悪魔のいけにえのレビュー・感想・評価
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不快ホラーの原点にして芸術的作品
知能が低く少し間抜けキャラではありますが、チェーンソウ持ってどこまでもどこまでも、これでもかと言うくらいしつこく追いかけてくる怪物。トラウマ必死の伝説的なホラーのキャラが誕生した瞬間でしょう。
そして一家全員が狂っているのだからたちが悪い。まさに映画の見所の一つでもある、一家での"人肉晩餐シーン"は衝撃としか言いようがないくらい異様な光景が繰り広げられます。後に多くの映画に多大に影響を与えた問題シーンですが、まさに圧倒的な不快シーンでした。
ただし本作は単なる不快ホラーではないところが見どころでした。人間や動物の骨が散乱する異様な家の雰囲気、機械的で耳障りな音楽、そして恐怖を倍にするような見事なカメラワークは非常に見事でした。
実はこの映画、直接的なグロいシーンなんてほぼ無いのですよね。でも映画から感じられる緊張感と不快感により精神的ダメージが来る映画です。低予算でそしてCGもない時代に小物や効果音さらにはカメラワークだけ怖がらせた技術は本当に素晴らしいの一言です。
意味不明のすっきりしないエンディングが妙に、印象たっぷりに残ってしまう効果により、観終わった後は疲労感ばかりが残りました。
本当に50年前!?すげえ映画だよ
個人的ホラー映画ランキングをぶち抜いてって堂々の一位になったかもしれない。
皆さんもタイトルだけはどこかで聞いたことがあるであろう本作。もう50年近くも前の作品で、90年代のジェイソンやフレディでもキツかった僕としては期待値は更に低めだった。U-NEXTでの配信が終わる前に観ておこうという程度のモチベーションだった。
そして蓋を開けてみると・・・・まるで70年代のましてやホラーとは思えないほどのテンポの良さと分かり易さ、そして絵面の見やすさにまずは驚嘆した!!『え、これ2000年代とかに撮影されたリメイク版じゃないのよね?』と思うほど、50年前の作品とは思えない現代でも見やすい内容にまずは驚かされた。
5人で小旅行的なドライブでもしている如何にも中西部のアメリカンという感じの若い男女達。それぞれ見た目からしてキャラクターが伝わってくるシンプルさで、とても俺の想像していたホラーとは違う雰囲気。意外とこのデブが主人公か~と思わせといて、まさかあっさり死ぬとはね。
それと昔のホラーあるあるなのが、冒頭で車いすがひっくり返るシーンみたいな、ああいう化け物や超常現象とは”全く関係の無い所で”その後を予感させるような酷い目に遭ったりする演出。これが良いんだよなあ笑。今は全くレザーフェイスとか関係無いけど、なんか今日は悪い日な気がする。そんな予感。ジワジワきちゃうねえ。
話を戻して、この味方サイドとなる若い男女5人組も全員のキャラが立っていてそこから惹かれた。デブだけど勇敢そうなデブ。頼りになりそうなイケ男。股の緩そうな女。メガネのインテリチックな男。そして最後まで生き残る彼女も、ヒステリックながら勇敢さの有る主人公気質な女だった。
それと相見えるは、もうThe挙動不審男という感じのジャンキーな痩せ男に、70年代らしい南部系の親父さん(しかもちゃんと親子同士似てる)、そしてお待ちかねのレザーフェイス。
もうね、やっぱりホラーって安っぽさと昔の雰囲気こそ正義ですよ!あの汚さはセットじゃ出せない。ジャンキー男なんて男の俺でも画面越しに嫌悪感を抱くような気持ちの悪さで、次に何をしでかすか分からない男と同じ車に閉じ込められたヒヤヒヤ感が最高(褒め言葉)だった。
そのジャンキーとレザーフェイスの親父さんも一皮むけるとヤバい顔を隠してました的な変質者的怖さが素晴らしいし、あのやべえ息子二人を従えてるなんかよく分からない偉さにちょっと惚れ惚れもしたり笑。
そして、レザーフェイスは全てが最高。それほどマスクで隠れても無くて向こうの顔がチラついてるし、首から下はただのデブ白人って感じで、でもそんなただのデブ白人がキモいマスク被って唸るだけでこんなに不気味なんだ!!っていうバランスが、もうヨダレ出ちゃいそう。
歯も汚いし汗臭そうだし、ホラーの真髄ってやっぱり生理的嫌悪感なんだなあと染み染み感じられた。CGが怖くないのはコレが無いからだよ。『うわぁ~触りたくね~~~』っていう嫌さが画面越しにも漂ってくるかのような、アレこそがホラー映画のあるべきテイストなのだと感じられた。
そんなレザーフェイス達も何か凄い殺人装置が有るとか大舞台になっている訳では無く、普通にチェーンソーやハンマーでぶち殺してくる。昔の撮影技術も有るが、だからこそシンプルでありのままの殺害方法がネチっこくてリアルで気持ち悪い感じでより相乗効果になっていたと思う。昨今のは画面も何も綺麗すぎるんだよ!
