「ピカの被害者の苦悩と奇跡」父と暮せば Don-chanさんの映画レビュー(感想・評価)
ピカの被害者の苦悩と奇跡
広島県が好きだし、宮沢りえさんが出演する映画が観たい。娘視点の父との話でもあり、結婚前の青春物語もある。
戦争映画という側面もあり、本編98分という短さの割に楽しませてもらえて満足しました。
『火垂るの墓』(ジブリのアニメ版)のように、死者が幽霊になって現れたり、戦争の怖さを感じる夏の定番エンターテイメント作品でした。
空でピカっと光る原子爆弾投下シーン、あの近距離では飛行中のB29は無事ではありませんね。投下は嘘(坂本九が言うには投下ではなかった)と氣付くように、遠回しに伝えようとしているのかもしれません。美津江(宮沢りえ)は昔話研究会のメンバーとして、先人から聞いた通りに語り継いでいかなければならないと言及していました。今作もそのようにしたのだと思います。
美津江は、亡き父と会話をしながら頭の中を整理していきます。幻想なのか、夢の中の話なのか、第三者からはどのように見えるのか、本当は寝たきりなのか、その描写が無いため想像するしかありません。
最終的に木下(浅野忠信)と結婚することを決意したように終わっています。
不思議な力が働いて父が現れたのは、美津江に奇跡が訪れたのだと解釈します。
ラスト、広島ドームに咲いた小さな花は、明るい未来を示唆しているように感じました。二つの花なので、もしかしたら双子が産まれるのかもしれません。
オトッタン、おっとったん…と言う広島弁の宮沢りえさんが観れただけでも、ありがとありました。
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