アリスの恋のレビュー・感想・評価
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【”母は何だかんだ言って、強し。そして、女性の自立。”不愛想な夫に死なれた母子の、ヒューマンロードムービー。その後の大スター達がビックリ役で出演しています。】
ー マーティン・スコセッシ監督の超初期映画である。そして、後年のエレン・バースティンしか知らない私には、とても新鮮だった作品である。-
■幼い頃歌手になる事を夢見ていた、今は平凡な主婦のアリス(エレン・バースティン)。
不愛想で会話もなくなっていた夫ドナルドの事故死をきっかけに、幼い頃からの夢だった歌手になろうと、12歳の生意気盛りの息子トムを連れて故郷モンテレーに帰ることにする。道中、旅費を稼ぐためにウェイトレスとして働き始めたアリスは、客の農場主デイヴィッドと恋に落ちる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・序盤までは、アリスの男運の余りの悪さに、可哀想になりながら観賞。不愛想な夫は序盤で事故死。途中、バーで歌手として歌っていた時に近づいてきてベッドを共にしたベン(ナント、ハーヴェイ・カイテル)は、妻のいる超DV男で、慌てて逃げ出す始末である。
・その後、寄った町でウエイトレスで生計を立てるが、店の他のウエイトレスとは上手く行かないし・・。
けれども、店の常連のデヴィッド(クリス・クリストファーソン)とは親密になるが、トムと彼の家に行くと些細な事でトムはデヴィッドと喧嘩するし・・。
・けれども、仲の悪かったウエイトレスとは仲良くなり、愚痴を聞いて貰い、又働き始める。そして、店にやって来たデヴィッドとも、仲直りをし、良い仲に戻るのである。
<ストーリー展開は、シンプルであるがアリスを演じたエレン・バースティンの歌声や、ど根性母っぷりがナカナカな作品。
小さくて、ボーイッシュなジョディ・フォスターも出演しています。
ローラ・ダーンが出演しているようなのだが、誰だか分かりませんでした・・。>
エレン・バースティン、さすがアカデミー賞主演女優賞受賞の演技に拍手...
目指せ、モンタレー!?
アリスの幼少場面、まるで往年のハリウッド黄金期かのような雰囲気とオープニング、画面いっぱいに覆われた赤色から不穏感漂う演出が印象的。
ハーヴェイ・カイテルの登場で流れる「I Will Always Love You」のオリジナルはカントリーでホイットニー・ヒューストンはカバーだった、にしても稀に見る最悪なクソ野郎を演じたハーヴェイ・カイテルに対して最高に優しくて渋味のある男を演じたクリス・クリストファーソンの好感度だけが爆上がり、そして男のコみたいなジョディ・フォスターの不良感!?
店が忙しくて回らない状態で身勝手過ぎる熟女ウェイター二人組にイライラしながら一人でテンパってるウェイターにもイライラする、何を根拠に歌手を目指すのか、アリスには同情や共感すら出来ない、最後まで冷たい視線で息子を含め、これからの人生は親子共々、デヴィッドを労れ、アリスと息子に呆れ果て見限ってしまう自業自得なバッドエンドを撮り直せないか??
アメリカ民主党支持者の本音?
こんな町で黒人が働けて、黒人が家族で卓を囲める様なレストランはない。
カーボーイハットに黒人の家族は似合わない。
また、暗殺されたケネディ兄弟の絵を飾るなんて、センスが異常過ぎる。
(兄の暗殺しか報道されないが、ロバート・ケネディの事件もかなりショッキングな事件だった。何故この事件は余り報道されないのか?)
それは兎も角、
ベトナム戦争が終わった年に公開された様だが、果たしてこの映画は何を言いたいのか?
人物設定も時代設定も状況設定も破綻しきっている。
泣いて良いのか?笑って良いのか?怒って良いのか?こまってしまう。
この映画を見て、何一つ感動出来ない私が異常なのだろうか?
イヤハや、
あの感動一つ出来なかった『名作』と言われる映画が『迷作』だと、私は確信が持てたと感じている。この演出家とこの演出家の周辺の役者は、もう懲り懲りと感じている。
あの『タクシー○ライバ○』もそうだが、我が良き青春時代に、こう言った映画見なくて正解だった。
この年齢になって改めて思う。『名作』と言われる『迷作』が沢山あると。
しかし、
それを見なければ確認出来ない自分が悲しくなる。
あまりにも『迷作』が多すぎて
『PLAN75』まで時間が足りない。
本物の恋に出会うまで、
意外なことにこの映画の監督は、マーティン・スコセッシです。
1975年(アメリカ)
ごく普通のラブストーリー、ごく平凡な女性が主人公です。
主役のアリスはエレン・バースティン。
夫を事故で亡くして、途方に暮れたアリスは、自分の夢(故郷のモントレーで歌手になる)
モントレーを目指して、オンボロ車一台にボストンバッグ1つで向かうのでした。
途中で仕事を探して移動して、また仕事を探す。
生意気な一人息子のトミー。
息子ってまだオチビ(11歳位かな?)でも、母親にとっては、話し相手だし、コンパスなんだなぁ。
彼なしでは前へ進めない。
この映画は未亡人の苦労はなしですけれど、アリスがウェートレスをしてる店の常連客の
デヴィッド(クリス・クリストファーソン)が本当に素敵でした。
妻子に逃げられた牧場主の役なんだけど、こんなセクシーな男に想いを寄せられて、
好きにならない女性がいるでしょうか?
