雲のむこう、約束の場所のレビュー・感想・評価
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「これが新海誠のセカイ系か」という驚きの作品
「君の名は」「天気の子」と、新海誠の最新作を2作視聴して勝手に新海誠の「セカイ系」というものを理解したつもりでいましたが、甘すぎました。猛省いたします。
新海誠ファンの知人が言うには、「新海作品の中でも一番セカイ系の要素が強い」と。
ストーリーも単純なようで複雑、世界観も現代日本に近いけど情勢が異なるパラレルワールドのよう。なかなかストーリーの説明がしづらい作品ですね。気がついたらどんどんストーリーが展開していくので、置いていかれそうになります。作品は面白いんですが、難解な部分も多いので一度の視聴で分からないところも多かったですね。
ストーリーは難解ですが、良いところもたくさんあります。特に映像が本当に素晴らしかった。自然描写は言わずもがな、作中に登場する飛行機のデザインも良かったです。
また、キャラクターの関係性や心情の描写が繊細に描かれていて、そういうところも新海作品の魅力ですね。
個人的に一番の問題点は主人公役の声優の棒読み演技ですかね。だんだん慣れていくかと思いきや、最後まで棒読みが耳についてしまって集中力が削がれました。
うーん、微妙
何だろう凄くもったいない気がする
やりたかったこと、見せたかったことは伝わってきたのだが
唐突なSF要素およびその設定の難解さ、展開の軽さというbadなポイントがどうしても否めない
特にラストシーン。__飛行機テイクオフ~塔に到着~サユリ目覚めまでが特にあっさりしすぎて
盛り上がりやメッセージ性が弱く感じざる得なかった。
良くも悪くも新海作品か。
映像と心情描写
総合65点 ( ストーリー:20点|キャスト:70点|演出:85点|ビジュアル:80点|音楽:65点 )
前作『ほしのこえ』を発展させたような作品。
沢渡佐由理役の南里侑香の声が良かった。突然彼女が消えたことで全てを忘れるために何もかも投げ出して東京に逃げて、その後は命懸けで彼女のために飛んだ主人公の藤沢の寂しさ・喪失感・悲しさがしんみりと伝わる純文学のような表現が印象深い。
映像の美しさはもちろんだが、ちょっとした描写や切り取ったような風景の使い方が感情を表す演出が抜群に上手い。これも芸術的な雰囲気が漂う。
反面、前作の『ほしのこえ』と同様に設定と物語は駄目。説明不足でわかりくにいし、現実感がないし、はっきり言って無茶苦茶です。中学生の内職の給与と技術で飛行機が作れる時点でかなり異常。三人の関係と何が起きてどうなったのかを描かない物語も良くない。
こんな大袈裟な話にして破綻してまとまりがないようなことにしなくても、もっとありきたりな小さな物語で人の心を描くことは出来るはず。そのあたりを向上させるには次回作『秒速5センチメートル』まで待たねばならない。
タイトルなし
忍耐力がいる映画
新海誠監督の作家性が滲んだ切ないSFジュブナイル
1996年、日本は津軽海峡を境に南北に分断され、共産国家ユニオンがエゾ(北海道)を統治し、中央に天空を貫く用途不明の塔を建設していた。津軽に住む中学3年生のヒロキとタクヤはこの塔に憧れ、墜落した飛行機を改造して塔まで飛ぶことを夢見ていた。ある日ヒロキが密かに思いを寄せているクラスメイトのサユリに自分達の飛行計画をうっかり話してしまったところ、サユリは強い興味を示し、彼女も塔まで連れていくと約束するが、サユリは突然姿を消してしまう。飛行計画は頓挫し、3年後郷里を離れて東京の高校に通っていたヒロキの元に一通の手紙が届けられる。それは実は3年前に原因不明の病で意識を失ったサユリが書いた手紙だった。
夢の世界に閉じ込められた少女が世界の命運を握っているという設定が『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』を彷彿とさせるSF青春譚。ノスタルジックな風景の中で、自分の気持ちを伝えることが出来なかった少年が決心した冒険とその結末が実に切ない。『君の名は。』に通ずる印象的なカットが至るところにあって、新海誠監督の作家性が今現在に至るまで全くブレていないことに驚愕しかないです。
よくわからなかった
むずい…
思春期に観てよかった
小説版「雲のむこう、約束の場所」を読んで深く感動し胸を締め付けられ、期待と不安でドキドキしながら映画を観ました。
私は小説から入ったため苦ではありませんでしたが、
初見の方にはわかりづらい描写が多いかと思います。
少し退屈だと思ってしまうシーンもありました。
映画を観てみて「嫌いじゃないけど、なんだか釈然としない」という方がいらっしゃいましたら、是非、小説を読んでいただきたいです。
私は現在思春期真っ只中で、
言い知れぬ不安や虚無感で胸が苦しくなったり負の塊に押しつぶされそうになったりします。
けれどもそのようなマイナスな気持ちだけではなく、何かに強く惹かれ憧れる気持ちも、とても深くあります。
そしてその強い憧れの気持ちも少しずつ失われてきていることを感じています。
当初はそれだけでこの世界の全てが満たされて他には何もいらなかった。
でも今はそうではないことを知っているし、あのときの気持ちはもう価値を失いつつある。
そういったいわゆる思春期の葛藤を、新海誠監督は非常に繊細に美しく素敵な作品にしてくれます。
当事者(思春期の人間という意味で)の私としては、
涙なしには観れませんでした。
それに、エンディングの曲は監督が作詞をなさってるのですね!
