悪魔のいけにえのレビュー・感想・評価
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悪夢
「人生なんて悪い夢を見ているようなものだー」と、若い頃、なにかの本で読んだセリフを今でも覚えている。 当時はキザな言い回しぐらいにしか思っていなかったが、自分が様々な現実に対峙しながら歳をとってくると、いやはや、これは事実なのだと思い改めた。
確かに、現実は悪夢なのだ。
極めて稀な事例ではあるが、例えば、一人で山登りをしているときにヒグマに捕食されてしまうような運命。 一縷の望みにすがろうとも、ヒグマに遠慮や躊躇はない。 断末魔の叫びに反応することもなく、生きたまま足や腹を喰い千切り、食べ続けられる。 受け入れ難い非日常であっても、これが「死」のひとつのあり様であり、人間が直面し得る現実であることは事実なのだ。
我々には、運命を避ける権利も力も無い。
トビ―フーパ―がフィルムに焼き付けたかったのは、まさにそういった現実の一側面なのではないだろうか。 フィクションではあるが、実際の事件を元にしているこの作品には、「死を恐れる人間だけが体験し得る現実の恐怖と絶望」が写し出されている。
恐ろしいシーンなのに、どこか滑稽にも見える。 それは、運命の前で全く無力でしかない人間の姿が、見事に描写されているからだろう。
若い頃に観たときも思ったが、女優の恐怖に叫ぶ演技が尋常ではない。 あれは演技なのか。 一体、どうやって演出したのだろうか。
ホラー映画の頂点に君臨するだけではなく、映画史に残る傑作だと思っている。
奇跡の様な作品
きゃわEィィィィィ!
デッドバイデイライトをプレイ中気になったので鑑賞。
面白かったです。この時代のホラー映画は今の時代のように効果音などで驚かさせるだけでなく、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンといったようで初登場シーンで扉をガラッと開けて登場するのは怖いだけでなく人間らしさもあり愛らしく、見ていて楽しかったです。
そうは言ったものの、もちろん怖いシーンはちゃんと怖い。一言も発さずにチェンソーを振り回しながら追いかけられるシーンなんかは不気味すぎますね。
登場人物もちゃんとホラー映画らしく、ほとんど嫌な奴で構成されているパーティなので死なれても後腐れがありませんのでむしろ死亡シーンをコメディとして見ることもできます。後半のおじいちゃんがハンマーを何度も落としちゃうシーンは笑いました。
70分とかなり短いですがちゃんとケジメもつけておりホラー映画、スプラッタ映画として大変面白い作品でした。是非ご覧ください。
ラスト...エモいよね。
デッドバイデイライト元ネタ
レザーフェイス 笑
レザーフェイス可愛い
殺人鬼の恐怖と異常な家族の不快なダイニング風景が絶妙!
もはやホラー映画の古典となった作品。
もう40年前の映画で、今観るとギャグと思えるような要素もあるが、
まだまだ充分な魅力をもっていると個人的には思う。
本作のストーリーは非常にシンプル。
展開もスピーディだが、置いてけぼりにされることはない。
一つ一つの演出や映像表現によって、うまく世界観に入り込んでしまう魅力があるからだ。
BGMを極力排して、叫び声や動作音だけで映像が進んでいく演出も、功を奏していると言えよう。
また、以前に観たたときはレザーフェイスによる単純な「恐怖」が際立っていたが、
いまになって見ると「異常さ」や「不快さ」も非常に強いと感じた。
特に、ソーヤー家のダイニング風景は不快そのもの。
根源的な不気味さや異常さが表現されているシーンだ。
ダイニングチェアに固定され、悪趣味な家具の数々に囲まれながら、ソーヤー家の食事風景を見させられる主人公の立場だったら、すぐ発狂しているだろう。
単純な恐怖や、何とも言えぬ不快さ、
そしてテキサスの夕焼けをバックとして有名なラストシーンの美しさ。
これらの様々な感情を掻き立てるのが本作。
現代でも魅力をもったホラー映画の古典だと思う。
突拍子もない
見終わったあの余韻
意外にもグロさは低め
ここに来て初めて鑑賞
恐怖と狂気の果てを見た
1970~80年代は後世に残る人気ホラーが続々誕生。
『オーメン』『ゾンビ』『ハロウィン』『13日の金曜日』『死霊のはらわた』『ポルターガイスト』『エルム街の悪夢』…あなたはどれがお好き?
