか足りない主人公に魅力を感じないし、詩人もいけ好かなくて、佇まいも何だかなぁ…どこか生々しい。詩人の奥さんが脇で無駄に色っぽくて、片田舎の閉鎖的な生活なのに、バカンスで遊びに来たようにしか描かれないのはイタリア映画だからか?
主人公が唐突に一目惚れする居酒屋の女性も無駄に色っぽくて美しすぎる。主人公のような朴訥な中年ニートに言い寄られて喜ぶタイプにはとても見えない。あれだけ美しいなら、さっさと都会へ行っている。居酒屋の女将があんな男は駄目!と怒ってたけど、私も深く深く同意する、私だって嫌だ

でも本作の筋立ては好きなので、日本の役者に置き換えてみると、もうちょっとシックリする気がする
詩人は火野正平さんのようなちょっと茶目っ気があって、先の見えない亡命生活に愚痴も言わず、酸いも甘いも噛み分けた男性
詩人の妻は…風吹ジュンさんのような可愛げがあるけど、夫の政治的亡命に従うこともいとわない、どこか芯がある女性
主人公は若いピュアな青年に…例えば「海に眠るダイヤモンド」の神木隆之介さん、居酒屋の女性は杉咲花ちゃんとか!(笑)
(話が逸れました)
他の方のレビューにも同じような意見があり、ちょっと安心しました

「ライフ・イズ・ビューティフル」はとても好きだったんだけどなぁ〜。多分イタリア映画は私には合わないんでしょう
お好きな方、申し訳ありません

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オパーリンブルー
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