「ジョルジュ・ドンの思い出」愛と哀しみのボレロ きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョルジュ・ドンの思い出
京都にジョルジュ・ドンが来たとき、これは是非にと行ってきた。
映画の彼が、目の前で生で踊るボレロ。長い長いクレッシェンドで、繰り返し繰り返しの高揚していくボレロのリズム。
客席の僕はあの映画のストーリーが、それこそ走馬灯のように思い出されて、自分までがステージの渦に巻き込まれてしまって
・・・音楽とダンスが終わった瞬間の、絶叫と嵐のような歓声の中、大勢の観客と一緒に両手を上げたままステージのたもとまで殺到してしまった。
あんな客席は後にも先にも見たことがない。
ジョルジユ・ドンはときを置かずして急逝。
映画と彼は、僕にとっては一つのものです。
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感慨深いのは、主人公たちが一堂に会するラストなわけだが、
まるでプラズマがぶつかり合い激しいショートの火花が散るようなこのエンディングにして
しかし、主役の四人は目の前の共演者が何者であるかを知らないのだ。
絡み合いつつニアミスしつつも、人間の歴史はその人において固有のものなのだと映画は語るのだろう。
凱旋門でのこの夜が終われば、彼らは再びバラバラに帰途につく。
つまり個人主義の讃歌、
そのことがまた面白い。
映画の他のシーンについては、何度か観て友人と不明点を解明し合うのも楽しい。
なんせ同じ役者が親子の設定で再度登場しているし。絡み合い巡り合うヨーロッパの歴史。
で、まだよく分からないのは戦地から復員して駅に降り立った若者たちのうち1人だけ出迎えがなかったのは何故だろう。どなたか教えて。
またレンタルだな。
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バレエもののDVDはたくさんあるがドラマ仕立てよりドキュメントが良。
草刈民代の「ダンシング・チャップリン」などオススメ。
実は僕もバレエ踊っていたのです。
コメントありがとうございます。
実はクロードルルーシュ監督ってストーリーテリングはあまり上手くないんじゃないか? 他の巨匠監督ならもっと劇的な大河ドラマを作るんじゃないか? と思うのですが、現代の話と考えるとこの位がリアルさが出て良かったのではと思います。
トミーさん
こんばんはー
コメント嬉しく拝領しました、ありがとうございました。
人間の人生はあざなえる縄の如し。
この長い映画はまさにそういう大河ドラマでしたよね・・
あの映画に出演したジョルジュ・ドンに対面した僕も、この大河ドラマの一端に触れて、参加をしたような気がして、心が震えたのです。
客席の他のお客さんたちも、きっと同様だったと思いますねぇ。