アパッチ砦

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解説

「荒野の決闘」のジョン・フォードがメリアン・C・クーパーと創立したアーゴシー・プロの第2回作品(1948)で、自ら製作・監督に当たった。ジェームズ・ワーナー・ベラの原作を「レッド・リヴァ」のフランク・S・ニュージェントが脚色、西部劇を得意とするアーチー・スタウトが撮影、「駅馬車(1939)」「果てなき航路」のリチャード・ヘイゲマンが音楽を担当した。主演は「炎の街」のジョン・ウェイン、「荒野の決闘」のヘンリー・フォンダ、「独身者と女学生」のシャーリー・テンプル、新人ジョン・エイガーで、その他「真珠」のペドロ・アルメンダリス、「果てなき航路」のウォード・ボンド、「男の敵」のヴィクター・マクラグレン、「ケンタッキー魂」のジャック・ペニック等、フォード作品常連や、アイリーン・リッチ、アンナ・リー、ディック・フォーラン、ガイ・キッビー等が助演している。

1948年製作/アメリカ
原題:Fort Apache
配給:セントラル

ストーリー

南北戦争で指揮官として失策したサースデイ将軍(ヘンリー・フォンダ)は大佐に階級を下げられ、インディアンとの紛争の絶えなかったフォート・アパッチの守備隊の司令官に任命された。彼は娘のフィラデルフィア(シャーリー・テンプル)を伴い赴任する。サースデイ大佐は無骨一点ばりの人間で、フォート・アパッチ守備隊に古くからいるヨーク大尉(ジョン・ウェイン)や、コリングウッド大尉とも、しばしば意見を衝突させた。大佐はこの地方の脅威アパッチ族を平定して武名をあげ、1日も早く将軍に復位することを夢見ていた。だからインディアンの情勢に詳しいヨーク大尉の計画に反対し、兵隊に毎日激しい訓練を課すのだった。部隊の古参軍曹の伜であるオルーク中尉(ジョン・エイガー)は若く凛々しかったので、いつしかフィラデルフィアと愛し合うようになっていた。サースデイ大佐は互いの家柄がちがいすぎると娘に警告を与えるが、オルーク軍曹夫人(アイリーン・リッチ)の努力により大佐の心も解け、2人の結婚式が賑やかに行なわれた。コリングウッド大尉はインディアンと講和を提案するが、折から軍事物資輸送の駅馬車がインディアンに襲撃されたため、大佐は一挙にアパッチ族の本拠を殲滅するべく出動を命じる。インディアンの戦法を知るヨーク大尉の計画を無視して、大佐は操典どおりの作戦計画を立てるが、反対に部隊はインディアンの包陣攻撃を受ける。サースデイ大佐をはじめ古強者は相ついで戦死を遂げ、ヨーク大尉はいったん後退を命ずるほかなかった。ヨーク大尉はサースデイ大佐の勇戦を上司に報告し、再び整備された部隊を率い、大佐の葬い合戦にのぼるのだった。

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映画レビュー

2.0フォード監督はネイティブアメリカンを勧善懲悪の相手として描くばかりではなかった

2021年4月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

何故この映画を観たか、実は以前、
私が「捜索者」について、フォード監督は、
「シャイアン」までは“ネイティブアメリカンを
勧善懲悪の相手として描き続けた映画人生”と
投稿したところ、ある方から、
“フォード監督は、
視野の広い価値観を持つ人道主義者
…ネイティブアメリカンを援助するために
映画制作をしていた”と教えて頂き、
また、未見だった「アパッチ砦」の
英雄像への寛容性の言及もあり、
今回の鑑賞になった次第でした。

話は、無能で好戦的な司令官と、
それを諫める副官との葛藤が中心の
ありがちな展開で、ラストに象徴的な
帽子の継承シーンはあるものの、
若者の恋愛や下士官等の周辺要素に
時間が割かれ過ぎ、また
見事な騎馬・幌馬車の疾走シーンの
多用にも係わらず、
肝心の主人公二人の人間描写が弱いため、
メインテーマへのまとまりに欠け、
ラストシーンにつながる緊迫感の高まりも
感じなかった。
果たして作品の出来としてはどうだろうか。

さて、フォード監督の映画姿勢だが、
この作品では、
入植者のネイティブアメリカンに対する
理不尽な対応や、
他の作品とは双方が真逆に見える等、
他のフォード映画には無い描写もあり、
彼が、決して一方的にネイティブアメリカン
を勧善懲悪の対象としていた訳ではない
ことを、他の方のアドバイスで知ることが
出来た。

私は“映画.com”で投稿の皆さんの
レビューを拝見させていただく時、
単に共感の時だけでは無く、
知らなかった情報を頂いた時や、
自分とは異なる発想での解釈があることを
教えて頂いた際も
“♥共感”クリックさせていただいています。

何かと見識の広がる場として、
この“映画.com”に感謝すると共に、
今後ともこの場を大切にしていきたいと
考えております。

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KENZO一級建築士事務所

4.0正にブラックホークダウンの源流はここにあります

あき240さん
2019年6月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

本作は黄色いリボン、リオ・グランデの砦と1年ごとに製作された騎兵隊三部作の最初の作品です
流石はジョン・フォード監督でいちいち小ネタを挟んで来るので全く飽きさせません

