アメリカン・ジゴロ

劇場公開日:

解説

若い肉体と洗練されたマナーを武器に上流階級の女たちを相手にする“ジゴロ”。そのジゴロを職業とする青年の華やかさの裏にひそむ満たされない心を描く。製作総指揮はフレディ・フィールズ、製作はジェリー・ブラックハイマー、監督・脚本は「ローリング・サンダー」等の脚本を手がけたポール・シュレイダー、撮影はジョン・べイリー、音楽はジョルジオ・モロダー、編集はリチャード・ハルシー、美術はエドワード・リチャードソン、主題歌はブロンディが各々担当。出演はリチャード・ギア、ローレン・ハットン、へクター・エリゾンド、ニーナ・ヴァン・パラント、ビル・デューク、ブライアン・デイヴィス、K・キャランなど。

1980年製作/アメリカ
原題または英題:American Gigolo
配給:パラマウント映画=CIC
劇場公開日:1980年10月25日

ストーリー

完璧な身のこなしと不思議なムードをもつジュリアン(リチャード・ギア)は、上流階級の婦人たちを相手にする売れっ子ジゴロだ。今日も、彼は黒塗りのベンツに乗って女主人アン(ニーナ・ヴァン・パラント)に会いに行った。彼女はトリノ生まれで身よりのないジュリアンを教育し、一流のジゴロへと育てたのだ。しかし、アンから依頼される仕事は、時として嫌悪をもよおすものがあり、自分の自由に商売ができるようになりたいと常々思っていた。ある日、仲間のリオン(ビル・デューク)からピンチヒッターの依頼を受ける。趣味の悪いSMやホモ中心に稼ぐ彼をジュリアンは嫌っていたが、金の条件が良いのでOKした。アンから受けた仕事を終えた夜、ジュリアンは、ビヴァリー・ヒルズの高級ホテルのバーで、ミシェル(ローレン・ハットン)という美しい女性と会った。彼女は、上院議員ストラットン(ブライアン・デイヴィス)の妻で、外遊で多忙な夫とは醒めた夫婦生活を送っており、欲求のはけ口を求めてバーに来ていたのだった。ジュリアンは、他の女性たちとはどこか違う彼女の魅力に惹かれる自分を感じたが、近づく気にならず、席を立った。翌日、リオンからの依頼でパーム・スプリングに向かったジュリアンは、レイマン(トム・スチュアート)という男の妻で異常性欲者を相手にした。ジュリアンは、以後リオンからの仕事はことわった。自分のアパートに戻ったジュリアンは意外にもミシェルの訪問を受け、彼女を抱いた。数日後、ジュリアンが相手をしたレイマンの妻が殺されるという事件が起きる。彼にはアリバイがあったが、いっしょにいた女性がスキャンダルを恐れ、事実を否認したため、彼の立場は危うくなる。ジュリアンは自ら犯人捜しを始めるが、その結果、事件の黒幕がリオンであることをつきとめた。ジュリアンに拒まれた仕事を金髪の青年にやらせたところ、あやまってその青年が彼女を殺してしまったのだ。日ごろ稼ぎの面で劣等感をもっていたリオンは、その罪をジュリアンになすりつけようと細工したのだ。リオンを責めるジュリアン。そしてベランダに立っていたリオンは、あやまって足をふみはずしベランダから墜落死してしまう。ジュリアンは逮捕された。リオンが死んだ件は事故としてかたづけられるが、レイマン夫人の件は、まだ彼が犯人とされていたのだ。数日後、この事件に新たな展開が見られる。ミシェルが、彼といっしょだったと偽証したのだ。彼女は自分の地位も名誉も捨てて、ジュリアンとの愛に全てを賭けたのであった。そして、面会に来た彼女を、ジュリアンは愛をこめて見つめるのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第38回 ゴールデングローブ賞(1981年)

ノミネート

最優秀作曲賞 ジョルジオ・モロダー
最優秀主題歌賞
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写真:Album/アフロ

