かもめ食堂のレビュー・感想・評価
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何故だか分からないが幸せな気分になれる映画
特別劇的な展開のある映画ではなかったですが、まったり、ゆったり、何とも言えない空気感に、とても心癒された映画でした。
メリハリの無さがむしろ味と思えるような絶妙な演出でしたね。
何やら撮影はフィンランド全編ロケだったらしいですが、これがフィンランドだ!的な観光PR押しはほぼ見受けられない自然体な感じが、何とも心地良かったです。
地方ロケだと観光PR満載の映像が盛り込まれてむしろゲンナリすることの方が多かったりするのですが、こんな自然体な感じで描かれた方がむしろその土地に行ってみたくなります。
しかし港町の街並みが異国情緒たっぷりで、抜群の雰囲気を醸し出していましたね!
そんな街並みの一角に佇むかもめ食堂が舞台となった作品でしたが、何でしょう、あの謎めいた感じは(笑)
小林聡美が演じたオーナー・サチエの過去がほぼ語られなかったのが、この謎めいた店の雰囲気と絶妙にマッチして、見事なまでに作品の味となっていましたね。
前半はほとんど客が来なくて経営は大丈夫なんだろうか?と、見ているこっちが心配になってしまいましたが、そこから小さな事件もありつつゆったりと展開していく物語に、いつの間にかまったりと引き込まれてしまいましたし、いつしかあの店のファンになってしまいましたよ。
また、かもめ食堂で出されたおいしそうな料理の数々が、ホントたまらなかった、まさしく飯テロムービー、空腹時の鑑賞はちょっと危険ですね。
シナモンロールもおいしそうだったけど、やっぱり日本人のソウルフードはおにぎりなんだねぇ、梅、鮭、おかかの三点セット、でも私は梅よりもツナマヨが好きなんだけどなぁ、ってそれでは映画の雰囲気台無しか。
それと揚げ物の揚げる音がたまらなかったぁ、生姜焼きもきっとおいしいはず。
いつの間にか片桐はいりが加わって、もたいまさこも加わる展開も、何だかほっこり、ある意味現実感の無い2人だからこそ、異国で妙に映えます(笑)
過去を語らず未来も見据えず、今を生きる3人、ベッタリ感のない、いい感じの距離感がとても印象的でした。
しかし日本かぶれのトンミ青年は、あのままずっと金払わないでコーヒー飲み続けるのだろうか?
ある意味強靭な精神力の持ち主、キャラ得ですなぁ~。
よい!
ゆっくりほっこり
「かもめ食堂」を観て・・
海外の日本料理屋って…
フィンランドで1人食堂経営をするサチエ。開店してまもなく、1人でムーミンの日本語の本を読んでいたミドリと出会い、家に泊めてあげることにする。ミドリは店を手伝うようになる。また1人でフラリと街に来たが荷物が空港乗り継ぎで行方不明なままのマサコも食堂に来るようになる。現地のフィンランド人との交流などもあり、食堂に関わりながらの3人の日本人女性の様子をふんわりと描いている。
最初にひょんな事でサチエとマサコが仲良くなる様子は、海外に居て故郷が同じ人間同士の不思議な絆が描かれていて笑えた。所々にあるちょっと奇妙でファンタジックな出来事も面白い。ココに出てくる人間はみんな独りなんだけど、寂しそうなようで寂しくなさそう。くっつき過ぎず離れすぎず。そんな距離がいい。女性として観ていても元気をもらえた。
私はアメリカに住んで長いので、ここで営業されている日本食レストランにはたくさん出会ってきた。寂れて汚らしい店もあるし、えらく繁盛している店もある。繁盛している店は大抵、高いお酒やつまみ、寿司などを売る店だ。寿司がない飲み屋もあるが、私はお酒が飲めないので行かない。大抵どの日本料理やにも共通しているのは、メニューが日本で食べられる値段よりもかなり高いということ。この間行ったお好み焼き屋は、お好み焼き一枚20ドル~だった。かもめ食堂のメニューはいくらで並んでいるのか、それが気になった。
しかしどこに居ても美味しい料理は美味しい。そんなお店を私もこおで開拓していきたいなぁとこの映画を観て思った。ちなみにLAにもおにぎり屋がある。
人間って良いなあ〜!と感じさせてくれる
人生に息詰まり目的を無くしたり、大事な人を失ってしまいこれからどうしたらよいのか分からない時に、つい人は怖い顔や悲しい顔で周りから怪訝な眼で見られてはいないだろうか?
日本映画初のオールフィンランドロケによるこの作品には、そんな人がいたらそっと近寄って来て「コーヒーいかがですか!」と一言声をかけてくれそうな優しさに満ち溢れています。
信じていれば‘良い物はやっぱり良い’‘自分らしく生きるのが大事’とゆう製作側の思いが伝わって来ます。
小林聡美にもたいまさことなると、昔の人気ドラマ『やっぱり猫が好き』をどうしても思い出してしまう。
『やっぱり…』では次女役だった室井滋が残念ながら今回出演はしていないが、これに片桐はいりが加わった3人トリオの何とも言えない‘おかしな間’や、あのかもめ食堂での‘絶妙な空間’に時間も忘れてしまいました。
そして猫まで(笑)
人間っていいなぁ…って感じさせてくれて、ラストでは不覚にも涙が出てしまいました。
(2006年3月15日シネスィッチ銀座1)
癒される
美味しそうなご飯。そして食堂に集う人々の空気感
何度見ても、また、ふと見たくなる。
それは、行き慣れた食堂のいつもの定食を食べにいくような感覚。
匂いがするわけないのに、毎回、焼きたてのシナモンロールの匂いを吸い込もうとし、生姜焼き定食や焼き魚定食にはお腹を鳴らす。
劇的な出来事は起きないけれど、どこか懐かしく、温かくてクスッと笑える。
邦画だからこその空気感。
その舞台が日本でないことがまた秀逸。
シナモンロール食べたい!!
日本食の魅力
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