悪魔のいけにえのレビュー・感想・評価
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素晴らしい。これは前衛芸術だ。
ホラーというジャンルに興味を持ってからまだ年月が浅いのだが、やはり王道は味わっておかないといけないと思い、鑑賞。
まさに、頭をハンマーで殴りつけられた気分。
広漠としたテキサスを舞台にした理由無き惨劇。
この映画の素晴らしいところは、スプラッターに頼っていない事。
血みどろ、人体欠損表現は確かに見る者を恐怖に陥れるが、この映画はそれに全く依存していない。
にも関わらず、狂気、そして陰惨たるシチュエーションは少しも損なわれておらず、むしろ現実味を帯びて映像から滲み出してくる。
一切のBGMを排しての効果音のみによる演出も恐怖を際立たせている。
このフィルムが美術館に収蔵されたのは、至極当然。
これはアートだ。
万人に受け入れられるはずは無いが、確実に、鑑賞者の心に何かを刻む作品だ。
哲学すら感じるスプラッターアート
狂気の家族達
認めたくないがヒッチコックの奇形の子孫
恐怖映画の革新的作品
それまでの恐怖映画は宗教なり迷信なりを背景とした、幽霊や妖怪を使って死への恐怖を喚起させるものであった
ドラキュラ初め数多くの作品はそのバリエーションだった
しかし、本作はそこを突き抜けている
宗教や迷信からくる死への恐怖という主題から自由になっているのだ
トビー・フーパー監督は恐怖映画に身体的痛みという人類普遍の共通言語を得てホラー映画という全く新しいジャンルを打ち立てた
正に映画史上の革新、金字塔だろう
現にこれ以降、この身体的痛みという言語を使った作品がそれこそ山ほど作られることになったのだ
サリーの恐怖に目を見開くクローズアップ
それはヒッチコックの作品を思い出す
殺人シーンの恐怖を抜き出して純粋培養したのが本作といえる
その意味で認めたくないが、本作はヒッチコックを継ぐものなのだ
いやヒッチコックの奇形の子孫だ
無茶苦茶怖い・・・こんなホラーが70年代に作られていたことにも驚愕。
続編やリメイクを先に観ているので、展開などはさすがに想像がつくももの、突如出現するレザーフェイスの演出や効果音が非常に恐ろしいのです。キュイーン!と大音量で鳴るとビビってしまいますです。
墓荒らしのニュースを聞いて、遺族たちが抗議のためにテキサスの田舎を訪れる。若者たちのうち、車椅子の青年フランクリン(ポール・A・バーテイン)と妹サリー(マリリン・バーンズ)がその遺族。住んだこともあった一軒屋を訪れる前に、不気味なヒッチハイカー(ニール)を拾ったことで惨劇の予兆が始まるのです。その前にもサリーが星座占いで不吉な予言をしてしまうし、ヒッチハイカーが自分の手を切ったり、写真を売りつけようとしたり・・・
アメリカの闇を描くトビー・フーパーという金沢映画祭で上映された。かなり素敵な試み。この後にトークショーもあり、『ショッキング・トゥルース』という悪魔のいけにえに関するドキュメンタリーを併映してくれたおかげで知識も深まった。冒頭のアルマジロとか人を吊るすフックの小ネタとか・・・
何気ない日常を描くためにホラーらしくない青空や太陽をカットインさせたり、炎天下での苦労した撮影秘話のおかげで悪臭が漂ってきそうになるほど気味が悪い映像。また、レザーフェイス一家の謎も解明できない演出の裏にはテキサスの家族という独特の共同体意識も感じられる。低予算ならではの独特映像のおかげで恐怖度倍増いたしました・・・
原点
不快感マックスだがスプラッター描写がほぼ無いのに驚いた
おお〜
タイトルを見誤る(笑)
テキサスほのぼの一家!!
