かもめ食堂のレビュー・感想・評価
全113件中、1~20件目を表示
ゆったりとした時間の流れが楽しめる
「団地のふたり」…
ヘルシンキで「いらっしゃい」
荻上直子監督の映画を見るのは初めて。 小林聡美がイメージキャラクターをつとめていたパスコの食パン「超熟」では、 フィンランドロケでかもめ食堂が再現されたらしい。
動画配信で映画「かもめ食堂」を見た。
2005年製作/102分/日本
配給:メディア・スーツ
劇場公開日:2006年3月11日
小林聡美(サチエ)
片桐はいり(ミドリ)
もたいまさこ(マサコ)
このオーディエンススコアが非常に高い映画を
いつかは観ようと思っていた。
荻上直子監督の映画を見るのは初めて。
小林聡美がイメージキャラクターをつとめていたパスコの食パン「超熟」では、
フィンランドロケでかもめ食堂が再現されたらしい。
なぜかはまったくわからないが、
サチエ(小林聡美)はフィンランドで食堂をやっていた。
たったひとりで。
食堂の「ウリ」はおにぎりらしいが、
丸1か月間ひとりも客は来なかった。
フィンランド語を知らないので
小林聡美がどれくらいフィンランド語が流暢なのかわからないが、
カタコトではなく、日常会話くらいはできていそうだ。
彼女はフィンランド語ができるわけではなく、
セリフとして覚えたらしい。
サチエはある日、本屋でミドリ(片桐はいり)と出会った。
片桐はいりのつけている緑色の腕時計がかっこいいと思った。
いろいろあって、
ミドリはサチエの店の手伝いをすることになる。
別の日、日本からフィンランドにやってきたマサコ(もたいまさこ)。
彼女はロストバゲージ(航空機で送られた荷物が無くなること)に遭っていて、
偶然かもめ食堂にたどり着いた。
彼女もかもめ食堂を手伝うことになる。
閑古鳥が鳴いていたかもめ食堂だったが、
サチエがフィンランドの定番食であるシナモンロールを焼くと、
いつも遠巻きに見ていた主婦たちが
その匂いに釣られて来店し、その日を境に少しずつ客が入るようになる。
そしてかもめ食堂は連日満員になるのだった。
この映画の何がいいのかと問われたら、
キャステングだと思う。
小林聡美、片桐はいり、もたいまさこ、
ひとりづつでも稀有な雰囲気をもつこの3女優が織りなすあの雰囲気は他には見つけがたいと思う。
「やっぱり猫が好き」(1988年から1991年)という人気ドラマがあったが、
あれに近い。
エンディングの井上陽水の曲がまたこの映画に合うなあ。
この映画のオーディエンススコアが非常に高い理由は見れば判ると思う。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
癒し系ゆるゆる。あんまり好きではないが本作はわりと楽しくみられた。...
何度みても
のんびりした優しい時間
総合:65点 ( ストーリー:60点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
のんびりした優しい時間が流れる作品。この趣を楽しむ作品。
雰囲気としては『しあわせのパン』に似ている。一人の旅行者との出会いが飲食店に変化をもたらすという物語は『バクダッド・カフェ』に似ている。
悪意のある人は登場しないし、お金に困ることもない。北欧の町で自分の好きなことを焦らずのんびりと思うがままにして過ごす。過去にはいろいろあったとしても、善意が集まり徐々に良い方向に事が流れて小さな幸せが形になっていく。それを3人の個性派女優が演じる。
そんな安心してのどかな気分で観られる映画で、心がゆったりとなれる。特に現実に疲れて心痛があって安らぎが必要な人には良いし、すでに心の落ち着きがある人がさらにゆったりとしたい場合にも良い。
その反面、現実的ではないよなとも思う。言語に堪能とも思えないのに、なぜ突然フィンランドにやってきて飲食店を開いたのかという理由が弱い。顧客が全く来ないのに焦らず何もしないのもわからない。食材を仕入れてそれをそのまま廃棄にするときの悲しさ、家賃等の支払いがあるのに収入がない時の経営者の焦りは、作品では全く描写されない。あるいは会ったばかりの旅行者に自分の経営を否定されるときの苛立ちもない。
もちろん作品の意図としてそんなことを描きたくないのはわかるが、設定の緩さと負の感情が少ないのに白々しさも感じてしまった。
コーヒー、おにぎり、しゃけ、とんかつ。
サチエの晩餐会‼️
もともと演技力があるのは分かってたけど、今作での小林聡美さんの美しさと存在感にビックリさせられました‼️共演の片桐はいりさんともたいまさこさんが引き立て役と言ったら失礼ですけど、ホント美しい‼️フィンランドの皆様が「かもめ食堂」で食べたサチエさん拘りのオニギリとお味噌汁の、今まで食べたことのない新鮮なおいしさ‼️そんなステキな映画です‼️ "豚身昼斗念" という漢字名をつけてもらい大喜びする日本アニメ好きで、かもめ食堂の記念すべきお客様第一号のトンミ・ヒルドネン‼️地球儀を回して指を当てたフィンランドにやって来て、たまたまかもめ食堂を手伝うことになる片桐はいりさんのミドリ‼️プールでの平泳ぎと就寝前の合気道を頑張るサチエ‼️ミドリの提案で作ったシナモンロールがお客を呼ぶ‼️ザリガニやトナカイの肉をおにぎりの具として使ってみるも、うまくいかない‼️旅行中にトランクを紛失したもたいまさこ演じるマサコが、これまたかもめ食堂を手伝うことになる‼️かつて同じ場所で喫茶店を営んでいた男性がサチエに教えてくれるおいしいコーヒーの入れ方と、おまじないである "コピ・アルック" ‼️夫とうまくいってないフィンランド人女性がヤケ酒を飲んだりする‼️一つ一つの微笑ましいエピソードがホント印象深いです‼️そしてかもめ食堂はフィンランド人のお客様にたくさん来ていただけるようになる‼️そんなフィンランドのお客様がおいしそうに食べる鮭定食やとんかつ定食、生姜焼き定食、そしてオニギリ‼️そのおいしそうな料理の数々‼️まさしくおいしい料理は人々の気持ちを変える‼️そんな言葉がピッタリの映画‼️