クリス・クリストファーソン。
有名なカントリー歌手で、有名な俳優です。
「スター誕生」の何回目かのリメイクで、バーブラ・ストライサンドの相手役の、
飲んだくれのロック歌手役でした。
この映画を観たとき、なんて素敵な男性なのかと思いました。
レディ・ガガの相手役のブラッドリー・クーパーに匹敵する男性でした。
この映画でも、アリスに勿体ないくらいセクシーでしたね。
彼がギターを弾きながら、ほんの数フレーズを歌います。
お金を取れる声、雰囲気、声のチカラ!
聞き惚れます。
対してアリスの歌。
(エレン・バースティン、下手、お金を稼ぐ声じゃない。)
トミーのギター教室の友達に、まだ12、3歳のジョディ・フォスターが出演してます。
最初の町で言い寄ってくる青年にハーベイ・カイテルが出てます。
好青年かと思っていたら、お約束のキレっぷり。
スコセッシ監督作品の常連、ちゃんと役割りを果たしてくれます。
(監督も出演してるとありましたが、分りませんでした)
町一番のダイナーの活気と美味しそうなメニュー。
ウェートレス仲間の人間模様。
アメリカっぽい映画で面白かったです。
標準演技指導要領
これが恋?
若い頃は歌手を夢見ていたという平凡な主婦アリス、事故で夫を亡くし難しい年頃の息子をかかえて故郷へ向かうことに・・、醒めきっていた夫婦関係からか夫への未練は感じられない、困ったことに男運が悪いのに男好き、世間はそう甘くはないと気づくのだが考える暇もなく流されてゆく。昔観たときは若い牧場主に求愛されハッピーエンドと喜んでいた、歳をとると不純になるものでアリスのこれまでの男運の悪さを考えると彼の愛が本物かどうかはセリフだけでは俄かに信じ難い。
大音量のロック、下品なジョーク、万引き、飲酒と子供にヒール役をやらせるのは何故だろう。
既成概念、綺麗ごとを嫌うスコセッシ流の演出は当時はインパクトがあったのだろうが今ではそれが当たり前の残念なニュースばかり、生活臭や獣臭が強く映画にしてまで観るのは正直辛い。
女性の自立と成長へのエール
流石はスコセッシ監督と言わざるを得ない
すべての設定や登場人物のリアルさは半端でない
主演のエレン・バースティンの演技は正にオスカーを獲るのは当然と思える出来
特に不倫DV男の怒鳴り込みでのパニックの様子は迫真さはものすごい
クリス・クリストファーソンの演技も光った
うざい子供役も素晴らしい
物語は家庭の中で孤立して暮らす主婦が、夫の事故死で強制的ながら自立を目指すと言う物語
35歳、小学生の男の子の母
それしか肩書きがない女性が、元歌手に立ち返ろうと自立を目指すロードムビー
顔はブスではないが美女とはとても言えない
スタイルはデブではないが中年らしくだらしなく肉がつきかけている
元歌手といえど、下手ではないが聞き惚れるレベルではとてもない
何もかもその程度、考えも甘いし、子供にもなめられている
そんな女性がもがき苦しみながら、自立に向かって前進する物語
彼女が成長したからこそ、デヴィッドも彼女に関心を寄せ求めたのだ
昔のままのアリスなら彼は関心を持たなかったろう
終盤のカフェでの二人の言い争うシーンは素晴らしい
デヴィッドの思いもつかない発言には息を飲む
私は歌手なの!と胸を叩いて主張するアリスになったからこそ、彼はあの決定的な言葉を口にしたのだ
目を見張るシーンだ
そして拍手のシーンとなる
このカタルシスの作り方は本当に見事だ
21世紀の現代ではシングルマザーが当たり前の世の中になっている
それでも本作は女性の自立と成長へのエールとして価値を失うどころか増しているのではないだろうか
エレン・バースティンが素敵です。スコセッシ監督の音楽センスの良さ...
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