アルゴ探検隊の大冒険のレビュー・感想・評価
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特撮映画の金字塔
まだCGなんて無かった時代、子供たちが胸ときめかした冒険ファンタジーの怪物たちは特撮の巨匠レイ・ハリーハウゼンさんのストップ・モーション(コマ撮り)によって創りだされていた。本作でも元祖大魔神のような青銅の巨人タロス、蝙蝠人間のハーピー、海の神トリトン、金の羊の皮を衛る7頭竜のヒドラ(ヒドラはロシア語読みではギドラ、そうキングギドラの由来でしょう)、ゾンビならぬ骸骨の戦士たちと楽しませてくれます。骸骨戦士のシーンは4か月もかかったそうです。故ハリーハウゼンさんも本作が代表作とおっしゃっていたそうです。
プロットは当時、冒険ものと言えばギリシャ神話の英雄譚が定番で本作も 紀元前3世紀にアポローニオスによって書かれたアルゴナウティカ(アルゴ号:船名)が元ネタです。下剋上の戦国時代、原作はもっとドロドロだったようですが神話なんてどこの国でも夢物語より現実的ですね、宝物を盗んでヘラクレスがタロスの怒りをかった割には金の羊の皮を強奪するのを勇気ある冒険と解するのは矛盾でしょう。まあ、特撮目当てですからストーリーは二の次にしましょう。
正直、特撮技術の進歩は目覚ましく今観なおすと子供だましかもしれませんが先人たちの特撮に掛けた情熱は間違いなく伝わってきます。
The man with one sandal. 何!「俺戦エンド」だと!?
内容よりも出演よりも監督よりもレイ・ハリーハウゼンの特撮で有名な「アルゴ探検隊の大冒険」。確かに予想以上に良く動いてました。これ観た当時の人はビックリだったろうなぁ。
時代も時代だし、もっとカクカクしてるかと思ってたのですが、青銅の巨人にしろ、ガイコツ兵士にしろしっかり動いているんですよね。流石レイ・ハリーハウゼン。巨匠と言われるだけはありますわ。
今ではCGがあるのでどれだけでもリアルにできるのですが、ストップモーションって独特の味があります。こういう特撮が今のCGでの映画作りに繋がっているんだなぁっと思うと感慨深い物があります。
たまにCGを嫌う人がいますが、ストップモーションにしろ、CGにしろ、物語を表現する道具でしかない訳なんですよね。人間が物語を好きなのは大昔のギリシャ神話を作ってた時代も、今も変わらない要素ですし、その表現方法が変わっていくだけで。いつの時代も大事なのは人間の想像力で、頭の中にイメージをしっかり持ってて、それをストップモーションで現した技術は単純にスゴいと思います。
今のCGもスゴいですけど、例えばVR映画の時代が来ればそれも古いものになるでしょうし、これから今の自分の頭では思い付かないぐらいの映像表現もできるかもしれない。そんな連綿と続いて行く表現の進化の中で、ストップモーションという1つの時代の代表となる作品でした。
ただ「俺達の戦いはこれからだエンド」はいただけなかったです!
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