劇場公開日 1995年4月29日

「コロナ禍の今だからこそのリアリティある良作映画」アウトブレイク 足立佑介さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0コロナ禍の今だからこそのリアリティある良作映画

2021年2月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

興奮

知的

『アウトブレイク』はパンデミックを描いた映画の中でも良作だと思います。

古いものだと日本小説原作の『復活の日』や、SFパニックの古典『アンドロメダ…』、ひらたく言えばゾンビ映画もパンデミックの映画なわけで、未知の病原体やウイルスを扱った映画はたくさんあります。

その中でも『アウトブレイク』の優れているところは、圧倒的なリアリティ。
特に、コロナ禍を経験する我々には、25年以上前の古い作品とは思えません。

エボラ出血熱の感染危機を描いたノンフィクションを下地にしつつ、リアルな描写に定評あるウォルフガング・ペーターゼンが監督を務める作品。
今だからこそ、一見の価値のある作品だと思います。

個人的に印象的なシーンは、劇中で主人公の元妻であり研究者のロビーが、感染者を採血する際に誤って注射針で指を刺し感染してしまうシーン。

研究者として誰よりもウイルスの恐怖を理解しているロビー。

パニックに陥り、自暴自棄になる彼女をなんとか救うため、軍の包囲網を突破し、ウイルスの宿主を確保しようとする主人公(ダスティン・ホフマン)の活躍。
そして、そこからの一連の流れがまさに90年代アメリカ映画の王道という感じで、非常にエキサイティングで面白いです。

現実世界でも、今まさに最前線の現場で、コロナウイルスの対策に当たる医師や看護師の方々がいらっしゃいます。
ロビーのように不安を感じつつも、現場で医療行為に従事して下さってることに本当に感謝ですね。
頭が一ミリも上がりません。

こういった映画も見ながら、「いま自分には何ができるのか」を考えるきっかけにするのも一つかな、と思いました。

足立佑介