ジョン・ウェインは31歳で若さを感じます
珍しいことに中間管理職の役柄です
それで、やってられねーよの雰囲気が強調される仕組みなわけです
ヘンリー・フォンダは左遷されてくるダメ指揮官役で、実力を伴わない尊大なプライドの塊を見事に演じてくれます
取り巻く下士官や兵隊達もなかなかに芸達者ばかり
その指揮官の娘役のシャーリー・テンプルがとても可愛いく空気を和ませてくれる良い演技力を示します

撮影も良く、雄大なモニュメントバレー、素晴らしい雲と大空の広がりを捉えています
1948年の作品ですから白黒は当然、画面も4:3の画面です
しかし画角がとても広く感じられる のです
構図の作り方、構成力が見事な技量を示しています
特に終盤の決戦のシーンの見事さは筆舌に尽くし難いものです
指揮官とラッパ手が騎乗する馬が二頭横に並ぶシーン、そして横隊の全貌を捉え、ヨーク大尉を見上げるカメラと続き、前進の号令がかかり進みだす騎兵隊の一連のシーンは西部劇屈指の映像だと思い出ます

指揮官の無謀な作戦で壊滅する米軍、襲撃する圧倒的な人数の現地の民兵
それは120年後のソマリアと同じ構図です
正にブラックホークダウンの源流はここにあります

そしてエピローグ
恐らく2年後のアパッチ砦に新聞記者達が取材に来ているシーンです
後任の指揮官に昇格したヨークは記者達に、戦死したサースデイ中佐を立派な人だと称え連隊の名誉を守ります

そして指揮官以外の兵士達も忘れされるのではなく永遠に生きている、連隊と共に生き続けると語ります

月給13ドル、食料は豆と草、馬の肉も食わねばならぬ
酒を奪い合うくせに、水筒の最後の一滴は分け合う
時が流れようと大事な心はそこにある
彼らの軍人としての魂は引き継がれていく、と

そのメッセージはブラックホークダウンでラストに生き残った二人の兵士が語るメッセージと同じものです

そして指揮官の娘を妻としたオルーク少尉との間に生まれた幼児を抱き上げるのです

若い世代の安全を守り、未来を作り上げる為に連隊は存在しこれからも永遠に働き続けるのだというメッセージを持って終わるのです

それをジョン・ウェインが語り、名付け親になっている子供を抱き上げるからこそ説得力があるわけです

連隊を否定すれば、若い世代もその子供達の未来も、なにもかも無に帰る外ないのです
だからラストシーンはジョン・ウェインが先頭に立って進む騎兵隊のシーンで終わるのです

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あき240

3.5この雲を見ろ!

2014年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

幸せ

騎兵隊3部作の第1作目。ここで映し出される雲を見て欲しいと思います。この美しさと、それを背景として展開される人間の愚かさ、このコントラストが何とも胸を打ちます。そしてそんな愚かな人間であっても、それが死地へと向かう間際には、何とも神々しくもなるんです。そしてここまで含みこんでこその、フォードなんだと改めて感じました。単純な勧善懲悪ではない大きな眼差しをいつもフォードには感じます。

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チャーリー

4.0人の話を聞かず思いつきで行動するトップは、昔なら命取りだった

2011年9月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

知的

自分が生まれた翌年の作品である。当然、リバイバルも含めスクリーンでは観ていない。

1876年のカーター中佐率いる第七騎兵隊の全滅がモデルで、大筋は次のようになる。
○功名を焦り現場の意見を聞かない新任上司
○新任上司の娘と部下の息子が恋に落ちるが認められない
○新任上司と衝突して解任された主人公が戻ってくる
こうしてみると、ストーリーのポイントが同じような映画が現在まで何本もあった。
この「アパッチ砦」では功を焦る愚かな司令官の無謀な作戦によって、軍の壊滅という取り返しのつかない事態を招く。
失策は己の命ばかりか、何十、何百という部下の命を無駄にする。下の者から「もう、やめましょう」とは言えない時代だ。そういう時代があったことを肝に銘じた上で、今の平和をありがたく思う。

信望を得ることの難しさ、撤退する勇気の大切さをテーマにした今作、このあと作られた「黄色いリボン」「リオ・グランデの砦」に比べ、遊びが少なくシリアスな作りになっている。
主役のジョン・ウェインの役どころが、上官に押さえつけられる小隊長という立場で、指揮官を演じたほかの2本と設定が大きく異なる。

西部劇としての見せ場は騎兵隊の幌馬車がアパッチの襲撃から逃れるシーン。
疾走する幌馬車の幌が風を巻き込んですっかり剥がれ、丸い骨だけが残った状態になるがまだ逃げる。スピードは限界を超え、蛇行する馬車に転倒するのではないか、あるいは車輪が外れるのではないかとハラハラする。と同時に、特撮無しの実写の迫力に唸らせられる。

ドラマでは新任のサースデイ中佐の娘フィラデルフィアと、マイケル・オローク中尉の恋の行方が気になるところ。シャーリー・テンプルが小っちゃくて利口そうな瞳がくりくりして可愛らしい。
オローク中尉の父、古参のオローク軍曹は息子より階級が下になったものの、やはり息子が気掛かりで何かと画策する親心を見せる。
同じ軍曹のマルケヒー。演じるヴィクター・マクラグレンが騎兵隊3部作すべてで観る者を和ませる大きな存在になる。

モノクロでも大地と雲の美しさを感じる。

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マスター@だんだん
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