それと最後のオチなのだが、レザーフェイス達が道路まで追いかけてきて通りかかる一般人の目も気にせずに朝日をバックに暴れてるところとかもう最高。普通もっと現代で作ったら親父さんが止めたりだとか監視してて『ヤバい事になったぞ‥』みたいなワンカットが入りそうなモノなのだが、もうジャンキーとレザーフェイスが人の目なんてお構い無しで突っ込んでくるが故に、よりアイツらの異常さと執念と何よりこっちの価値観で生きていないのが伝わってくる迫力に圧倒される。拡大解釈かもしれないが不気味だった。
計画的な殺人でもなく、バックに何かが居るわけでもなく、吸血鬼であるとかそういうオカルトでも無い。”ただただ異常な親子が”その殺人衝動のままにぶっ殺しまくって明くる日には普通の生活を送っている。そんなヤバい家がトラックも通るような道路沿いに有る。
このバランスがもうね、最高。
【”熱帯夜には、ヤッパリホラー映画だね!”とスラッシャー・ホラーのルーツと言われる今作を観たら・・。ウワワ。チェーンソーは木を切るモノなんだよ!監督、音楽、脚本を総て手掛けたトビー・フーバーの怪作。】
ー 今作は、資料を観ると1975年公開とある。最初に見た人は、魂消ただろうなあ・・。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・序盤から、不穏な空気が尋常ではない。ジェリー達、5人の男女は、1973年の夏にテキサス州の墓荒らしが多発する田舎を、ボロイ、バンで旅行をしている。
カー・ラジオから流れてくるのは、不穏なニュースのみ・・。
ー ジワリジワリ系かな?と思っていたら・・。-
・彼らは、途中、明らかにオカシイ、ポラロイドカメラを持った男を乗せてしまうが・・。
その男は、イキナリ笑いながら自分の掌を切り、更にジェリーの兄、フランクリンに切りかかる。
ー ジェリー達、5人の男女は、車から男を放り出すが・・。この時点で、彼らは生贄への道を突っ走っていた事が、後半分かるのである。-
・燃料が切れそうな彼らは、不安を抱えつつ、ジェリーの実家跡に辿り着くが・・。
ー 燃料を貰いに行った、カークとパムが帰って来ない。二人は、人の皮を被った太った男に拉致されて・・。ウワワワ。太っている割には動きが速いのが、怖い。何を考えているのか、分からないのも怖い。家の中の様子(美術)も怖い・・。-
・二人を探しに行ったジェリーの恋人、サリーも瞬殺され・・。
■イキナリ、チェーンソーを持って襲い掛かる男。
ー その後、ポラロイド男の弟で、レザーフェイスと呼ばれている事が分かる。この辺りからの不条理極まりない展開が凄い。本当に40年以上も前の作品か?-
・残った、車椅子のフランクリンも男のチェーンソーでヤラレ(チェーンソーの音がモノ凄く嫌である。)最後に残った、ジェリーは逃げ回り、”ある家”に飛び込み、助けを求めるが・・。
<異常な父と兄弟と”椅子に縛り付けられた状態”のジェリーが、食卓を囲むシーン。
そして、連れて来られたミイラの様な祖父にジェリーが血を吸われるシーンは、異様に気持ちが悪い。
