劇場公開日 2005年9月23日

「お気に入りの場所」8月のクリスマス kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0お気に入りの場所

2018年11月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、映画館

 オリジナルであるホ・ジノ監督の『8月のクリスマス』があまりにも良い映画なので、どうしても比較してしまう。主人公は鈴木寿俊(山崎まさよし)。父と二人暮し、父から受け継いだ写真館を営むという設定も同じ。ストーリー展開も重要な箇所はほぼ取り入れ、違う点はヒロインの高橋由紀子(関めぐみ)が小学校の臨時教員であるという設定だけであろう。

 余計な説明は一切しないホ・ジノ流の撮影手法をも取り入れているように思えるし、編集によって、シーンの切り替えが何となく似ていて、オリジナルを大切にしている長崎監督の思いも伝わってきました。一番好きなところは、おばあさんを中心とした家族写真と一人で撮る写真の意味。そして投石のシーンだ。これらの大事な部分はもちろんこの映画でも見られる。ただ、ラストシーンだけは、広い客層を狙ったためか、わかりやすい演出へと変化させ、由紀子が未来を強く生きていけるだろうと想像させ、安堵感を与えてくれる。

 ヒグラシの鳴き声を背景に、縁側でスイカの種を飛ばす兄と妹。年代ものの扇風機。食卓も座卓であり、小津安二郎の世界をも感じさせる。また、寿俊が好きな「お気に入りの場所」では日本の四季を感じさせてくれるはずです。

 何しろ、高岡、魚津、氷見、金沢のオール北陸です。見たことある場所ばかりで、感情移入しまくり。映画を観終えてすぐに「お気に入りの場所」へ行ってきました。

kossy