劇場公開日 2005年9月3日

「満塁のチャンスにバッターがいない・・・透明ランナー制を採用すればいいじゃん!っていうか、それより過去に戻って・・・いやいやいや・・・」サマータイムマシン・ブルース kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0満塁のチャンスにバッターがいない・・・透明ランナー制を採用すればいいじゃん!っていうか、それより過去に戻って・・・いやいやいや・・・

2019年1月21日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会、CS/BS/ケーブル、映画館

 猫に小判、豚に真珠、SF研にタイムマシン。発達した科学の機器を与えられても、小市民的な発想しか浮かばないSF研究会の面々。彼らはSFの面白さを知らないどころか、SFが何の略なのかも知らないという、とんでもない大学生なのです。棚にはオタクなフィギュア、テーブルの上には『サトラレ』の漫画、壁のポスターには『マタンゴ』と、普段は何をしているサークルなのでしょう(笑)タイムマシンを目の前にして、「ジュラ紀に行きたい」という声も上がるが、現実的に、クーラーのリモコンが壊れているのでリモコンが壊れていない“昨日”へ行ってリモコンを取ってくることを選ぶ。

 冒頭から、タイムマシンでその時間に遡ったときのための伏線を張りすぎなのですが、それほど複雑ではなく、「あぁ、なるほど」と笑いとともに納得する仕掛となっています。ばかばかしい伏線の上に、予想しやすいものの微妙にはずされるという展開には心地よく裏切られる。例えば、名画座の次回公開作品が『バック・トゥ・ザ・フューチャー』なので、オマージュしたかのような展開になるかと思えば、それ以上にタイムパラドクスを大切にしていたり・・・最も裏切られたのは、タイトルからしてザ・フーの“サマータイム・ブルース”がかかるかと思っていたのにギルバート・オサリバンの“アローン・アゲイン”がかかったことだろうか。

 タイムマシンの造形は映画『タイムマシン』、一日だけ時間移動するのは『時をかける少女』、「内臓がひっくり返る」という台詞は『タイムライン』、その他にもタイムパラドクスものへのオマージュが感じられた・・・『ドラえもん』も・・・

※続編の可能性もありそうな記事を見て
公開当時、映画館で3回観てしまったほどハマったので、続編が出来るのはすごく嬉しい。ぜひとも当時の若手俳優をそのまま使って完成させてほしいです。

kossy