ラスト、ジェリーが家を飛び出して逃げる後をポラロイド男の弟で、レザーフェイスが追いかけるシーンも、何が何だか分からないが怖い。
当時、この作品を映画館で観た人は、魂消ただろうなあ、と思った作品である。
監督、音楽、脚本、制作を総て手掛けたトビー・フーバーの後世のスラッシャー・ホラーに影響を与えた、怪作である。>
悪夢
「人生なんて悪い夢を見ているようなものだー」と、若い頃、なにかの本で読んだセリフを今でも覚えている。 当時はキザな言い回しぐらいにしか思っていなかったが、自分が様々な現実に対峙しながら歳をとってくると、いやはや、これは事実なのだと思い改めた。
確かに、現実は悪夢なのだ。
極めて稀な事例ではあるが、例えば、一人で山登りをしているときにヒグマに捕食されてしまうような運命。 一縷の望みにすがろうとも、ヒグマに遠慮や躊躇はない。 断末魔の叫びに反応することもなく、生きたまま足や腹を喰い千切り、食べ続けられる。 受け入れ難い非日常であっても、これが「死」のひとつのあり様であり、人間が直面し得る現実であることは事実なのだ。
我々には、運命を避ける権利も力も無い。
トビ―フーパ―がフィルムに焼き付けたかったのは、まさにそういった現実の一側面なのではないだろうか。 フィクションではあるが、実際の事件を元にしているこの作品には、「死を恐れる人間だけが体験し得る現実の恐怖と絶望」が写し出されている。
恐ろしいシーンなのに、どこか滑稽にも見える。 それは、運命の前で全く無力でしかない人間の姿が、見事に描写されているからだろう。
若い頃に観たときも思ったが、女優の恐怖に叫ぶ演技が尋常ではない。 あれは演技なのか。 一体、どうやって演出したのだろうか。
ホラー映画の頂点に君臨するだけではなく、映画史に残る傑作だと思っている。
奇跡の様な作品
きゃわEィィィィィ!
デッドバイデイライトをプレイ中気になったので鑑賞。
面白かったです。この時代のホラー映画は今の時代のように効果音などで驚かさせるだけでなく、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーンといったようで初登場シーンで扉をガラッと開けて登場するのは怖いだけでなく人間らしさもあり愛らしく、見ていて楽しかったです。
そうは言ったものの、もちろん怖いシーンはちゃんと怖い。一言も発さずにチェンソーを振り回しながら追いかけられるシーンなんかは不気味すぎますね。
登場人物もちゃんとホラー映画らしく、ほとんど嫌な奴で構成されているパーティなので死なれても後腐れがありませんのでむしろ死亡シーンをコメディとして見ることもできます。後半のおじいちゃんがハンマーを何度も落としちゃうシーンは笑いました。
70分とかなり短いですがちゃんとケジメもつけておりホラー映画、スプラッタ映画として大変面白い作品でした。是非ご覧ください。
ラスト...エモいよね。
デッドバイデイライト元ネタ
レザーフェイス 笑
レザーフェイス可愛い
殺人鬼の恐怖と異常な家族の不快なダイニング風景が絶妙!
