「【且つて起きたパンデミックが現代で再び起きた時に明らかになった真実を描いた恐ろしい物語。今やこの映画は現実の喫緊の問題を描いているのである。あのラストは決してハッピーエンドではないのである。】」アウトブレイク NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【且つて起きたパンデミックが現代で再び起きた時に明らかになった真実を描いた恐ろしい物語。今やこの映画は現実の喫緊の問題を描いているのである。あのラストは決してハッピーエンドではないのである。】
■1967年、ザイール、モターバ河流域の小さな村。謎のパンデミックが起き、米軍は患者の血を採取した後に、村を壊滅させる。
そして、現代。モターバ河流域で再びパンデミックが起きる。それは一匹の密輸された猿によってカリフォルニア州“シーダー・クリーク”で蔓延していく。
だが、軍のマクリントック少将(ドナルド・サザーランド)とフォード准将(モーガン・フリーマン)は、それが且つてのパンデミックの症状に酷似しており、且つ軍は、採取した血で細菌兵器を作っていた事から、事の成り行きに疑問を持つサム・ダニエルズ大佐(ダスティン・ホフマン)の調査の邪魔をする。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ご存じの通り、パンデミックは人類に対し、天然痘、ペスト(ヨーロッパで流行った際には黒死病と呼ばれた。)、スペイン風邪、SARS、エボラ出血熱と次々に襲い掛かって来た。
・だが、現在ではその原因として、愚かしき人類が開発した細菌兵器の流出という、自然界からは発生しない筈の、パンデミックの危険性も新たに発生しているのである。
・今作では、軍が開発した細菌兵器の流出はないが、軍がその事実を隠ぺいするために、何の罪もない小さなカリフォルニア州“シーダー・クリーク”を”封じ込め”ようと画策するマクリントック少将と、それを止めようとするサム・ダニエルズ大佐(ダスティン・ホフマン)との対峙がスリリングに描かれている。
少し気になるのは、フォード准将(モーガン・フリーマン)のスタンスであるが・・。
<今作を観ると、学ぶことは多い。医学が発達していない土地からの野生動物の密輸の危うさ。軍(国)は、小さな犠牲で大きな犠牲を平気で防ぐ組織である事なのであろう。
だが、コロナ禍を経験した私たちは、もう一つ、愚かしき人類が開発した細菌兵器の流出という危機がすぐ隣にある事を学ばなければならないと思う。コロナは、ワクチンにより収束しつつあるが、その発生源は未だに”公には”特定されていないからである。>