勢いがある映画で、レザーフェイスの登場シーンや爺様の指しゃぶり等で笑えます。殆ど人が来ないだろうに臨戦態勢になっている所も想像すると笑えます。Wikipediaでエド・ゲインの項を読んで更に楽しめました。硫黄島でも米兵は日本兵の遺体を煮込んで骨を持ち帰り、西海岸で雑貨として売ったという事なので、特に異常者でなくても遺体で遊ぶ事ができる人は一定数存在するのだと思います。悪魔か何かを崇拝していたわけではないので、邦題は違うと思いますし、テキサスチェーンソーに直して欲しいです。夕暮れの中くるくる回るラストが美しいです。
レザーフェイスも怖いが…
もちろんレザーフェイスも充分に怖いんですが、何よりも実際に起こりかねないような設定、レザーフェイス一家の現実味が一番怖い。実際にあった事件の様子を実際に目の当たりにしているような感覚。
ただ血が出てきて肉体の破壊を派手に描くスプラッタ映画の枠にはおさまらない。観ていて気持ち悪くなるとしても、それはレザーフェイス達による残虐シーンというよりも彼らの存在そのもの、でもそれがよりこの映画の雰囲気をうまく作り上げている。
オープニングのシーンから最後まで画面からとにかく目が離せない。息がつけない。観終わった後もしばらく放心状態。寝る前にはとても見れない笑。
このシリーズの続編に比べれば、グロテスク度には欠けるかもしれないが、逆に恐怖度はトップクラス。
ホラー映画、スプラッタ映画を観まくってきましだがその中でも1、2に入るお気に入りのスプラッタ。
悪魔のいけにえ
旅行中の若者たちがテキサスの片田舎でふと立ち寄った一軒屋で出会った殺人鬼一家。
実際に起きた事件を基に、
これが商業デビューとなったフーパーが、
アングラ的な中にエキサイティングな演出を見せて観る者を圧倒させる。
実際に起きた事件というのがより恐怖感を出していると思います。
人の顔の皮を被り、
チェーンソーをふりかざすレザーフェイスの造形はインパクトがありました。
低予算ながらも、
全編を通じたショック描写が凄まじい。
本作の素晴らしさは、
観客を怖がらせるためには必ずしも流血シーンや、
残酷描写が必要ではないという事を証明した事だと思います。
突如襲いかかるレザーフェイス、
耳に残るチェーンソーのうなり音などの演出による緊迫感。
本作の魅力はレザーフェイスだけでなく、
彼を養う食人一家の存在も大きいと思います。
後のホラー映画に与えた影響を与えた一本。
嫌悪と恐怖の境界
①80分強という時間もあってか、全体的にテンポ良く事が進んでいく。言い方を変えれば全部突拍子もない。ゆえにその先何が起こるか予測しづらい。不安感やイライラが溜まってくる。
②嫌悪感を煽る要素しかない。登場人物の恐怖の表情とか、クラクションとか、止まない叫び声とか、レザーフェイス一家のキチガイさとか、BGMとか、眼球の血管まで寄せたカットとかだ。
ホラー要素のないシーンですらその調子である。
ジェリーが全然車を止めなかったり、フランクリンがなかなか段差を登れなかったり、他の4人がフランクリンのことを煙たがったり、フランクリンが延々と牛殺しの話をしていたり、とにかくイライラを極限まで引き上げてくる。
この①と②のせいで、終始めちゃくちゃ胸糞悪い気分でしかなかった。この感覚も恐怖なのか。自分でもこれが何なのかよくわからん。
しかし、精神的ダメージは計り知れず、若干トラウマになったぐらいである。背筋が凍るような恐怖ではなく、心臓をえぐり出すような恐怖がこの映画にはあるのかもしれない。
80分という時間で、テンポ良く進めるところとしつこく引き伸ばすところのバランスがすごく良く取れていたと思った。
あとはカメラワークと編集。引きと寄せの対比とか、ワンカットが長い短いの対比とかすごい見るものを翻弄する。
技術的にはたいへんすごい映画なんだろうなと思いつつ、心はもう一度見るのを拒絶している(笑)
やっぱり自分は怖かったのかと今になって気付いた。
これがオールタイム・ベストかぁ
助かったあの娘の将来が心配になるしトラックの運チャンの巻き込まれ具合が可哀想。
最初の三人は自ら殺されに行っちゃってる感じで車椅子のデブはヒッチハイカーと一緒でブーブーうるさくて気持ち悪い。
あんな風に追いかけられたら確かに怖過ぎるしあの風貌がまた怖い。
70年代のザラついた映像に雰囲気が恐怖心を煽るし現代にも存在し得るイカれた家族。
これこそが映画史上の最恐作品。
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