「介護福祉士を目指すキッカケを作ってくれた作品」ヨコハマメリー 全竜さんの映画レビュー(感想・評価)
介護福祉士を目指すキッカケを作ってくれた作品
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メリーさんを知る人々のインタビューから始まり、彼女の生い立ちから、仲間達の人生、そして、戦後の横浜そのものの歴史へと遡っていく。
人物を探すインタビュードキュメンタリーやと、その前に観た『デヴラ・ウインガーを探して』が代表的である。
相手が有名ハリウッド女優だっただけに、すぐに見つかり、拍子抜けした『デヴラ〜』に対し、メリーさんの行方は、最後の最後まで一切足取りが掴めない。
無理もない。
全身白塗りの異様な風体である以外、本名も素性も全て謎だったからだ。
街の名物として味方してくれる人々も多かったが、《パンパンさん》という職業と外見からヒドい偏見を抱いていた人達の方が遥かに多かった。
「病気を持っているんじゃないか?」
っと、客からクレームをつけられ、イキツケの美容室が出入り禁止を食らった時は、どれだけ辛かった事だろう…。
「何処かで野垂れ死にしたのかなぁ…」
っと落胆していた矢先、故郷の老人ホームで暮らしている事を突き止め、メリーさんを母と慕うシャンソン歌手・長登元次郎が末期ガンに冒されながらも、逢いに出掛ける。
念願のメリーさん本人に再会し、魂を振り絞って『マイウェイ』を熱唱するラストは鳥肌が立った。
上映当時、劇場全体が
「メリーさん生きていたんだぁ〜。良かったぁ〜」
という安堵感でいっぱいになり、やがて直ぐに涙へと変わった。
あの時の温かい一体感は、今でも言葉では言い表せない。
では、最後に短歌を一首
『シャンソンの 余韻にむせぶ ハマの夜 いろいろあったね なぁメリーさん』
by全竜
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