ア・フュー・グッドメンのレビュー・感想・評価
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尋問のシーンが最高
公開当初、高校生くらいだったから、観てトムクルーズかっこいい〜って思ったことくらいしか記憶に無く。再視聴。
キャフィとジェセップの対決シーンは見もの。
軍の法廷という特殊な舞台でのやり取りが面白い。
迫真の演技で巻き戻して何度か観てしまった。
キャフィが最後の尋問前に水を飲んで手が震えている所からの、ジェセップに犯行を自白させるまでがすごい。キャフィの絶対に成功させるという気迫と緊張感の中、上手く相手を逆上させて自白させる流れにはちょっと鳥肌モノだった。
2人の演技が最高。
最後の、ドーソンの「我々は弱い者ののために戦わねばならない。彼のために戦うべきだった。」というシーンで終わる点もとても良かった。
序盤のキャフィと、最後に敬礼した時のキャフィでは顔つきが全然別人のように見えるのにもグッと来た。トムクルーズが演じる成長物語けっこう好き。
つか、初めての法廷でこの出来って天才としか思えない。
変に恋愛要素も無くて良かった。
駆け引きがいい
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何らかの秘密を握った下級軍人が大尉たちに殺される。
これにより裁判が行われることになり、弁護士トム・クルーズが登場。
大尉達は大佐の命令を忠実に実行したのだと証言する。
偽って罪を認めれば半年くらいの刑で済む公算が高かったが、
一本気な彼らはそれに応じない。あくまで命令を実行しただけと言う。
以後は法廷でのシーンが多くなる。
トムの涼やかな弁論と天才的な駆け引きによって、
証人喚問された大佐自らの口から、それが命令であったとの証言を引き出す。
大尉たちは無罪。しかし軍はクビになった。
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駆け引きがおもしろい。デミ・ムーアは別にいらない気もするけど。
大佐は自分が指示したことを認めた際に逆上して言う。
「誰のおかげでお前らはゆっくり寝られるんだ、我々ではないか」
人道的には間違いでも、組織を守るには必要な命令ではある。
日本の官僚や政治家みたいな私利私欲・保身のための命令ではない。
軍全体を守るべき上層部にとっての正義と、一般人の正義とでは異なる。
大佐は彼なりの正義を全うしている。これを一言で悪と言うことはできない。
命令したことを認めなかったのも、自分が抜ければ軍にとって痛手だからである。
一方、大尉の方は正義を行いたいと思って軍に入っており、
常に忠実に命令に従い、今回のことでも嘘をつくことを拒んだ。
それが原因となり、軍をクビになる。正義などあったものではない。
しかし彼は言う、「(被害者)を助けることが正義だったんだ」
去り行く彼にトムが声をかける、「正義を行うのに軍服はいらないさ」
なかなかにシビれるやり取りである。
若手弁護士キャフィーに天晴
冒頭から二人の被告人を弁護するべく奮闘していく中で、最大の証人であるキーマンの自殺など暗礁に乗り上げる場面もあったが、物語の佳境でジャック・ニコルソンから、コードRの命令元が自分であったと言わせたトム・クルーズの法定での攻めが観ていてスゴく気持ちが良かった。
トム・クルーズ:鈴置洋孝
トム・クルーズは遊び人風エリートがよく似合う。見せ場はクライマックスのジャック・ニコルソンとの対決シーン。法廷ドラマのベスト10に入る面白さ。
上官命令に従ったのに軍法会議では敗訴して除隊。単純に考えると凄く理不尽。だからこそトム・クルーズの最後の台詞「制服だけが名誉じゃない。」が生きてくる。米軍では何が正義なのか・・・。ジャック・ニコルソンが逮捕されたのが唯一の救いか。
海外ドラマ24を見たあとなら分かるが海兵隊の誇りは忠誠心。忠誠を誓うは上官殿ではなくアメリカ合衆国大統領。上官殿はあくまでも直属の上司にすぎない。間違っていれば審判を下すのはアメリカ合衆国大統領(厳密には軍法会議)。現場の間違った忠誠心は大日本帝国陸海軍を参考にしたのかな。
「You have to ask me nicely」
ものすごい迫力でしたね~、ジャック・ニコルソン怖かった(笑) 「もっと丁寧に頼め!」や「我々が守ってやってるんだ、それが気に入らなきゃお前らが最前線に立て!」って感じのことを言うシーンすごかった! ジェセップ大佐・・・ジャック・ニコルソンのおかげで数々の映画の登場人物の中でかなり好きなキャラクターです(笑)
必要悪を裁く・・
映画の基になった事件はグアンタナモ湾の米国海軍基地で1986年に起こった事件で海兵隊員のウィリーは10人の仲間たちから拘束、暴行され丸刈りにされました、肺からの出血で重症となりましたが命は助かったそうです、指揮官のアダム大佐はノースカロライナ州の軍法会議で起訴されましたが有罪にはなっていません。指揮権の濫用を重く見た海軍上層部は大将3名を基地に派遣し隊員たちに粛清を訓示したようです。原作・脚本のアーロン・ソーキンは海軍の裁判官擁護軍団に勤務していた姉のデボラから事件の話を聴いて触発され創作しました。
国防総省は撮影協力を拒んでいます、触れられたくない事案だったのでしょう。
そもそも軍事行為は有事と平時では真逆なダブルスタンダードです。殺すのは行き過ぎですが焼きを入れる程度の上官の暴行は必要悪とされ、古今東西、軍隊では日常茶飯事だったでしょう。
だからこそ、映画にまでして問題提起した製作陣こそ少数派、まさにFew Good Men。
メッセージ性を別にすれば法廷ものとしては凡庸です、見どころはハーバード・ロースクール出の青二才(トム・クルーズ)やパワハラの権化(ジャック・ニコルソン)を適役が見事に演じていることくらいでしょうか、地味ですが裁判長役のJAプレストンが光ってました。
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