中でも本作は、金字塔に挙げられる。
トビー・フーパー監督による1974年作。
テキサスの田舎に帰郷した若い男女5人が遭遇する惨劇、恐怖、狂気…。
開幕から不穏な雰囲気を漂わせる。
その田舎町で続く墓荒らしのニュース。
脂肪がゼリー状と化した死体。
本編冒頭のハイウェイに横たわるアルマジロの死体…。
5人はヒッチハイカーを乗せる。相手や自分の身体を切り付けるイカレ野郎。
途中、ガソリンスタンドに立ち寄る。バーベキューもやっているという一見親切そうな経営者だが…。
思えば、この時から目を付けられていたと言えよう。
目的地の廃屋。
その少し離れた所に、一軒家。
誰も住んではいないだろう。中は廃屋同然で薄暗く、不気味な蜘蛛が蠢き、動物や人間のものと思える骨が…。
それは突然襲い来る。
殺人鬼、レザーフェイス!
人の皮で作ったマスクを被った大男。
うめき声以外喋らず、そもそも意思の疎通や人の感情などあるのか…?
代名詞とでも言うべきチェーンソーで襲撃。よくジェイソンと間違われるが、チェーンソーで襲い掛かって来るのはこのレザーフェイスである。
そのジェイソンやブギーマンなどマスクを被った殺人鬼の元祖とも言えるだろう。
一人、また一人と殺されていく。
逃げ惑うヒロイン。
チェーンソーの音とヒロインの絶叫で、迫真。
何とかガソリンスタンドに逃げ込み、助けを求めるが…。
ここから衝撃の事実の連続。
レザーフェイスとガソリンスタンドの経営者、さらにはあのヒッチハイカーまでもが家族。
墓荒らしも彼らの仕業。
戦慄の殺人ファミリー。
イカレ、クレイジー、キチ○イ、サイコ…それらに当てはまる言葉を集めてもまだ足りない。
一体彼らは何者…? 凄惨な行為の目的は…?
人の恐ろしさ、おぞましさ、悪しき心、病んだ心の成れの果てなのか、
この殺伐としたテキサスの田舎町が彼らを駆り立てたのか。
いや、理由など皆無に等しいのか…?
効果音のようなBGMが不穏な雰囲気をさらに醸し出す。
手持ちカメラ風のざらついた映像があたかもドキュメンタリーのようなリアリティー。フェイクドキュメンタリー・ホラーの先駆けでもある。
そして何と言っても、トビー・フーパーの演出。商業映画デビュー作であり、最高傑作。
本作のマスターフィルムがNY近代美術館に永久保存されているのは有名な話。もはや芸術レベル。
シリーズ化されたが、他のホラーと同じく質落ちの道へ…。
マイケル・ベイ製作によるリメイク版はなかなか悪くなかったが(ジェシカ・ビールがセクシー!)、やはりこの第1作目が格別。
ショッキングなラストもインパクト大。
恐怖と狂気の果てを見た。
久々の再鑑賞
これは名作。
この映画、レザーフェイスの視点で見るべき映画だと思います。
車に乗り込んだ男も、
途中ガソリンスタンドで出るおじさんもグルだとは。
お爺さんにハンマーで殴らせようと何度も何度も握らせるけど力が入らなくて失敗するシーンはとても面白かった。
最後の獲物をレザーフェイスが追い回すところは一切妥協がなかった。
そして夕陽に照らさながらチェーンソーを振り回すレザーフェイスのシーン。美しすぎです。
なぜ評価されているのか
原点
そんなにスプラッタじゃない
案外血がドバドバ出てないのが印象に残った。
個人的に、フランクリンがヒッチハイカーに腕をきざむシーンがなんとも目をつむりたくなるほど、リアルでゾッとした。
これが74年で出てきたのだからすごいとしか言いようがない。
そこでふと、血がドバドバ出ない方がよりホラー映画としての現実味を帯びさせるのではないかとも思った。
あのシーンを観たとき、
ふと心理学のノーシーボ効果なるものと似た感覚が起こった。つまり映像表現の豊かさが今みている私の痛覚的なものにわずかにリンクしていたのだ。
このことからもこの映画の表現力のえぐさというのが今書きながらも想起される。
一方で、なぜこの評価になったかという敬意だが、
本来私はこの映画と「死霊のはらわた」と相互比較し鑑賞するつもりが、うっかり「悪魔のはらわた」を借りて観てしまったショックと、「悪魔のはらわた」もなんとも「悪魔のいけにえ」を観た後じゃあおかずにもならず、きなこ棒を渡されたような気分にさせられこの評価。
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