「私、道徳って、恥の概念のことだと思うの」空中庭園 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
私、道徳って、恥の概念のことだと思うの
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映画「空中庭園」(豊田利晃監督)から。
角田光代さん同名原作の映画化、とあって楽しみに鑑賞した。
印象に残っているのは「道徳」に関する部分。
特別出演の永作博美さん扮する、変な愛人が一気に話すシーン。
「人間を人間たらしめているのは、恥。
恥を感じない人間は、猿と変わらない。
恥ずかしいと思うから、服を着るんだし、恥ずかしいと思うから、
人前でセックスしたりしないのよね。
私、道徳って、恥の概念のことだと思うの。
禁煙のバスで煙草を吸わないのは、なんで?
若い子の素足にいきなりしゃぶりついたりしないのはなんで?
恥ずかしいからでしょ? そんなことしたら。
だから、最も始末が悪いのは、恥という概念がない人間、
あんたのようなとろけた奴よ」
恥ずかしい、という気持ちが日本人に残っていれば、
日本の道徳は、またまだ捨てたものではないのだけれど。
偉人の話や感動の話を聞かせるのも確かに「道徳教育」だけど、
「恥ずかしい」という感情を、国民に教え直すことが、
道徳教育の一歩である気がしてならない。
家族の間でも「恥」という概念をもち、接することが大切だし、
「親しき仲にも礼儀あり」って、家族にも通用する言葉だと、
改めて認識した映画となった。
家族にとっても恥ずかしくない、夫・父親・息子でいたい。
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