「アラフォー世代なら感傷に浸りつつ泣けます」世界の中心で、愛をさけぶ だいすけさんの映画レビュー(感想・評価)
アラフォー世代なら感傷に浸りつつ泣けます
2001年に出版された後、話題が話題を呼んで、ついに2004年には発行部数200万部を突破した片山恭一原作の純愛小説を映画化した作品です。
小説の設定を生かしながら新しい解釈を加えて、さらには佐野元春の「SOMEDAY」や渡辺美里の「きみに会えて」などの80年代の楽曲を挿入歌に起用して、小説とは一味違った映画ならではの世界を作り上げていると思います。
監督は「Go」「きょうのできごと」の行定勲監督です。
結婚を目前にした松本朔太郎と藤村律子。
ある日、律子は引越しの荷物の中から古いカセットテープを見つけ、衝動的に四国のとある町に向かいます。律子の後を追って、朔太郎がたどり着いたその町は、朔太郎の故郷。そして、初恋の人「アキ」との決して忘れる事の出来ない思い出の場所でした・・・。
高校生の朔太郎とアキの二人の生き生きとした姿は、その後に訪れる悲劇を思いもしない。でも、永遠に続くと思われる時間も、決して永遠には続かない。現在の描写と過去(1986年)の描写との対比が絶妙で素晴らしかったです。
1986年。僕は14歳でした。映画の中の朔太郎やアキよりも少し年下ですけど、彼らと同じ音楽を聴き、同じテレビを見て、同じような事を考えていたと思います。
物語だけではなくて、そういう時代背景に何だかノスタルジックな感情が湧き上がってきました。
過去と現在が偶然が重なる事で結びつき、新しい未来へ繋がっていく。
悲恋を描いた映画ではありますけど、観た後には、前に進む気持ちになれるそんな作品です。
DJ役で出演した渡辺美里さんにも注目です。前半のシーンでチラッと出演しているのをはじめ、劇中の朔とアキが聴いている「MIDNIGHT WAVE」という番組のDJは当時ラジオにかじりついていた僕のような人間にとっては、本当に懐かしかったです(笑)