暗殺の森

劇場公開日:

暗殺の森

解説・あらすじ

「ラストタンゴ・イン・パリ」「ラストエンペラー」で世界的に知られるベルナルド・ベルトルッチ監督が1970年に手がけた作品で、アルベルト・モラビアの「孤独な青年」を原作に、過去の罪に捕われファシストにならざるを得なかった男の悲哀を描いた。幼い頃、自分を犯そうとした男を射殺してしまったマルチェッロは、いまだに罪の意識が消えずにいた。ある日、彼に反ファシズムのクアドリ教授暗殺の命が下る。好奇の目にさらされながらも優雅に踊る女同士のダンスシーン、雪の降り積もった森での暗殺シーンなどベルトルッチと名匠ビットリオ・ストラーロのコンビが描く映像美も見どころ。日本では72年に劇場公開されており、ベルトルッチ作品の日本における初劇場公開作となった。2015年、デジタルリマスター版でリバイバル公開。

1970年製作/110分/イタリア・フランス・西ドイツ合作
原題または英題:Il conformista
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2015年10月31日

その他の公開日:1972年9月2日(日本初公開)、1996年12月21日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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映画レビュー

3.5動乱の時代に求める「普通の人生」。

2024年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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すっかん

2.5圧倒的な映像美とは対照的な人間の醜さ

2025年2月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

寝られる

監督・脚本ベルナルド・ベルトルッチによるアラベルト・モラヴィア原作『孤独な青年』の映像化。第二次世界大戦前夜のイタリア。哲学講師マルチェッロは、13歳の時のトラウマから、“普通になりたい”と願い、盲目の友人イタロの仲介でファシスト組織に加わり、秘密警察として働く事になった。やがて、マルチェッロは任務を通じて自らの優柔不断さに苦悩していく。

イタリアやフランスのパリの街並み、暗殺計画の舞台となる森に至るまで、全編に渡って映像が美しい。荘厳な音楽も相まって、まるで絶えず絵画を眺めているかのよう。
しかし、作品を通して描かれるのは、1人の男の矮小さと卑怯さ。愛する者の命の危機を前にしても、殺すことも救けることも出来ない優柔不断さと、ファシストの崩壊により全てを失ってしまう悲惨な末路だ。それを描く過程に特段のドラマ性や悲劇性が感じられず、退屈に感じてしまった。

マルチェッロを誘惑するアンナとの熱愛も、過去に娼婦として働いていた彼女を互いが覚えていたという接点こそあれ、お互い既婚者(しかも、マルチェッロは新婚旅行の最中)でありながら、それでもリスクを冒して激しく惹かれ合うだけの説得力は無いように感じられた。

印象的なのは、マルチェッロの護衛兼監視役のマンガニエッロが暗殺の行われた森で口にした台詞だ。
「どんな仕事もするが、卑怯者の相手は御免だ。卑怯者と同性愛者とユダヤは、まとめて銃殺してやりたい」
凄い台詞だが、これまで母親の情夫を自分に始末させ、任務に怖気付き、車の窓一枚挟んだ先で怯え助けを求めるアンナを傍観する事しか出来なかった卑怯で優柔不断なマルチェッロを見てきた彼ならではの台詞だ。

ラスト、街で偶然にも殺したと思い込んでいた自身のトラウマの元となった同性愛者のパスクアリーノに出会い、混乱から彼に自らが犯してきた罪を着せようと大声を上げる様子。唯一の友人であったイタロを雑踏の中置き去りにする様子は、普通になりたいと願いながら、遂には何者にもなれず、1人社会に取り残された弱い人間の姿だ。

圧倒的な映像美とは対照的に、どこまでも醜く描かれる人間の弱さ。マルチェッロのようにはなりたくないと願わずにはいられない。

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緋里阿 純

2.5映像と雰囲気は洒落ている

2024年7月11日
PCから投稿

時折、意表をつく映像がパッと入ってきてその点は洒落ていていいと思った。 しかし ストーリーがあまりにも退屈すぎる。 退屈な ストーリーを演出するのが この映画の持ち味でいいところだとも思うが。主人公が自分を見失っているというか 自分の 迷子になってるという雰囲気にイタリア語のイントネーションがとても合ってると思うし。しかし、これだけ 退屈だとさすがにモたない。 ストーリーが程よく退屈ならばよかったのである。ある意味 さじ加減の非常に難しい演出法であり、 そのさじ加減を監督は間違えたと思った。もうちょっとだけ面白いところを狙って欲しかった。

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タンバラライ

2.5古い、ただそれだけ。 込められるモノが時代を超えて何もない残念な映画。

2024年3月13日
PCから投稿

古い、ただそれだけ。
込められるモノが時代を超えて何もない残念な映画。

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mucya