「ガキのうちは、どんなに恨まれてもかまわない。」あおげば尊し shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
ガキのうちは、どんなに恨まれてもかまわない。
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映画「あおげば尊し」(市川準監督)から。
「なぜ、死体を見ちゃいけないんですか?」と訊かれ、
「とにかくやめろ」としか言えなかった、テリー伊藤さん扮する教師は、
「死」というものに興味をもつ年代の子どもたちに、
余命僅かな自分の父親の闘病生活に関わらせることで、
命の重さや大切さ、一所懸命生きることの素晴らしさを伝えようとする。
しかし、そんな取組みを批判する人たちが必ず登場し、こう言い放つ。
「人の生き死には、教材じゃないですよ。命の重さをわかってないのは、
子どもじゃなくて先生の方じゃないんですか?」・・
自分たちは、何も行動しようとしないくせに・・と思ってしまう。
勿論、判断は十人十色だし、その効果なんて何十年先かもしれない。
それでも、愛情と自信を持って行なう教育こそ、価値があるのではないか。
主人公の父親も先生だが、彼の教育に対する考え方は
「ガキのうちは、どんなに恨まれてもかまわない。
彼らが大人になった時に、俺の教えがわかってくれればいい」だった。
たぶん、息子も同じ考えで、子どもたちに真っ正面から向かっている。
父親が亡くなった時に、葬儀に駆けつけてくれた教え子たちが、
「あおげば尊し」を精一杯の声で歌ってくれたシーンは、涙腺が緩んだ。
やはりこの歌は、先生と生徒を繋げる素敵な歌であると思う。
是非、これからも、卒業式には歌い続けて欲しいな。
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