暁の7人

劇場公開日:

解説

ナチスの大物として悪名をとどろかしていた総司令官ラインハルト・ハイドリッヒを暗殺すべく立ちあがったチェコ解放軍の若き闘士7人の行動を通してハンドリッヒ暗殺事件を描く。製作はカーター・デ・ヘブンとスタンリー・オトゥール、監督は「続フレンズ」のルイス・ギルバート。アラン・バージェスの原作をロナルド・ハーウッドが脚本化、撮影はアンリ・ドカエ、音楽はデイヴィッド・ヘンシェル、編集はテルマ・コネルが各々担当。出演はティモシー・ボトムズ、マーティン・ショー、ジョス・アックランド、ニコラ・パジェット、アンソニー・アンドリュース、アントン・ディフリング、ダイアナ・クープランドなど。

1975年製作/105分/アメリカ
原題または英題:Operation Daybreak
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1976年6月12日

ストーリー

第二次大戦下の1942年。チェコスロバキアはナチス・ドイツに占領され、ロンドンも空襲に脅やかされており、連合軍は何とか劣勢を挽回しようとしていた。まずチェコを、絞首人という異名で恐れられている冷酷非情な総司令官ラインハルト・ハイドリッヒ(アントン・ディフリング)の手から解放するため、ロンドンにいるチェコ解放軍のヤン(ティモシー・ボトムズ)、ヨセフ(アンソニー・アンドリュース)、カレル(マーティン・ショー)の3人が招集され、ハイドリッヒ暗殺のためのオペレイション・デイブレイク作戦を下命された。ハイドリッヒはヒトラーの腹心であり、ナチスの大物だった。ヤンたち3人はパラシュートでチェコ入りし、ヤナク、ハエク、アンナ(ニコラ・パジェット)、アタ、ピヨールドなどのレジスタンスのメンバーに会った。一方、1人だけはぐれてしまったカレルは、かつての恋人テレザに再会し、2人の間に出来た子供とともにつかの間の幸せにひたった。いよいよハイドリッヒ暗殺のときがきた。ベルリンに向かうハイドリッヒを乗せた列車の窓から、ヤンとヨセフが超望遠照準のライフルで狙うのだ。だが、目的の列車の手前を別の列車が通過したために計画は未遂に終わった。クリスマスも過ぎたある日、ナチスに潜り込んでいたシンパからハイドリッヒがプラハから去る日も近いことを知らされる。今度こそ失敗は許されない。ハイドリッヒが司令部に向かう道中を待ち伏せて襲うという大胆な計画が立てられ、その日の朝がきた。ヨセフとヤンはハイドリッヒの車に手榴弾を投げ、車は大破した。計画は成功だった。間もなく、ナチによる厳重な捜査網が布かれて容疑者が次々と投獄された。ハイドリッヒの盛大な葬儀の列を見ながら、カレルはテレザにもう2度と彼女から離れないことを誓った。それは仲間のもとに帰らないということでもあった。チェコの新しい総司令官には、カール・フランクが任命され、彼はハイドリッヒ暗殺に対する報復行為としてリディスの町を全滅させよという命令を下した。男はことごとく銃殺刑に処され、女子供は強制収容所に送還された。さらに暗殺者には100万クラウンの賞金がかけられた。カレルはその誘惑に負け、仲間たちとの密会場所を密告してしまった。7人の隠れ家であるセント・シリル教会がナチに包囲され、機関銃、戦車、散水車、手榴弾など、ありとあらゆる武器で攻められた。7人は密室の地下室に逃げ込んだが、そこは出口がなかった。1人、また1人と仲間が殺され、残ったのはヤンとヨセフだけになった。だが弾丸も底をつき、もはや助かる術はなかった。やがて2発の銃声が地上に轟き渡った。

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映画レビュー

3.0初めて知る史実に、作品としての評価を下せないまま鑑賞を終え…

2024年9月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ヒトラー側近として
ゲッペルス、ゲーリング、ヒムラーらは
有名だが、
TVのドキュメンタリーを見て、
ラインハルト・ハイドリヒという
ヒトラーに次ぐ実力者と言われた人物
がいたことと、この作品が、
そんな彼の暗殺物語と知り初観賞した。

しかし、この作品はハイドリヒの人物像に
迫る作品ではなく、
主に彼の暗殺後に行われた暗殺部隊の悲劇に
ウエイトを置いた作品だった。

冒頭に“これは実話である”とあったのだが、
少し疑問に思うのは、
護衛の後続車両が、
負傷したハイドリヒが別の車で運ばれるまで
何故追い付いてこなかったのか?
ハイドリヒの部下は本当に彼を一人っきりに
して犯人を追い回しただろうか?
また、妻子のあるメンバーが仲間を裏切って
自首した不可解な行為。この作品では
家族の心配や懸賞金目当てとしたが、
犯人の仲間であることを告白するわけだから
結果はより酷いことになることは
分かりそうなものだが、
彼の自首の理由は本当なのだろうか?
これらは本当に史実なのだろうか?
納得出来る描写が無いままに終わる中、
彼は戦後に反逆罪で死刑
とエンドロールで語られたが、
彼の妻と子供はどうなったのだろうか。

この作品には、良いとか悪いだとか以前に、
このハイドリヒ暗殺事件そのものや
暗殺者グループや根絶やしにされた村の
悲惨な最後を初めて知ることの
ウエイトが重すぎて、
何かドキュメンタリーを見たような気分で
評価とまではいかないまま鑑賞を終えた。

それにしても、このタイトル、
「…7人」ではなく、「…3人」とすべき内容と
思ったが、調べてみたら、
原作通りの日本版タイトルとのこと。
想像するに、原作ではサポート部隊の5人にも
言及が多かったのだと思うが、
映画化に際しては、
“7人”との印象付けの描写も無く
違和感ばかり。
これも想像の域を出ないが、
何も無理して原作のタイトルを
踏襲しなくても、との理由だけではなく、
ヒット作「荒野の“7人”」や、
同じギルバート監督の007シリーズと
「第七の暁」の“7”という数字にこだわった
結果だったのでは、と勝手に推察したが、
実際はどうだったのだろうか。

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