ミドリさんいい人
フィンランド。ムーミンと白夜の国。日本からはかなり遠い。そんな異国に吸い寄せられた、日本人女性たち。サバサバして妙に腹の据わった、かもめ食堂オーナーのサチエ。行動力はあるが、ちょっとズレてるミドリ。飄々としているが包容力のあるマサコ。
おとぎ話のような話だが、でもこの3人が一緒にいると、ほんわかした空気になる。食堂に射し込むフィンランドの淡い光も、日本の夏のようにギラギラじとじとしてなくて、なんともさっぱりと乾いている。その光をバックライトにして働く女たちは、どこか修道女のようにも見える。それぞれ何か事情はあるだろうが、一心に誠実に、おいしいものを作ることで心を澄ましているように思える。
3人ともいい人だと思うが、サチエが父の話をした時にミドリが泣いたのを見て、この人すごいいい人だ!と感じた。一瞬のことだけど、とてもいいシーンだった。
スッキリと機能的な北欧デザインや、マリメッコなど、本筋以外でも楽しめる。市場や森なんかも見られて、とてもフィンランドに行きたくなった。コピ・ルアクを初めて耳にしたのは、この映画だったと思う。勉強になった。
個人的には華がなさすぎたかも
久しぶりに見たけど
人生の小休憩
フィンランドの小道に佇む日本料理屋「かもめ食堂」
ちょっと変わったお客さんと、旅路に立ち寄った他の日本人との交流。
たいして大きい大展開はないんだけど、落ち着いててシュールな雰囲気が心地いい◎
サチエ、ミドリ、マサコを演じる女優さんがこれまたちょうどいいキャスティング。
いるだけで存在感があって、話さずとも語る表現力が好き…!
ストーリーや出来事をじっくり見ると、
結構大事件だったり、ひと悶着あるトラブルに巻き込まれてる感じなのに
なぜか3人とも落ち着いてる(笑)
日本語ニワカ?の若者や、店に難癖を付ける3人のマダム、ただじっと店内を見つめる謎の女性、そして強盗?!?
こんなことが起こっているのに店主のサチエは取り乱すことなく対処して、美味しいご飯を提供してあげる。
心の広さと余裕を感じるキャラクター性に見ているこちらも『まあいいか』と思わず一息ついてしまう…
不思議な映画だった…
幸せ感に包まれて
2006年。
原作:群ようこの書き下ろし小説
監督:脚本:荻上直子
主演:小林聡美。片桐はいり。もたいまさこ。
とても好きな映画です。
特にサチエ(小林聡美)就寝前にする合気道の膝行(しっこう)の所作が美しい。
サチエの店じまい後の日課の水泳をするプールが素敵。
そして現実にも小林聡美さんは水泳が得意なそうで、
スクール水着みたいな水着で泳ぐ姿が、なんとも美しい。
小林聡美さんの決して美人女優ではないのに、その姿、所作、
話し方の抑揚の美しさに、うっとりします。
やはり選りすぐられた知性と美。
この映画から日本人のフィンランド・ブームがはじまったのだろうか?
「かもめ食堂」
一番乗りの客は「豚身昼斗念」
ミドリさん(片桐はいり)がトンミ・ヒルトネンに付けた漢字名。
彼は「かもめ食堂」第一号の客で永久コーヒー毎日無料の権利を貰った
日本大好きなフィンランド青年。
サチエさんは言います。
「なにがなんでも日本である必要はない」
そんな自由。
こんな自由。
サチエさんにもそこまで達観するには、色々あっただろうし、
ミドリさんは、暖かい食事を振る舞われて「涙ぐむ」ほどの過去がある。
マサコさんには20年介護して見送った両親がいて、エアギターのコンテストに
魅せられてヘルシンキに来たのです。
「かもめ食堂」の外観や内装にオープンキッチン。
おにぎり、シナモンロール、
なんていうことのない豚カツや生姜巻き。
フードコーディネーターの飯島奈美さんの料理は美しく本当に
美味しそう。
エンディングテーマ曲。井上陽水の「クレイジーラブ」
センスの良さが光ります。
そして片桐はいりさんと、もたいまさこさん。
毅然とした中に優しさや深さがあって、本当に人間的に素敵。
ヘルシンキの街と食堂に来る体格のいいフィンランド人。
異国情緒たっぷりです。
けっして窮屈ではない豊かさ。
荻上直子監督の最新作
「川つぺりムコリッタ」を観た後なので、無性に「かもめ食堂」が観たくなりました。
「川っぺり」では「かもめ食堂」よりファンタジーではないリアリズムを
追求して、前科者の青年を取り巻く人間模様を時にシニカルに描いています。
荻上直子監督も36歳から51歳へ。
色々な人生経験を積まれたのでしょう。
フィンランドでスローライフ
全113件中、1~20件目を表示