映画レビュー

2.0リチャード・ギアの尻上げ歩き。

2024年4月20日
iPhoneアプリから投稿

鑑賞映画3千本記念。

今更DVD初見。
ジャケパンキメて変に尻を上げて歩く美男Rギア。
見ているこっちが気恥ずかしい。代表作か。
濡れ場然り、そのナウさ故に
時代を越えられなかった平均作。
タクドラ脚本のPシュレイダー監督作、
修行の為に観る類い。

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きねまっきい

2.5ブレッソンの名作「スリ」をなぞったシュレイダー監督のアメリカ版

2022年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

洗練されたマナーと超一流のファッションに鍛え抜かれた肉体を飾る男は、上流階級の婦人との関係で報酬を得る男娼である。その為に5ヵ国語の会話力と知性を身に付けている。こんな職業の男性がロサンゼルスに多くいるのかどうかは別にして、この題材をアメリカ映画で制作したことが興味深い。イギリス出身のジョン・スレシンジャーがアカデミー賞を受けた「真夜中のカーボーイ」のジョン・ヴォイトが演じたカウボーイ・ジョーとは雲泥の差である。「タクシードライバー」の脚本で一躍脚光を浴びたポール・シュレイダー監督は、一匹狼的な男のエネルギー発散を描くのが好きなようで、この映画も誰一人理解者を持たない孤立した主人公の足掻きを後半の主題にしている。これはフランスのロベール・ブレッソンの「スリ」にとても似ている。特に、窮地に追い込まれた主人公を救うのが彼を理解し愛する一人の女性であり、これが物語の帰結になるところなどそっくりだ。孤独な男を救えるのは、ひとりの女性である。このシンプルな物語を、今の華やかで豊かな生活を送るアメリカの都会を舞台に描きたかったのだろう。
「スリ」の主人公の部屋が虚無的に殺風景であったのに対して、ジゴロ・ジュリアン(フランス風の名前だ)が定宿とするホテルの自室は、高級マンションの一室といった豪華さである。前者は、違法行為の技術を磨くことで生き甲斐を感じている無神論者であるが、ジュリアンも肉体を鍛え維持し、女性に奉仕することに生き甲斐を感じている。この違いを比較しながら観ている分には楽しめたが、シュレイダーの演出に傑出したものが無く、作為だけが目立った。奇抜な設定でも、ファッションやライフスタイルを贅沢にみせる映画らしさがあり、音楽も感覚的にいいけれど、肝心のドラマが弱い。主演のリチャード・ギアとローレン・ハットンも特に悪くはないのにと、残念な気持ちになってしまった。

  1980年 10月29日  ニュー東宝シネマ1

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Gustav

4.0アルマーニが主役 ポール・シュレイダー

2019年12月12日
Androidアプリから投稿

上昇志向の強いジゴロのジュリアン
それが同業者の連中には面白くない
彼等の生き方を否定しているように感じるし
嫉妬もあるし…
ゲイをやめたのも、更に憎まれる一因に

妻を寝取られ エスタブリッシュメントの夫達も面子を潰される
(妻がそれを選択しているのだが)

この2つのグループにとって
彼は〈いけすかない奴〉

この辺りが人間関係の難しいところで、彼等は裏で繋がっていたりする

彼を理解するのは 彼を買う女達…
ここに彼の突破口があった

ミシェル(ハットン)、アン(パラント)の衣装もマニッシュなものも多く、80年代に入り 自分の頭で考える(男の選択も)、自立を試みる、女性達が増え始めたことを示している
(だから刑事も彼にアドバイスを求めたりする)

私は女性なので ハットンの着こなしに注目していましたが、やはりこの映画は
〈 ギア × アルマーニ 〉に尽きました
ジュリアン(ギア)が 楽しげに洋服のスタイリングをしてる処は 羨ましいです

メルセデスベンツの450SLも かっこいい

でも これで時代を到来させた「アルマーニが主役」と、監督は言ってますね

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jarinkochie

3.0冒頭(大概テーマソング入り)が一番良い映画のひとつ

2019年12月8日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

いかにも(1980年代初頭の)現代風俗をとらえているよで。結局のところよくあるメロドラマですがな。冒頭に流れる“コール・ミー”ほどcatchyにあらず。

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もーさん