(勘違いでしたら申し訳ないです💧)
とても暖かみのある素敵な音楽です。
また何度も観る作品になると思います。
もっと歳を重ねて観てみると全く違うように感じるんだろうなぁ。
その日が楽しみです。♪
君の名は。に通ずるものを感じる
SF、蝦夷と本州で日本が分断されている青森県が舞台。
軌道エレベーターに見える蝦夷の塔。
平行宇宙?平行世界?夢?
ソックスを履いた黒猫チョビが一匹。
光の反射の描写がこの作品にもある。というかこっちが先か。
人間の描写はこちらがはるかに幼い。少年サンデーぽい。
ちょっとエヴァぽかったりして。
ヴェラシーラという飛行機を作る感じは鳥人間コンテストみたいwもっとハイテクなんやろうけど。
バイオリンと光の演出。夏と冬で季節感を感じるのも光の演出なのか。
メカ関係はもひとつ。
さゆりちゃんが目覚めたら世界が飲み込まれてなくなってしまうかと思ったけど塔を壊したから世界は救われたってこと?
劇中は良かったけどエンディング曲が今ひとつ。歌が♡って誰なのか?
星を追う子ども といい新海誠はクレーターが好きなのか
別れる意味がない
新海誠監督の劇場映画2作目、dTVで拝見するのは、4作目と3作目に次いで発表順と逆に観ている。まだ『君の名は。』を観ていない。映画を観終える前にネットであらすじを予習と言うか、カンニングというか、してしまってからなので、タイトルもそれはそうだと思うし、既に観た2作と違い、SFだった。映像は4作目でアニメの精密さに驚愕したが、3作、2作と逆行しているのもあるのか、凄みには慣れてしまった。日本が戦争後に2国に分断されていて、北海道をエゾと言っているが、そこだけが別の国になっている。NHKオンデマンドで、『NHK特集 日本の戦後』を観たが、その1回めで、日本が本当に第二次世界大戦後に2か国どころか、4か国で4つに分断されたかも知れないという計画を知り、驚いたが。1990年代が舞台のようだが、高校生が飛行機の製作をアルバイト先で出来るというのも凄い事だと思う。一人の女性への憧れというモチーフはどの作品も共通しているようだ。なぜか河川に飛び込んでしまうシーンは、この映画では故意では無かったが、最近観た作品で、『ももへの手紙』も『四月は君も噓』もあったから、偶然良く目にしたが、秋の長雨で台風も来て、また来ると言う。洪水のほうが心配だ。人の見る夢が並行宇宙への出入り口なのかという事なのか。SFは日常的に経験しない事が入るのでわかりにくい面がある。夢を出入り口にした異次元空間での交錯は、まだ観ていないのでわからないが、『君の名は。』と似たような面があるのかどうか。しかしこの映画の時点ではあんなに大きな話題にはならなかった。内容の見せ方がこの映画のほうがやや難しかったのだろうか。普通の工場にみせかけて実は、南北統一を計画するテロ集団が正義としてみられるところがある。これは何を意味するか。主役たちは連合側の住人だ。
共産側は謎に包まれている。その象徴がとてつもなく長い塔であるようだ。主人公は一人の女性を救うのか、世界全体を救うのかという究極の選択に追い込まれるようだ。そして女性を救えば、女性の記憶は主人公を忘れてしまう。その過程で一瞬だけ二人の思いが通ずる時間があったが、現世界の存続と引き換えに女性の思いは消えて行ったらしい。それでも主人公は世界を救う。女性は主人公との思い出を失くしても。理解していないかも知れないが、そうだと思った。背後に川嶋あいの揺らいで危うい清らかな声で主題歌が流れる。しかしわかりにくいのはオープニングに喪失感の場面が出て来て、主人公と女性は一緒にいない事が予想されるのだが、最後の場面では女性は眠りから目覚めていたのである。この整合性がわからなかった。ただ、『秒速5センチメートル』
は女性の心変わりから評価を私は大きく下げたが、この作品は淡い恋の交流であり、それで初めから思い出を失くした時点で主人公と女性は別々の道を歩んだのかも知れないが、喪失感を表すには動機が弱くなると思った。むしろ『ひよっこ』みたいに記憶を失くしても歩めるほうがロマンティックだっただろう。だから大きく下げもしないが評価を上げられない。
物騒な未来。
新海誠監督の初長編アニメーションだったそうだが、彼の作品
では一番面白くなかった気がする(失礼)「ほしのこえ」と比べて
スケールアップしている気はするけど、テーマをどこに置いた
のか分かり辛い。中学時代の同級生が飛行機作りに熱中したり、
憧れの女子が転校したりと良い要素は沢山あるのに、戦争背景
を絡めた冒頭から日本が南北分断という、とても物騒な未来に
なっているためリアルとファンタジーが行ったり来たり。その
繋ぎ方が悪い。映像はこの当時から素晴らしく、レトロな校舎
や電車内に差し込む光などリアルそのもの。人物描画は魅力に
乏しい気がするけど、ここから12年後のクオリティは目覚しい。
全く面白くありませんでした
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