もはやホラー映画の古典となった作品。
もう40年前の映画で、今観るとギャグと思えるような要素もあるが、
まだまだ充分な魅力をもっていると個人的には思う。
本作のストーリーは非常にシンプル。
展開もスピーディだが、置いてけぼりにされることはない。
一つ一つの演出や映像表現によって、うまく世界観に入り込んでしまう魅力があるからだ。
BGMを極力排して、叫び声や動作音だけで映像が進んでいく演出も、功を奏していると言えよう。
また、以前に観たたときはレザーフェイスによる単純な「恐怖」が際立っていたが、
いまになって見ると「異常さ」や「不快さ」も非常に強いと感じた。
特に、ソーヤー家のダイニング風景は不快そのもの。
根源的な不気味さや異常さが表現されているシーンだ。
ダイニングチェアに固定され、悪趣味な家具の数々に囲まれながら、ソーヤー家の食事風景を見させられる主人公の立場だったら、すぐ発狂しているだろう。
単純な恐怖や、何とも言えぬ不快さ、
そしてテキサスの夕焼けをバックとして有名なラストシーンの美しさ。
これらの様々な感情を掻き立てるのが本作。
現代でも魅力をもったホラー映画の古典だと思う。
突拍子もない
見終わったあの余韻
意外にもグロさは低め
ここに来て初めて鑑賞
恐怖と狂気の果てを見た
1970~80年代は後世に残る人気ホラーが続々誕生。
『オーメン』『ゾンビ』『ハロウィン』『13日の金曜日』『死霊のはらわた』『ポルターガイスト』『エルム街の悪夢』…あなたはどれがお好き?
中でも本作は、金字塔に挙げられる。
トビー・フーパー監督による1974年作。
テキサスの田舎に帰郷した若い男女5人が遭遇する惨劇、恐怖、狂気…。
開幕から不穏な雰囲気を漂わせる。
その田舎町で続く墓荒らしのニュース。
脂肪がゼリー状と化した死体。
本編冒頭のハイウェイに横たわるアルマジロの死体…。
5人はヒッチハイカーを乗せる。相手や自分の身体を切り付けるイカレ野郎。
途中、ガソリンスタンドに立ち寄る。バーベキューもやっているという一見親切そうな経営者だが…。
思えば、この時から目を付けられていたと言えよう。
目的地の廃屋。
その少し離れた所に、一軒家。
誰も住んではいないだろう。中は廃屋同然で薄暗く、不気味な蜘蛛が蠢き、動物や人間のものと思える骨が…。
それは突然襲い来る。
殺人鬼、レザーフェイス!
人の皮で作ったマスクを被った大男。
うめき声以外喋らず、そもそも意思の疎通や人の感情などあるのか…?
代名詞とでも言うべきチェーンソーで襲撃。よくジェイソンと間違われるが、チェーンソーで襲い掛かって来るのはこのレザーフェイスである。
そのジェイソンやブギーマンなどマスクを被った殺人鬼の元祖とも言えるだろう。
一人、また一人と殺されていく。
逃げ惑うヒロイン。
チェーンソーの音とヒロインの絶叫で、迫真。
何とかガソリンスタンドに逃げ込み、助けを求めるが…。
ここから衝撃の事実の連続。
レザーフェイスとガソリンスタンドの経営者、さらにはあのヒッチハイカーまでもが家族。
墓荒らしも彼らの仕業。
戦慄の殺人ファミリー。
イカレ、クレイジー、キチ○イ、サイコ…それらに当てはまる言葉を集めてもまだ足りない。
一体彼らは何者…? 凄惨な行為の目的は…?
人の恐ろしさ、おぞましさ、悪しき心、病んだ心の成れの果てなのか、
この殺伐としたテキサスの田舎町が彼らを駆り立てたのか。
いや、理由など皆無に等しいのか…?
効果音のようなBGMが不穏な雰囲気をさらに醸し出す。
手持ちカメラ風のざらついた映像があたかもドキュメンタリーのようなリアリティー。フェイクドキュメンタリー・ホラーの先駆けでもある。
そして何と言っても、トビー・フーパーの演出。商業映画デビュー作であり、最高傑作。
本作のマスターフィルムがNY近代美術館に永久保存されているのは有名な話。もはや芸術レベル。
シリーズ化されたが、他のホラーと同じく質落ちの道へ…。
マイケル・ベイ製作によるリメイク版はなかなか悪くなかったが(ジェシカ・ビールがセクシー!)、やはりこの第1作目が格別。
ショッキングなラストもインパクト大。
恐怖と狂気の果てを見た。
久々の再鑑賞
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